第25話 〝双子の双子″

【双子の双子】


秘書:『このように、世界中で双子の出生率が急激に増加しています。


また、最近では、双子でない赤ちゃんが、産まれて間もなく消えてしまう事例が世界中で起こっています。


何がなんだがさっぱりです。


この事件が起こるまで、遺伝子学の最新の研究結果では恐るべき予測を導き出していました。


このままでは、双子特有の遺伝子を持つ者同士の交配率が増えることで、さらに加速して行き、いずれ双子しか生まれなくなるとの見通しを示したのです。


その矢先に、双子以外は、消えてしまう現象が起こった…


また、最近の特徴としては、電子機器アレルギーを持つ者が増えていることが挙げられます。


それに伴い、携帯電話離れが後を絶ちません。


そして…双子同士のテレパシーが発達してきているという事例も、世界中で報告されているのです。


中には、双子類が世界を救うなどと称する宗教法人が勢力を増してきているという情報もあります。』


世界大統領:『もういい!一体、世界はどうなってるんだ!』


世界副大統領:『世界大統領、私は、この秘密を知っているかもしれない人物を知っているよ。』


世界大統領:『なんだって?』


世界副大統領:『人物かどうかも疑問だが、なんせこの世界を一周したというのだから、凄すぎて呆れたくらいだ。』


世界大統領:『何を言ってるんだ?

世界を一周するくらい、私だってしたことがあるぞ?

何が凄いんだ?』


世界副大統領:『この世界の次元が違うよ。

この世界の時間を一周したということだ。』


世界大統領:『ん?何を言ってるんだ?

どういう意味だ?』


世界副大統領:『どうも、この世界は、過去も未来も繋がっているらしい。

その人物は、未来に向かって進み、進み続けた結果…今に戻ってしまったらしいんだ。』


世界大統領:『何を馬鹿なことを言ってるんだ。

そんな馬鹿げた話、誰が信じるというのだ。

そいつのホラ話に決まっている。

こんな状況で何を言ってるんだ。

いい加減にしろ!』


世界副大統領:『その人物は、未来を知っていた…

世界大統領。

あなたが死ぬ時も、その人物は知っていたのだよ。』


世界大統領:『な、なんだと?

私が死ぬ時だと?

そ、そいつは、いつだと言ったんだ?

お、教えてくれ!』



世界副大統領:『今だ。』


パァーン!


ドサッ…


秘書:『世界副大統領…あ、あなた…な、なぜですか?

なぜあなたは、双子の兄である世界大統領を…』


世界副大統領:『これが、その人物の預言…

いや、見てきた世界なのだ。

起こり得るべくして起こる未来だったのだ…』


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