めっけ鳥 3
「ふん、中々見事だった」
辺りにまた日常が戻った
振り返った先には、いつの間にかあの男が立っていた。
「あっ、めっけちゃん」
「
「いいじゃんどっちでも。似たようなもんでしょ?」
俺も別にどっちでもいいんだが、かなり違うと思う。
「めっけちゃん、相変わらず偉そうだよね。何にもしないのに」
腕を組み、大きく溜息をついた渡部が何かを言う前に、さらに
「今回は手伝ってくれたよ。彼があそこに居てくれなかったら、まずかったかも」
流石に見かねた
この言い方だと、本当に今まで何にもしなかったんだろうな。
「そうなの? お手柄じゃん」
「別に手伝ったわけじゃない。偶然だ」
こちらも
「はいはい、そういうことにしておきましょうか」
二人のやり取りを見て、和葉さんがくすくすと笑う。
「偶然でも助かったわ。ありがとう」
立木はああ言ってたけど、普通に仲良さそうじゃんか。
三人とも結局のところ
何だか
そんな
「新入りか」
「ええ、まあ」
負けてられるかとフチなし眼鏡の奥を見返すが、鋭い眼光が刺し返してくるようで痛い。
「な、何か」
渡部はすぐには答えずに、ぼそりと言った。
「
「……は?」
何を言われたのか理解できず、思わずそんな声が出てしまう。
だが、それは立木も同じのようだった。
「それって、どういう意味?」
それから彼女は、助けを求めるように和葉さんを見る。
みんなの視線を受け、彼女も珍しく戸惑ったような顔をした。
「わからないなら、いい」
誰かが口を開くより先に、渡部はそう言ってこっちへ背中を向けると、さっさと歩いて行ってしまう。
何だよ、言いかけたなら最後まで責任持てよ。
でもその言葉は口からは出ず、俺はただ、その背中を見送ることしかできないのだった。
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