271豚 キミの未来を変えた責任は……
そう。
だから、急ぐ必要なんてどこないのだ。
俺たちが優雅なスローライフを満喫していれば、ノーフェイスは向こうからやってきてくるのだから。
そしてその時。聞けばいいんだ。
「じゃあシルバ。これ、お前に渡しとくからな」
「え、どうして俺が。それは坊ちゃんからあいつに返して下さいよ」
あの日あの時、何が起きたのか――未だ
あの地で起きた
その一つ。
何故、ノーフェイスは
……ん?
「ちょ、ちょ、ちょっと待て! これはノーフェイスを解放したお前が返せよ! そんな危険な役目、どうして俺が!」
「いやだって、アイツ。ぼつぼつと呟いてたみたいですから。坊ちゃんを、コロス絶対に殺すって……」
「こ、コロス⁉ 物騒だな、それに何で俺がアイツに恨まれてるんだよ⁉」
「……く、ははは! 何言ってるんですか、坊っちゃんがアイツを牢に叩き込んだんじゃないですか! だからノーフェイスにそれを返すのは坊ちゃんの役目ですって!」
何がツボにはまったのか知らないが、この野郎笑いやがった!
その姿が無性にいらついて仕方が無い。何で俺に全ての責任を押し付けて、そんなに笑えるんだよてめー! 確かにノーフェイスを牢にぶち込んだのは俺かもしれないけれど、釈放させたのはお前だろう!
「ノーフェイス程度、坊っちゃんなら軽くあしらえるでしょう?」
「そういう問題じゃねえっての! お前も知るだろ、アイツは
「まぁまぁ、落ちついて下さいって」
こいつ……分かってんのか?
俺をそんなに恨んでるってことは、出会い頭にいきなりノーフェイスに殺される可能性だってあるんだぞ。
牢獄の中であれば、直接返して穏便に話し合える可能性もあったかもしれない。
でも、よくよく考えれば――。
今、傭兵は野に放たれて誰もその行方を知らないのだ。もしかするとついさっき、この白外套を着て街をドヤ顔ぶひぶひで歩いていた時に俺はアイツとすれ違っていたのかもしれないのだ。そういえば、俺のことを睨んでた人がいたような……。
「それに俺も俺なりによく考えたんですよ。アイツが迫ってきても怪我無くあしらえるのはこの国じゃあ数人しかいません」
「
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