PARTⅡの7(15) 関連ニュースにびっくり
奏の家に戻った謡、奏、ヒカリの三人は、早速ケーブルテレビのニュース専門チャンネルを見た。
【JBC、CM消える怪奇現象。全放送休止】のニュースが流れたあと、関連ニュースとしてアナウンサーが次のニュースを紹介した。
「JBC関連のニュースをもう一つお送りします。きのう、記者会見中に倒れて病院に運ばれたJBCのゼロアワーニュースの大浜キャロラインさんが、今日の午前中、病院から姿を消しました」
謡と奏はびっくりして顔を見合わせた。
「大浜さんはきのう病院に運び込まれたあと朝まで熟睡して目ざめたとのことで、
検査の結果、体にはなんの問題もないとのことでしたが、
その検査のあと病室から姿を消し、その行き先について所属事務所にも何の連絡も入っていないとのことで、その
奏は、感じたことを率直に口にした。
「会見中はある種の夢遊病状態にあったんだろうけど、
起きて、医者などから自分が何をしたかあらためて知らされて、落ち込んで失踪してしまったんじゃないかな。
ぼくだったら、死に場所を探すかもしれない。なんとか止めなきゃ」
謡はドキッとして大浜の携帯に電話を入れてみたが、電源が切られているようでつながらなかった。
――どうしよう、そうだ ・・・。
謡は山岡に電話をしてみた。こちらはすぐにつながった。
「キャロのニュースなら、今、ぼくも見た。電話してみたけど、電源を切ってるみたいで ・・・」と山岡。
「あたしも今してみたんですが、つながりませんでした」
「まずいな。自殺しようとしてるのかもしれないから、探し出してとめなきゃ」
「あたしもそう思って、それで電話をしたんです。どこに行ったか、心当たりはありますか?」
「今のところない ・・・ 君は?」
「あたしもありません」
「わかった、よし、彼女の所属事務所や親兄弟や友人たちに手当たり次第に電話して行き先に心あたりがないかどうか聞いてみよう。
何かわかったら君にも電話するよ」
「よろしくお願いします」
謡は不安な表情で電話を切って、目を閉じて心から、
――どうぞ大浜さんが無事にみつかりますように。
と祈った。
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