第29話 〝大統領の大統領″
【大統領の大統領】
秘書:『世界副大統領!
なぜですか!
そんな…あなたの兄ではないですか!』
世界副大統領:『私が、世界大統領にふさわしいのだ…
これしかなかったのだ!』
秘書:『いや…しかし、あなたの兄は!
世界大統領は、本日あなたに!
あることを伝えようとされていたのです!
世界大統領をあなたに代わってもらいたいと!』
世界副大統領:『えっ…
そんな…
まさか…』
秘書:『いいえ!まさかではありません!
事実、このような手紙もお預かりしております。
これは、万が一世界大統領が亡くなられた時に、あなたにお渡しするようにと、本日お預かりしたものです。
そして、こう言われておりました。』
…………………………………………
世界大統領:『わたしは、今まで、自分の望むような人生ではなかったのだ。
わたしは、あることを小さい頃から、望んできたことがあるのだ。
しかし、一度も叶わずに今まで生きてきたのだ。
しかし、あのかたに、この世界の法則を教えて頂いたことで、ようやくやるべきことが見出せたのだ。
わたしはね。
弟が本来、世界大統領の器を持っていると考えている。
私は、運だけでここまで来たのだ。
だが、いつも、弟がいてくれた。
だから、自信がなくともやってこれたのだ。
そして、私が小さい頃から望んでいたことは…
弟の努力が実る姿をみることなのだ。
弟は、小さい頃から不運に見舞われてきた。
それは、悲劇ともいうべき運の悪さだった。
ただ、弟は、それを凌げるほどの努力をしてきた。
私など足元にも及ばないとてつもない努力をしてきたのを知っている…
いつもそうだった…
もちろん、私も弟に負けないために、努力はしたよ…
でも、弟には、敵わない…
あれほど、ひたむきに努力できる奴はいない。
私は、ただ…
兄で在るがゆえに、弟に負けない兄で有り続けようとしただけだ…
でも…でも、なぜか大事な時に弟は、不運に見舞われてきた…
だから、私は弟の努力が実る姿をみたいと願い続けてきたのだ…
ただ…あのかたにお会いし、自分の想いを変え、どうすべきかを学んでから、これが私の願いを叶える方法だと理解したのだ。』
…………………………………………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます