第3話 お姫様救出大作戦

―ここまでのあらすじ

僕、アケルとヨシオはサキを置いて元のいた世界に洞窟から出るため、別の世界でピッケルを探す旅に出た。

だが、旅の途中でなぞの男たちに捕まり馬車に乗せられているサキを発見。僕たちはサキを助ける前になぞの男は僕たちを急に馬車に向かい入れてくれて入れなかった町に入る事ができた。しかし僕とヨシオは馬車から降ろされて。サキとなぞの男は白い城へと馬車を動かして、僕たちは後を追った。ところが僕たちは城の兵士に捕まって牢獄に放り込まれてしまった。

そして僕は友人という人物に牢獄から出してもらった。


「君たちを牢に入れた事は謝る」


老人は頭を下げた。謝る…どういうこと?


「そうじゃったわしの名前を言っておくとしよう、

わしの名前はピスタ・ルーチン・グリンベルーじゃ。おぬしの名前はなんと申す?」


僕は自分の名前を急いで言った。


「僕は光下アケルと言います」


僕は下の名前だけ言って置けばよかったと後悔した。


「ミツシタ・アケル?変わった名前じゃな。」


ピスタ、そういえばなぞの男もそんな事…


「ねえ王様、彼に頼んだらどうかしら」


はっ!この声どこかで聞いた事があるぞ!


「だが相手は子供だしな…」


僕は白いドレスを着た女性をよく見た。


「あの…左の人は?」


白いドレスを着た女性は少し微笑む。


「ああ。この女性は筒井サキと言ってわしの娘の代わりをしてるんじゃ。…しまった」


僕とサキは目があった。


「うぬ?知り合いか?」


僕は深いため息をついた。


「ええ、この子は私の友人ですから。」


サキはピスタと言う老人の目の前に立つ。


「そうだったのか!はっはっはっはっ」


僕はヨシオの事が気になった。どこにいるんだろ?


「すいません、ヨシオって子はしりませんか?」


サキは僕の前に立つ。

「ヨシオは城の外に待ってるわよ!いきましょ!」

サキはハイヒールを脱ぐと部屋の入り口に向かう。


「ちょっと待った!まだわしの願いを聞かないぞ!」

部屋の扉が開いてあの鎧男が出てきた。


「アケル君と言ったな」


僕はピスタと言う老人の大声でびっくりしたが老人の

話に返事をした。

「はい」

老人は懐から紙を出して、広げた……地図だ。

「ここに目印の数字の1がわが町じゃ、そしてここにある2に君たちに行ってもらいたいのだ」

僕は数字の目印は理解できたが2の所になぜ行かなくちゃならないだろ。


「すいません、なぜ地図に書いてある2に僕たちは行かなくちゃ駄目なんですか?」

老人はため息をついて、僕に話しこんだ。

「そこにいる君の友人と契約を結んだのだ。」

契約?何か約束したのかな・・・

「その契約の中身はまず君たちのアケル、ヨシオ君の解放の変わりに、君たちにはマジャに捕まってる娘の身代金を運んでほしいのだ。」

身代金?マジャ?急に怖くなってきた…

「ええ………身代金!?」

僕はかかわってはいけないものに関わってしまった気がした。

「そうじゃ、そして君たちをわしは解放した。次は君たちが契約を果たす番じゃ」

そんな勝手にそんなこと言われても……マジャっていったい。

「あの………マジャって?」

ピスタと言う老人は僕を睨み付ける。

「マジャはわしの娘を誘拐した精霊使いじゃ。手下に

ジャープとモスタがいる。特にジャープの腕はこの一帯では群を抜いていると聞く」

僕は前にあった馬車に合った2人の男を思い出した。

「僕、会ったことあるかもしれません。たぶん」

老人は興味津々で僕の話を聞いた。

「もちろん3人だけで行かせない、ある程度の兵士を付かせる。」

僕は良かったと思ったのもつかぬまだった。ドラぐらいの手下がいるんだろうと思ったからだ。

「あの手下の数は?」

老人は渋い顔で答えた

「ざっと、30人ほどかな。」

30人………微妙な数字だ。

「さあ、いざ行かん!早速は城の入り口にわしと共に向かうぞ、もちろんそこの女子もじゃ!」

一体どういう契約を結んだろうって思ったけどこの老人に従うしかなかった。


 入り口に着いた僕たちは城の兵士から武器と防具をもらった。本当に旅でもするかのようだ。

「は~サキのせいでこんな目にあったぜ…」

サキは反論していた。

「もともと言うけど、あんたが最初に悪いんだからね」

僕も一理あると思った。

「はいはい、わかったよ文句言わないさ」

2人の仲が悪くなる中,僕たちは旅に出発した。

メンバーは中年の男と兜を被った兵士2人と僕たち

僕たちは南へと歩いて渡り、この島最大の山コープ・ウインドと言う山にたどり着く。


「ここからは寒い環境が続く山に登山する。

防寒具は持ってきたか?」


兵士の中年は僕たちの服装を気にしているようだ。

言われるようにこの山に入り口に来たとたん、寒さを感じていた。


「夏の服装で来たから寒いわけだ。防寒具なんか持っているわけないじゃん。」


ヨシキは腕を組んで寒さに耐えていた。


「ホント、ホント」


サキもマッチの火を持ってしゃべっていた。


「どうします、団長」


部下らしき兵士が団長と呼ばれる中年の男に質問すると、中年の団長は何かを考え出して答えを出した。


「この近くの西の村に行けば防寒具が買えるはずだ。

出発するぞ」


団長は西の方へと歩き出しそれに習って兵士の二人と僕たちは歩く。防寒具が必要なほど寒い山なんだろうか。



 村に着いた僕らは防寒具を手に入れるために市場に入った。市場内に入ると猪を売ってる商人や宝石商人がたくさんいた。

「すごいわ、ダイヤよ!」

サキは足を止めて指を刺すとタイヤの宝石があった。

「偽物の宝石じゃないのか」

ヨシオはサキに指摘するとサキは宝石をじっと見て歩みを進めた。宝石に目に行くなんてよほど珍しいのかも、サキにとっては。

兵士たちに付いて行きながら着いた場所は、服を売っている店だった。

「いらっしゃい」

男の人の店主が店から出てくる。

「防寒具を用意してほしい、5人分の。」

兵士は上着のポケットから小袋を出す。

「はい、わかりました。用意します」

店主はあわてて店に入っていった。

「店の中に入って防寒具を決めないのはもう決まってるってことかしら?」

サキは小言で僕に質問してくる。

「そうみたいだね。ここは従うしかないね。」

僕がそう話すと、サキは心配そうに店を見た。


数分後、店主が店から出てきた。持ってきたの茶色の

フードコートと厚底ブーツを持ってきた。

「これでどうでしょう?」

「ああ、こっちの二人とそこの三人にも持たせてやってくれ」

店主は兵士二人に防寒具を渡すと僕たちに防寒具を持たせてくれた。

「なんか、ぶかぶかよ」

サキは靴の中に手を入れてサイズを計る。

「俺のもだ…」

ヨシオも靴がぶかぶかだったらしい。

僕もフードコートを着るとぶかぶかだった。


(確かにぶかぶかだ………)


そのまま僕たちはコープ・ウインドに向かった。


コープ・ウインドに着いた。僕たちは防寒具を身に付け登山に入った。


山の中に入ると雪が広がりそれが足かせとなった。

体力を奪われやっとの想いで山に登っていた。


「いそげ!頂上はまだもうすこしだぞ。」


二人の兵士たちはまだへこたれてなかった。


「人使いが荒いぜ。」


ヨシキが小声で言うとサキもしゃべりだした。


「ほんとよ寒いし雪は重いし最悪だわ」


僕も不満があったがあえて言わなかった。

ここで3人で逃げようかと頭によぎたが、これからのことを考えるとありえなかった。


僕たちは山頂に3時間かけて到着した。

手は手の感覚がないほどびしょびしょで痛い。

体も寒さで震える。


 「よし、焚き火を炊くぞ」


二人の兵士の一人はそういうとバックから薪をだして

薪を組み立てそこにマッチで火をつけた。

マッチの火は小さな火だったが薪に人がつくと

火の勢いが広がっていった。僕たちは焚き火に当たる。


「そうか、名前を言ってなかった。俺はジースだ、

そこの男がリーク。よろしくな三人とも」


僕たち3人と二人の兵士は握手した。

ジースさんはしゃべる。

「俺たちが向かうのはマジャの自宅、サーマン・テンプルと言う寺院だ。サーマンの町にはまだ時間がかかる。俺は寝る、君たちも1時間ほど睡眠をとった方がいい」


ジースさんはあくびをする。

「アケル、ヨシキどうする?」


サキはあくびをして僕たちに質問してきた

 「眠ればって言われれば寝るしかないよな…」

ヨシキはため息をついてそう喋った。


「うん」


ジースさんの言われるままに僕たちは睡眠をとった。

ちなみに後で分かったが、僕たちの世界からここへ来た時この世界の天候は朝方だった。今頃あっちの世界の天候は別の意味で朝方なのかもしれない。だとするとあっちの世界の一日はもう終わってると終わってるわけだ。そう思うと無性に怖くなった。


―夜中

僕たちは1時間ほどでジースに起こされて、2時間で

着くという山小屋に向かった。


「せっかく眠れたと思ったのに」

ヨシキは目をこすってた。


「ここで本当に睡眠とったら凍えてしまうわよ」


サキはあくびを口で抑えながら小声でしゃべる。

ジースさんに聞きたいことがあったんだった。

「ジースさん」

歩いてたジースさんが振り返った。

「なんだい?」


「時計ってありませんか?」

僕は時間が知りたかった。

「時計?時計ってなんだい?」

ジースさんは全く知らないようだった。

でもどうやって時間を得ているんだろう。

「時計って時間のことじゃないのか、ジース」

リークさんがジースさんに聞いてきた。


「ああ、そうか!時間のことか、はっはっはっはっ

もしかして時間を知りたいんだね?」

ジースは僕たちの顔を見ながら答えた。

「そう」

真っ先にサキが答えた。

「太陽、太陽…」

ジースさんは空を見て周る。

「空に雲が懸かって見えないな………でも大丈夫だ、

山さえ下山さえすれば太陽見えるよ。」

「ジース、さっきお前はさっき睡眠をとらせたが山小屋まで歩いたほうがよかったじゃないのか。あのまま

睡眠とってたら死んでたぞ」

リークさんは早足に山を進んでいった。

「そりゃないぜ、君たちもあそこで睡眠とって良かったはずだろ?」

ジースさんは悲しそうな眼で僕たちを見る。

「俺はあそこで睡眠とったのはよかったと思います。

でも寒かったけど。」

ヨシキは唇を噛んだ。

「あたしはできれば山小屋で睡眠とりたかったな」

サキは鼻水をすする。

「僕もできれば山小屋で」

僕は率直に言った。

「せっかくリーダーになったのに、仲間を危ない目にあわしてしまった。俺はリーダー失格だ…」

ジースさんは落ち込みながら先を歩いていく。

「重症ね、でもあそこで…」

「言うなって、聞こえたらどうするんだよ」

サキとヨシキの会話を横目で見ながら僕は早足で

ジースさんに付いていった。

僕たちはそれから山小屋に到着した。先に待っていたのはリークさんだ。山小屋の中は暖炉でも炊いたのかすごく暖かった。

「いらっしゃいませ、お泊りですか?」


 僕たちにそう声かけてひげを生やした男の人が立つと

ジースさんがしゃべる。

「ええっと、大人二人と子供二人で」

ジースさんがそう答えるとひげの生やした男の人は返事をする。

「相部屋で?」

 相部屋ということは個々の部屋じゃなくてこの5人で寝ることになるのだろうか?ジースさんは僕が考えてる間に答えを出す。

「この子供たち3人と俺たち大人2人を分けた部屋で」

ジースさんは僕たちに配慮してくれたらしい。

「はい、じゃあカウンターから鍵持ってきますね」

ひげの生やした男の人は奥のカウンターに向かった。

「ジースいい判断だぞ」

リークさんは喜んでいた。苦笑いしながらジースさんはしゃべる。

「君たちは一緒の部屋にしておいたから、これでぐっすり眠れるよ」

サキは不満そうにしゃべる。

「あんたたちと一緒!?やだ!」

あんたたちは僕とヨシキのことだろう。

「おれもいやだぜ、うるさい女子といるの」

ヨシキもサキと一緒はいやなようだ。

「まあまあ、3人で何とかしてくれ…頼むぜ…」

ジースさんそう答えながら二人を説得していた。

 その間だろうかひげの生やした男の人が手にカギを持ってこちらに来た。

「これが2階の二人部屋のカギ」

「ああ、受け取ります」

ひげ男の人から鍵をジースさんは受け取った。もうひとつの鍵を持ってひげ男の人は僕を見る。

「これが一階の3人部屋の鍵です、どうぞ」

僕はもう一つの鍵を受け取る。見た目は普通の鍵だけど何か変化があるかもとちょっと喜んだ。

「じゃあ俺たちは2階行くから、だけど何かあったら2階の5番の部屋にいるから」

ジースさんとリークさんは2階への階段を上っていった。なんか寂しい感じがした。

「じゃあ、俺たちも部屋に行こうぜ」

「そうそう、いきましょ」

サキとヨシキと僕は鍵の紋章に書かれている3番の部屋に歩いた。

「じゃあ、アケル早く鍵開けてくれ」

僕はヨシキに言われ、鍵を鍵穴に入れて鍵を回した。

ガチャ……と聞こえて開いたと思った。

「はやくはやく!」

サキに急がされて扉を開けた。


 扉を開けて中を確認すると埃の匂いがすごかった。

サキとヨシキは僕よりも先に中に入った。

「ごほっごほっ埃だらけじゃん」

「ホテルのがきれい」

サキとヨシキは部屋の環境に不満を持った。

僕はとりあえず疲れた体を休みたいと二人に言った。

「とりあえず今日は寝ようよ」

サキとヨシキはうなづくと3つのベッドうちどのベッドで寝ようか選んでいた。

「あたし、窓側のベッド寝たい」

「おれ、真ん中のベッド」

サキは窓側のベッドを選び、ヨシキは真ん中のベッドを選んだ。僕は残ったは入口に近いベッドを選び、

僕たち三人はベッドの中に入る。

「さっきの野宿よりはいいわよね」

「うん、ベッドのほうがいいぜ」

サキとヨシキはベッドに寝られたことに喜びを感じていた。僕もベッドで寝られたことに喜びを感じていた。

なにせこの世界に来てからいろんなことがありすぎた。


 自分の世界に帰れるのか、魔法使いの男からお姫様

を鳩首することができるのか。何よりも一番気がかりだったのは僕たちがこの世界に来てから一日たっているということはサキやヨシキの家族、僕の家族が僕たちのことを心配しているに違いない。これからどうなるのだろうと思いながら僕たち三人は睡眠に入った。次の朝

 次の日僕はヨシキ、サキよりも先に起きた。

ベッドに体を起こすと目の前は自宅の自分の部屋じゃないことに悲しくなったが、サキとヨシキがいることに安心感があった。一人だったらきっと悲しんで泣いてるだろう。そう思いながら外の空気を吸うためサキのベッドの隣にある窓を開けた。

「寒い…アケル何してるの…」

 サキは窓からの冷たい風に起きてしまったらしい。

「ふあーん、寒いから窓閉めてよ…」

サキに怒られて窓を閉めることにした。

「おなかすいたよね、アケル…」

「うん、すいた。」

 僕もサキと一緒でおなかをすいていた。昨日の野宿から何も食べてないからだ。僕は提案した。

「部屋出てみようか」

サキは目をこすりながらしゃべった。

「そうね、何かあるかも」

僕とサキは部屋に出てみた。出てみるとカウンターにジースさんとリークさんが座っていた。

「ああ!アケル、サキこっちこっち」

ジースさんに僕とサキは呼ばれて隣のカウンターの椅子に座った。

「ここにパンかごがあるからたべなよ」

 ジースさんは僕たちの前にパンの入った籠を置く。

「おいしそう!」

サキは籠の中にあるパンを取ってかじりついた。

「ヨシキも起こしてこないと」

ジースさんはカウンターの椅子に立ち上がって1階の

5番の部屋に歩いて行った。

「おれももらってもいいか?」

リークさんもパンかごからパンを出す。僕も急いでパンを籠から取り出してかじりついた。パンはできたてほやほやだったのか舌をすこしやけどした。

 数分後、ヨシキとジースが起きてきた。

「おはよう、アケル、サキ」

ヨシキはサキの隣の椅子に座る。

「お前ら早起きだな。」

ヨシキはあくびをしていったがその間にジースさんは元の席に座る。

「はい、パン」

サキはパンかごからパンを出してヨシキに渡す。

「ああ、悪い」

ヨシキはそのままかじりつく。

「じゃあ今日の予定を説明するぜ」

 ジースさんは何か説明するらしい。

「まずコープ・ウインドを下山してパルカ町に移動しよう」

ジースさんが言葉を終えるとリークさんがしゃべる。

「パルカっていう町はきれいな湖がある平原の町のことだ。そこで水浴びでもしよう」

サキとヨシキ歓声を上げて喜んだ

「うれしいっ!」

「やったぜ!水遊びだ!」

僕も内心うれしい。からだじゅうがかゆくて水遊びしたい。

「よし、暖炉を浴びてから山小屋を出よう」

 僕たちは暖炉の火を浴びて準備ができた頃に山小屋の代金を払ってからだが火照ったまま山小屋を後にした。

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水面鏡の冒険 リーフ @tanuki1356

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