第38話〝融合タイプ″

トカちゃん:「ケロはんは、楓島の爬虫類たちの世話をすることが目的ではなかったんや。

あいつらを逃がそうと企んでおった。


eoはんは、もともとこの島から爬虫類たちを助けるために来たんやけど、ケロはんがしていることに気づき、爬虫類たちが助かるのならとそっと見ていたんや。


でも、あることがわかったわいらは、ケロはんの話の中で、空と会話できるあんたのことを知り、あんたに会うためにケロはんに案内してもらおうと近づいた。


この世界は、今からしっちゃかめっちゃかな事が起こるんや。


もうすでにその兆しは、あちこちでみえだしているんや。


爬虫類たちをあの場所から、救ったところで安全な場所は無くなることを予感したeoはんは、ジラはんにこの事を早く伝えなければならないと考えて、あんたに会うために、ケロはんに直接会おうとした。


しかし、あのケロはんは、普通の人類ではなかったんや。」


パン:「普通の人類ではない?」


トカちゃん:「そや。

爬虫類と人類の融合タイプちゅうやつや。

二重人格者の様なもんやな。


ゲロはんは、ケロはんの意識がなくなる時に現れるもう一人の人格なんや。


どちらかというと、人格の主導権は、ケロはんのようやった。


しょっちゅうコロコロと変わりよるんや。

そのゲロはんの人格の時に、ペンというREPTILIENメンバーの相方にわいらは変身して、パンはんのところに案内してもらうようにした。


ケロはんの意識に切り替わらないように、エネルギーの流れを操ってたんや。


eoはんは、気の流れを操れるんや。


どやすごいやろ!」


パン:「ふ〜ん。

そして…もう一つの理由は、話せないんだね。

その理由はなぜなんだろうね。」


トカちゃん:「だから、言われへんいうてるやんか!

しつこいでほんま。

それ言ったら、もう終わってまうんや!」


パン:「…

へぇ〜ジラもわかんないの?


あぁそうだったね。

で、ジラに何のようなのかな?」


トカちゃん:「そうやったな!

それがやなぁ、えらい爬虫類達が怯えてんねん。

それに、〝黒″ってなんやねん?

あいつらは、しきりに〝黒″っちゅうやつに怯えてるんや。」


パン:「〝黒″?

ジラ?君は知っているのかな?



……。


そ…それは、本当なの?


そんな…歴史があったなんて…今まで聞いたことなかったよ。


でも、それは!」


トカちゃん:「なんやねん!

どないしてん!

ちゃんと説明してや!

ジラはんは、何を言ってるんや?」


パン:「君たちこそ…何が目的なんだい?」


トカちゃん:「目的?

そんなの決まってるやないか!

わいらは、あの爬虫類たちを守りたいだけや!

ただそれだけなんや!」


パン:「なぜ守るの?」


トカちゃん:「なぜ?

当たり前やないかい!

あいつらは生き物やで!

他の生き物と区別され、あんな扱いされるのはおかしいんや。


でもあいつらは、誰一人恨んでなんかないねん。

そんなことより、怯えとるんや。

人類に?ロボットに?

違うねん…

〝黒″ちゅうやつに怯えとるんや!


わいらは、その〝黒″を探したいんや!

あいつらを不安にさせるそいつが何なのか知りたいんや!」


パン:「なるほどね。

君たち二人の目的はわかったよ。

でもさ。

その〝黒″を知ることが出来たとしたら、君達はどうするつもりなの?」


トカちゃん:「どうするも何も、そいつに会いに行くに決まってるやないか!」


パン:「……。

そうなんだ。


君達は〝黒″を知らない方がいいみたいだよ。


それよりも…


エレに会いなさいだって。


なぜ会おうとしないの?だってさ。」


トカちゃん:「博士に?

そ…そんなん関係ないやん!」


パン:「あなたたちに、エレは会いたいって思ってるよだってさ。


なぜ会おうとしないの?」


トカちゃん:「うるさいねんて!

もうええやん!


それより〝黒″を教えてぇや!」


その時、eoが北の方を向きじっとその方向を見つめ始めたのだ。


パン:「もう気づいてしまったようだよ。」


トカちゃん:「なにがやねん。」


パン:「そのeoさんは、普通のロボットとは違うんだね。」


トカちゃん:「なんやて?

eoはん?そこに〝黒″がいてるんやな?」


パン:「やめておいた方が良いってさ。

それよりもエレになぜ会わないのか教えてくれいかなぁだってさ。」


トカちゃん:「悪いけど、わいらはまだ博士には会われへんねん。

それは、eoはんの深い思いがあるからやねん。


まぁでも、いつかは会うやろな。


この世界で生きている限りわな。」

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