ごめんなさい
「いいですか、シンイチさん。この際だから言いますけど、シンイチさんっていっつもよく考えないでとりあえずで適当に行動してますよね? 今日まではなにか深いお考えあっての行動だろうと自分に言い聞かせてましたけど……特に何もありませんよね?」
「はい……とくにありませんです。割とノリと勢いで行動してますです。すいませんです」
「そうですか。そうですよねっ。わかってました。わからないふりをしていた私にも非はあります。仮にも司祭様であるシンイチさんはきっともっとまともな人で、何か私にはお呼びのつかないお考えがあるんだろうと判断していた私がバカだったんです」
こういうお説教の時の僕の態度はなぜか他人の心を逆なでするらしい。だから殊勝にしてうなだれていても火に油とばかりに怒りを燃え上げさせる人が多いんだけど、ぴくぴくと眉をひきつらせながらも自分の失点を挙げるアンナさんの心の大きさは無限大なのかもしれない。
「仮にも私より高位の神官であるシンイチさんに言うことじゃないはずなんでが、自分のことぐらい自分で管理して下さいっ。私たち中央聖教の神官は神職を得ていない方を教え導くの本懐なんですっ。だっていうのに自分のことすらロクに把握できていなくて、何が神官ですか!」
「はい……はい……本当に申し訳なく思ってるです……」
僕はしおらしく正座をしたまま、アンナさんの言うことをとりあえず全肯定していく。別に僕は神官になりたくて神官になったわけじゃないんだけど、反論なんてしない。こういう時は、とりあえず頷いておけば何とかなるものなのだ。
――信一が世の中のことなめてるわ……。
サロメ様が余計な茶々をいれてきたが反応はせずにアンナさんのお説教を受け流すことに注力する。
ちなみに前の世界だと、国家の官史として神に仕えるのが神官という意味だったらいしいけど、この世界だと微妙に意味合いが異なる。九割方の宗教が中央聖教で占められているこの世界では、中央聖教に所属する聖職者イコール神官だと思ってもらって構わない。とういうか、僕は地球の神職システムなんてよく知らないので、正直違いが良くわからない。
「しかもシンイチさんは、司祭様という高位の神官なんですよ? 教会所属だったら、一地域を束ねる立場にある司祭様です。それが、どうしてあんな醜態をさらせるんですかっ」
「いえ……その……よくあることだと……」
「ありません! あるわけがあり得ません! そんなことがありふれていたら、中央聖教の権威はとっくの昔に地に落ちてます。」
ないんだ。
それは困った。醜態と言われても、あれ、僕の素だし。
――大丈夫よ。たとえ情けなくっても、私、そんな信一が好きだから!
――はいはい。ありがとうございます。
さっき褒めた余韻がまだまだ残っているようで、サロメ様は上機嫌だ。
サロメ様の励ましに適当に頷きながらも思うことは、お説教の長さだ。何だかんだで優しいアンナさんのことだから夕ご飯の時間までには終わると思ったのに、もうとっくにその時間は過ぎている。
その弊害で、いま僕の身体に重大な現象が起きていた。
――どうしましょう、サロメ様。
――あら? どうしたの、信一。
――お腹すきました。
――お腹すいたって……信一。アンナちゃんはあなたのことを思ってお説教してるのよ。真面目に聞きなさい。アンナちゃんに失礼じゃない。
――……うっ。
ほぼ意味のないことしか言わないサロメ様だけど、たまに聞き流せない正論を言うから油断ができない。
なるほどアンナさんはただ怒っているというわけではなく、僕の軽率な行動を戒めてもいるんだろう。お説教の内容はただ怒りをぶつけて怒鳴りつけているのでなく、僕がまた同じ間違いを繰り返さないようにと心を込めている。それを理由もなく無視する奴とか、ただのクズだろう。
けどそんなことよりなによりも、僕はお腹がすいたのだ。
――サロメ様。お説教っていうのは聞く方だって体力がいるんですよ? 僕はアンナさんのお説教を聞きたいからこそ、ごはんを食べようと思ってるんです!
――あっ。そ、そうだったのねっ。ごめんなさい。私、てっきりいつもみたいに信一がつらいことからとりあえず逃げようとしてるだけだと思ってたわ!
よりによってポンコツ神サロメ様に魂胆を見抜かれてるあたり僕の底の浅さ具合も知れているというものだ。それでもちゃんとごまかされてくれるあたりが、安心と信頼のサロメ様クオリティである。
――よかった! ちゃんと考えてくれてるのね。信一も成長してくれているみたいで、嬉しいわ!
僕の人間的スペックがレベルカンストしてるくせに底辺とかいまさらだ。もはや成長の見込めないそこは反省する気も出ないくらいどうでもいい。どうでもいいけど、僕はお腹がすいてる。ご飯食べたい。
「いいですか、シンイチさん。これに懲りたら明日からは心を入れ替えて――」
「すいません、アンナさん」
ご飯が食べたくなった僕は、アンナさんのお説教を終わらせるべく口を開いた。
アンナさんは、口を挟んできた僕をすごく不服そうな目で見た。
「……なんですか、シンイチさん」
「怒った顔は優しいアンナさんには似合わないです。いつものかわいいアンナさんが台無しですよ? ほら、にっこり笑いましょうよ!」
「そういうシンイチさんは、死ぬところだったっていうのにほんっといつも通りですね!」
褒めてご機嫌を取ろう作戦がいきなりとん挫した。
「こうやって怒られてる時でさえもヘラヘラヘラヘラ受け答えしてっ。どんな怒られようが適当に褒めてごまかせばいいと思ってるですよね、どーせ!」
「えぇ!? そんなことはないですよ!」
実はそんなことはあるけど、もちろんそんな本心を正直に告白するほど僕は馬鹿じゃない。なぜバレたんだと思いつつも、とっさに口から出まかせが出てくる。
しかしどうしよう。褒めておだてる作戦が通じないとなると、どうすればご飯にありつけるんだろう。僕はもともと女の子となんて恥ずかしくてまともに顔を合わせて話せないコミュ障だったけど、この世界でサロメ様と会話しているうちに異性に対するコミュニケーションにちょっとだけ慣れることができた。
そして女の人って適当に褒めとけば何とかなるものだと思ってしまった。
異性に対するコミュニケーションについて多大なる勘違いしてしまったのは我ながら痛恨だ。サロメ様以外の異性と話す機会に触れてから、とりあえず褒めとけばどうとでもなるのはチョロ神様のサロメ様だけだっていうのは気が付いたけど後の祭り。サロメ様を相手にする気持ちで普通の女の人と接していたら、だいたい怒られるようになってしまった。
つまり僕のコミュニケーションに問題がある原因はサロメ様がチョロ神様だからなのだ。
――し、信一。いま適当に褒めおけばって……え? あ、あのね、信一。
――ん? なんですかサロメ様。僕、いまアンナさんのお説教を聞いて心を入れ替える作業で忙しんですけど、その忙しい時間を割いてまで聞く価値のあることですか?
――あ、忙しい時にごめんね。でも、そのね。もちろんそんなことはあり得ないって私はちゃんと分かってるんだけどね。それでもどうしても確認しておきたいことがあるの。
サロメ様の前置きって、次に言うことが分かりきってるのになんでこんなに長い上にうっとうしいんだろうか。
――そのね。信一は……私のこと、とりあえず褒めとけば何とでもなると思ってないわよね?
――……。
いまさら何を言ってるんだろうか、このチョロ女神様は。
もちろんのこと当然のように思ってますけど、そんなことはサロメ様にも読み取れない深層心理の奥深くに沈めておく。
――やだなサロメ様。僕はかわいいかわいいサロメ様を褒めるときはいつだって本当にかわいいと思って言ってますよ? サロメ様かわいい!
――あ、あら。そんな、もう。信一ったら! そんなこと言ったってごまかされないんだから! かわいいだなんて言ったって……うふ、うふふっ!
適当に褒めたらうふふと調子に乗り始めたサロメ様はさておき、僕はいまだお説教を続けるアンナさんに注意を戻す。
「シンイチさんは他人のことを安く見すぎですっ。もうちょっと見る目を鍛えてください」
ぴっと人差し指を立ててお説教を続けるアンナさんはまだまだ止まりそうもない。
辺境の小さな教会とはいえ、そこの管理を一人で任されているアンナさんの能力は侮れない。雑務処理能力は僕の遥か及びのつかない高みにあるだろうし、魔力強化だけで見ても僕と同等かそれ以上だ。しかもアンナさんは『慈悲』の神様から加護をもらっている。人を癒せる『慈悲』の加護は、自身も癒せる。自分の傷を自分で癒せるその力は、戦闘でも大いに役に立つ。
つまりこの場でアンナさんを必要以上に怒らせてケンカにでもなったら、僕はアンナさんに負ける公算が大いに高い。異世界から召喚された勇者の一人にして『神に最も近い男』とまで称された僕を打ち倒せるだなんて、アンナさんの器はこんな辺鄙な村の教会なんかじゃ収まらない。いつかはきっと中央聖教の中枢まで上り詰める逸材だろう。
つまりそんな将来有望なアンナさんとはケンカをしないほうがいい。負けるケンカとか、しないほうが賢明だ。だからこそ僕はそんな偉大なアンナさんに慈悲を講う。
「アンナさん。聞いてください」
「……いいですよ。二回目ですけど、聞くだけ聞いてあげます」
お腹もすいたし足の痺れもそろそろ限界が近いから早く解放されたいんだけど、なぜだかこれから始める僕の釈明が聞き入れられない予感がした。
「あ、あのアンナさん……?」
「どうぞ。言い訳を始めてください」
「あ、はい。そのですね。僕は、僕を拾ってくれたアンナさんの慈悲深さはよくよく知っているんです。出会って一か月。アンナさんの優しさは身に染みて感じてます」
悪い予感は錯覚だと振り払い、まっすぐアンナさんの碧眼を見つめ真剣に語り掛ける。
いまの言葉に嘘はない。何せ僕はほかならぬアンナさんに拾ってもらってこの命をつないでいる。一か月前にアンナさんに拾われていなければ、僕はとっくの昔に山奥で餓死していただろう。
その僕が言うのだから、説得力があるはずだ。
――そうかしら。
サロメ様が疑問を呈してきたけど、理論的に考えればあるはずのなのだ。
しかし当のアンナさんは、じとーっとした目で僕を見ていた。
「そうですか。で、なんですか?」
「はい。そうなんです。僕はそんなアンナさんが大好きです。だからアンナさん。近所で評判の優しく有能な美人プリーストに戻って、今日の夕ご飯の準備をそろそろ――」
「黙ってください。それ以上適当なおべっかを聞かされたら私は自分の衝動を抑えられそうもありません。素直にご飯が食べたいだけだって言ったらどうですか?」
「はい。ごめんなさい。ご飯が食べたかったがための言い訳でした」
静かにメイスを振りかぶったアンナさんの圧倒的気迫に、僕は迷わず正座の姿勢のまま頭を深々下げて額を石畳にくっつかせる。
今は命の危機だ。ふざけていられるような状況ではない。
いやだってアレやばいもん。さっき床にたたきつけたメイスは脅し目的だってはっきり分かってたけど、今のアンナさんは完全に僕の頭を狙ってた。しかもアンナさんの瞳からハイライトが失せていた。
アンナさんの魔力強化がなされたメイスを頭に振り下ろされたら、たぶん僕は死ぬ。死なないために服従を選ぶのは人間として当然の選択だ。
「ゴブリン三匹が限界って、地方神官の平均よりもちょっと強い魔力強化しか使えない私と同じくらいのレベルですよ? 加護持ちでもない。魔力強化は地方神官並。それでどうしてゴブリンの群れを素手で狩れると思ったんですか? というか、その程度の魔力強化しか使えないのにどうして司祭様だなんて高位神官になれたんですかシンイチさんはっ」
「えーっとですね……」
聞かれたのでちょっと真面目に考えてみる。
ゴブリンの群れ云々はともかく、僕が司祭という高位神官位を持っている理由は簡単だ。
今着ている司祭服と一緒に、教会にいる知り合いの偉い人からコネで地位をもらった。
だから僕はこの世界で最大派閥である中央聖教の司祭様でもある。司祭服はそれだけで身分証明になるし、なにより特殊な製法と超高級素材を駆使して作られた汚れにくく洗いやすいスペシャルな服なので愛用しているだけだ。
ただそれを言ったら、真摯にプリーストをしているアンナさんから今度こそ殺されそうな気がする。
「改めて言われると我ながら不思議です。なんででしょう」
「命がけで私をおちょくってるならそういって下さいっ。今すぐその報いを差し上げますから!」
ごまかしてみたんだけど、僕の選択はどっちにしろアンナさんの殺意を促してしまったようだ。ごうっと燃え上った怒りの炎に、僕はすかさず再び頭を下げた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 群れてるっていうのを聞いてなかったんですっ。ゴブリンが一匹か二匹山を這いずり回ってるのかなって! それくらいなら僕でもなんとかなるかなって思ったんですっ!」
「バカですかシンイチさんは!? すいませんバカでしたねシンイチさんは! 私ちゃんといいましたよ!? ゴブリンが人里近くまで下りてきてるので、もしかしたら十匹以上が群れになってるかもしれないって! だから気を付けて探索してくださいっていいましたよ!」
そっか。アンナさん、そんなこと言ってたんだ。
でもあの話を聞いた時って、まだ朝だったから寝起きの僕はすごく眠かったんだよね。だからあの時のアンナさんのお話って、半分以上僕の耳から抜け落ちてるんだ。
「それでもやたらと自信に満ちていたから平気かなって勘違いしちゃったじゃないですか! なんでシンイチさんは命を懸けたバカをやらかすんですか!?」
「バカですいません! 反省してます!」
聞き逃した理由を話したら異端審問並の残虐な拷問の末に殺されそうな未来が幻視できたので、僕はひたすら頭を下げて謝り通す。
長いものには巻かれるというのが僕の主義だ。いつだって自分より強い相手には頭を垂れる。そうすれば災難は過ぎ去ってくれるのだ。
――うふふ。信一が怒られてるわ。いつも意地悪だし、たまにはちゃんと叱られるべきよね。
サロメ様がアンナさんに便乗し始めた。
やたらと機嫌がいいのはさっき褒めたからだろうけど、なんだこの神様。僕が弱いのはサロメ様が原因だというのにアンナさんの威を借りて僕より優位に立とうなんて意地汚いにもほどがある。
なにせ僕は最弱の加護をもらったおかげで、当初はクラスで形成されていたどのグループからも爪はじきにあってたもん。おかげでボッチになった。いや、もとからコミュ障の僕はクラスのボッチだったから、脳内にサロメ様がいた分、元よりかはましだったけど。
それでも、異世界に召喚された当時、僕はほぼクラスから隔離された状態だった。
それは弱かったからだ。クラス最弱三人衆の筆頭だった僕の雑魚さ具合は筆舌に尽くしがたい。弱かったがために、僕は他のみんなから隔離された。
「……はぁ。もういいですよ何だかんだで無事だったんですから」
もしかしら今日は夕ご飯抜きなのかなと軽く絶望していたら、不意にアンナさんが諦めてくれた。
「無理やり反省させても仕方ないですし、時間も時間ですし。早くご飯にしましょうか」
「ですよね! 無事だったらそれで万事――え?」
やったぁこれでご飯にありつけると行き良い良く顔を上げたら、アンナさんの青い瞳に透明なしずくがたまっていた。
「あ、アンナさん?」
「え、あれ? ご、ごめんなさい。別に泣くつもりなんて……あ、あれ? おかしいですね……シンイチさん、無事だったんですから泣くことなんてないのに……あれれ?」
狼狽する僕に、アンナさんは嗚咽を呑み込みながらそれでも涙を流す。
アンナさんが、泣いている。ぽつり零れ落ち涙のしずくは、てきめんに僕の心に波紋を立てた。
――あ、あわわわわわあわあ……! さ、サロメ様! どどっどどどうすればいいですか!?
――そ、そそそそんなこと言われても……と、とりあえず謝りましょう! これ、間違いなく信一が悪いのだけは確かだから、謝るのよ!
――わかりました。土下座した後、三回まわってわんって鳴けばいいですか!?
「ご、ごめんなさい。本当に、なんでも……だって、下手に司祭服なんて着てるから任せて安心だなんて勘違いして、それでシンイチさんが死んじゃったら……嫌だなって……でもちゃんと無事だったし、それで……いいんです……」
――……ぁ。
涙交じりのアンナさんの言葉が、戸惑いつつも土下座を敢行しようとしていた僕の心を納得させた。
そうだった。
普通の神官は、戦いに慣れていない。仮にも魔王討伐の旅の一員として数多くの修羅場をくぐったクラスメイト達とは違うのだ。
知り合いが危機にさらされたら、胸を痛める。知人が死にそうになったら、責任を感じる。魔物の少ない地域で生活して『慈悲』の神様から加護を賜るほど優しい心を育てたアンナさんにとって、それこそ泣いてしまうほど重たい出来事だ。
僕は、アンナさんを勘違いさせた挙句そんな思いを押し付けてしまった。
――信一。
静かなサロメ様の声が、胸に響く。
――心を込めて、ちゃんと謝りなさい。
――はい。
さっきまで動転していた心は、不思議なくらい落ち着いた。
「ごめんなさい、アンナさん」
アンナさんの涙に心を揺さぶられ、サロメ様の言葉に諭されて、僕は素直に頭を下げる。
「ふざけすぎました。調子に乗りすぎました。悪乗りしていました」
言い訳なんて何もせず、ただただ自分の非を認めて頭を下げる。頭を下げたいま、アンナさんがどんな表情をしているかわからない。もしかしたら手に持つメイスを振りかぶって僕の頭をぐちゃってする準備をしているのかもしれない。
ただ、そんなものは今の僕が頭を上げて理由にもなりはしない。
「心配かけて、ごめんなさい」
僕ができる最上級で謝罪し、静観しているサロメ様と一緒にアンナさんの裁きを待ち構える。
「……ちゃんと、反省してますか?」
「はい」
「なら、いいです」
思ったよりずっと簡単に、お許しが出た。
「……はい。ありがとうございます、アンナさん」
お礼を言う口元が緩んだのは、安堵からではなかった。
顔を上げたら、アンナさんがちょうど服の裾でぐいっと涙をぬぐっているところで、いつもは大人びたアンナさんのなんだか子供っぽいその仕草が少しだけおかしかった。
やっぱりアンナさんは、優しい。
涙をふき取ったアンナさんが、いつも通りに優しく微笑む。
「もう夕ご飯の時間は過ぎてますね。早く済ませてしまいましょう」
「そうですね。僕、もうお腹ペコペコです」
その言葉のやりとりにわだかまりはない。お互いの感情を揺さぶり合った後だなんて信じられないくらい、いつも通りの言葉を交わせた。
――ふふっ、良かったわ。
僕とアンナさんの笑顔につられてか、頭の中で響いたサロメ様笑い声は、ここ一番で女神様らしかった。
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