第41話〝アルモノ、ナキモノ″

ケロ:「申しわけありません…ゲッコウ様…

邪魔が入り、計画を変更せざるをえませんでした…」


ゲッコウ:「思いのままにいかない場合、その出来事には、何かしら意味が隠されておる。

物事は、一つの視点だけに固執すると、本質を見逃してしまうぞ。


お主の心の闇の中には、まだ不要な光が宿っている証だ。」


ケロ:「そ…そんなことはありません。

私の中にはもうそのような光は存在しません!」


ゲッコウ:「我々は、〝黒″様の御告げにもとづいてお主らに指示を出しておる。

その指示が遂行できなんだ時には、何が起こるか知っておろう。

お主もまた、闇に試されておるのじゃ。


〝黒″様が目覚められた時、アルモノ、ナキモノどちらになるのかは、お主次第なのじゃ。」


ケロ:「承知しております…。

私は、純粋な闇ではありませんから…

半分人類であるがゆえに、厳しい修行を重ねてきたんです。

闇のチカラをまとわなければ、呑み込まれてしまうのも覚悟の上で…」


ゲッコウ:「〝黒″様の恩恵によって、アルモノとしてこの世界に存続できるか否かは、この計画に左右される。

お主は、〝黒″様に唯一認められているハーフだ。

お主を認めぬ純粋類のものは、今回の結果を見逃さないじゃろうて。


事前にどれだけ消せるか。


皆がその動向を気にしておる。


この計画によって、87900ローツぶりに〝黒″様が目覚められるのか。


87900ローツ前に、何があったのかはわからんが、〝黒″様は眠られたまま。


その目覚めを早める可能性があると提案してきた、お主のチカラを試されておるのじゃ。」


ケロ:「わかっております…

必ず、この計画を遂行し、証明してみせます。

もう一度向かわせてください。」


ゲッコウ:「今度はぬかりなく頼むぞ。

闇の中であれば、チカラ添えをする事もできる。

その事も忘れるでない。

気がはやり、日中で実行したのもお主のミスとも言えるのじゃ。」


ケロ:「承知致しました。」

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