第45話〝もつれた糸″

ガル:「時が止まってるって?

どういうことなんですか!」


ドグ:「時が止まるという表現は、誤解を招くね。


正しくは、私は年をとらなくなったのだよ。」


ガル:「そう言われると、やたらとても肌の色艶がいいとは思っていました。

まぁ、でも、話し方とそのヒゲで、年齢相応の雰囲気がありましたからね。」


ドグ:「これに気づいた時、私は困惑したと同時に何としても〝目的″を果たさなきゃならないのだと改めて〝決心″がついたのだ。」


ベーア:「それは…〝闇の世界″と関係があるのですね?」


ガル:「ベーアさん!

その言葉を使うとダメじゃないですか!

また…ドグさんが…」


ドグ:「いや、もう大丈夫だよ。

それに、ベーアさんもそれを承知でその言葉を切り出している。

ベーアさん、あなたまだ、何か重要なことを話してませんね?


もう、そろそろ打ち明けてもいいのではないですか?」


ベーア:「私もそのつもりです。

このスークの件、非常に〝私″にとってもツライ出来事でしたが、ある事に気づいてから、

私は困惑の日々でしかありませんでした。


なぜ、左利きなのか…」


ドグ:「…?

ベーアさん?」


ベーア:「ドグさん…


過去、あなたに会った当時の私は、〝私″ではありません。


おそらく、〝私″はこの世界の私ではありません。」


ガル:「ベーアさん?

よくわからない告白ですよ!

意味不明です?

ねぇ?ドグさん?」


ドグ:「やはり…そうですか…。

私の〝感″の通りだった…

しかし…それが事実であれば、さらに事態は混乱する…


また、糸がもつれたように…


どう動けば良いのかわからなくなる…」


ベーア:「ドグさん…

あなたに会って頂きたい人がいます。

一緒に来て頂けますでしょうか?」


ドグ:「もちろんです。

どこへ行くのでしょうか?」


ベーア:「旧社会の〝闇の世界″の方です。」


ガル:「それは…なんかどんどん…

危険な方向に進んでいませんか?」

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