【ブライアン・シャトーペール隊長の報告書】
一八八五年一〇月五日
フロレスク伯爵の要請で、森を根城にする盗賊団を討伐に向かった。
その日のうちがいいという、ヴァン・ヘルシングという教授の助言により、日暮れまでに装備を調えた。
こちらは騎兵・歩兵合わせて百人ほど。向こうはこちらの半分程度だろう。
森に詳しいものを案内人に、三手に分かれて本拠地を叩く計画を立てる。
プラハ大学のアルミニウス教授が、戦術に詳しく大変助けになってくれた。歴史学を専攻されているとのこと。
月がでていたので明かりをともさず進んだ。
私は中央を、フロレスク伯は右翼を、アルミニウス教授が左翼を担当された。
森の奥まで進むと、砦のようなものが見えた。丸太に鉄材などを組み合わせたもので、かなり巨大だった。見張りがいるのだろう、所々に炬火がちらついていた。
三方から挟み撃ちにする作戦であるため、両翼が位置に着くのを待った。伝令から、両翼が位置に着いたことを確認し、砦へと攻め込んだ。
盗賊団は襲撃を予想していなかったようで混乱していた。動けないものも多く、ほとんど反撃らしい反撃もなく砦を制圧できた。
ここ数ヶ月悩まされていたのに呆気ない、とフロレスク伯が呟いていたが、私も同じ気持ちだった。
しかし、首領を取り逃がしたらしかった。捜索は明日以降にすることにし、帰途につく。
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