第35話 〝トカゲのトカちゃん″
ペン:「な?何をいってるんだ?」
パン:「とぼけないでよ。
君は爬虫類だよね?」
ペン:「な?何だよ?そ…そんなこと…」
パン:「君の目的は何なのかな?
隔離されてる彼らとは、何か違うんだよなぁ。
空もさぁ。
君のようなのは、奇妙な形態は初めてなんだって。
もうそろそろ本音で話そうよ。」
ペン:「……。
あー!やめたやめた!
なんか調子狂うなぁ、でも、さすがや。
空と会話するなんて相当けったいな奴やなぁとおもてたけど、これはなかなかおもろい奴やわぁ。」
パン:「なるほどね。
君は、他の爬虫類たちとは違うよね。
その身体、面白いことになっているようだね。
君は何者なの?
この世界で何をしたいの?
君の名は?」
ペン:「えらい質問攻めやなぁ。
それを知ったところでどうなるわけでもないやろ。」
パン:「じゃあどうして、わざわざ僕のところにきたんだよ?
えっ?何?
……
そうなの?
ヘェ〜 何なのそれ?
なるほどね。
君のその融合タイプは、〝彼″の仕業らしいね。」
ペン:「なんか、急に独り言始めるから調子狂ってしゃあないわ。
会話にならんな。
それより、聞きたいことがあんねん。
その友達に聞いて欲しいんや。」
パン:「じゃあ、君の名前を言えってさ。
お互い名乗らないと会話できないよだって。」
ペン:「ほんま面倒くさいやっちゃ。
わかったわ。
わいの名前は、トカちゃんや。
ええ名前やろ?」
パン:「僕はパン。
友達の名前は、ジラ。
よろしくだってさ。
それと…その身体、不思議だけどすっごい気分が悪くなるからやめてくれない?だってさ。
大気が乱れると厄介なんだって。
そろそろ、姿を現してもいいんじゃないかな?」
トカちゃん:「なるほどやなぁ。
その名前でわかったわ。
空が生きとるとは思えんかったんや。
これでようやく理解できたわ。
なぁ、eoはん。
ジラはん。
わいらは、あんたを探しとったんや。」
するとペンの身体から、明るい光が放ち、
ゆっくりと光が止んだそこにはペンではなく、
人型ロボットとトカゲが現れた。
パン:「君は有名な〝彼″だよね?
そして、久しぶりねだって。
君たち、面識あったんだ。
それなら、わざわざそんな変身する必要なかったんじやないのかな?」
eo:「……。」
eoは、声を出すことなく敬意を表すポーズをとった。
その仕草、出で立ちは、かの聖人を思わせる。
いやおそらく〝彼″が現代に現れていたなら、このような存在だったのではと思われるほど、一つ一つの動作が優雅で、究極の落ち着きとも言える完璧な存在感があった。
トカちゃん:「再びお会い出来て光栄やそうや。
悪いけど、eoはんは、喋られへんねん。
ある事情があってやなぁ。
それは、まぁ今はどうでもええやろ。
ただ…ジラはんをeoはんは、ずっと探してはったんや。
もう…この世界の中で
あの人しかいないってやなぁ。」
パン:「あのさ。
僕は空を見ることで色んなことがわかるようになったんだけど。
さっきのケロの事ことだけは、よくわからないんだ。
あれはケロなのに。
なぜ、わざわざ双子の兄弟のゲロだと偽って一緒にきて、消える必要があったのかな?
しかも、地中深くに…」
トカちゃん:「地中深くに?
それは、ほんまかいな?
eoはん!やっぱりあいつ自分で動きよったんや!
途中からおかしいおもたけど、パンはんに会うのが目的やったからなぁ…」
パン:「でも、ゲロとなっていたケロは、君たちの仕業なんだよね?」
トカちゃん:「それをここで言わなあかんのか?
まだ言わん方がええんちゃうんかなぁ…
なぁ!eoはん?」
eoは、トカちゃんを見つめ、一度だけ軽くうなづいた。
トカちゃん:「まぁ、そっちの方は伝えてもええってか?
そやな。
理由は二つあんねん。
その一つだけ教えたるわ。
あんたの言うように、ケロはんは、わいら二人が操ってここまできたんや。」
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