第36話 〝闇の世界″
ガル:「ちょっと待ってくださいよ!
だとしたら、〝彼女″がスークさんの件に何らかの繋がりがあるとでも言うんですか?
バカなことを言うもんじゃないですよ!
この会話も〝彼女″は、間違いなく聞いていますよ!
我々は全て監視されているんですから!」
ベーア:「かつて、この世界をコントロールしていた組織は、通信を傍受されないよう、あるシステムを我々に提供していました。
この家には、その装置が残されたままです。
〝彼女″が受信する事はできないでしょう。」
ドグ:「それであれば、尚更気兼ねなく話ができるな。
ベーアさんの話から、ベーアさんは、このスークさんの事件は、〝彼女″がなんらかの関わりがあるのだと考えている。
そして、それまでこの世界を裏側でコントロールしていた組織も、何か関係しているんじゃないかとの不安も持っている。
それだけ恐れるほど、この組織の力は強大なものだった。
そうですね?」
ベーア:「はい…
過去の災害、戦争、テロ、事故、犯罪、色んなことが計画的に行われていたと思います。
そして…彼らの目的に見合う働きをする者には手厚い支援を行い、目的にそぐわないと容赦なく消されてしまうのです…
まだ…彼らはこの世界に潜んでいるんだと思います。
〝彼女″は、彼らにとって、効率の良い手段なのかもしれません。
目的が合致しただけなんではないかと…」
ドグ:「なるほど…
しかし、一つ気にかかる事があるんです…
なぜ?スークさんの件、そして…
あなたも、自分自身に会うという不思議な現象が関わっているのか?という事です。
なぜだ?
そこが結びつかない…
そこがすっきりとしない…」
ガル:「ドグ警部?
少し顔色がよくないですよ!
どうしたんですか!」
ベーア:「や…闇…
ドグさん…
闇の世界のことをあなたは知っていますか?」
ガル:「や…闇の世界?」
ドグ:「そ…それはこの世界全てであり、全てを操るエネルギーそのものである…
この世界では、それにイメージを利用したインスピレーションを与えることで、新たな変化を成し遂げる…
この世界の表面だと思っている事柄は、全て裏側だ…
ぐるんと裏返しになった世界がこの世界だ…
裏側の奥にあると思い込んでいるところが、表…
月は、表世界の眼…
ウゥゥゥヴゥゥゥ…
まだ…早い…
君たちには、まだ早い…
まだ早い!」
ガル:「ド、ドグ警部?
ど、どうしたんですか!
ドグ警部!
しっかりして下さい!」
ドグは、白目を向いて、体は小刻みに震えだし、そして…どこの言葉かもわからぬ言葉を話し出した。
ドグ:「ウゥゥゥヴゥゥゥ…
アカナミカサソハヤツ屋は坂田ミヤニャニヘナヤワヤ花タマナアマヤハカヌタ司は…」
バタリ…
ガル:「ドグ警部!
気を確かに!
ドグ警部ー!」
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