第2話 ピッケルを探しに

2 ピッケルを探しに


―ここまでの話

 遠足でウォータマウンテンを登っていた僕たちは途中で山の中を迷って迷子になった。そして雨が降って泉のある洞穴に入ってしまって洞穴に閉じ込められてしまった。

 洞穴の葉入り口が岩盤によって閉ざされてしまった。

僕たちは絶望になっていた。

「俺たち三人じゃこの岩盤は取り除くことができない。

道具があれば何とかなりそうなんだけどな……」

ヨシオは岩盤に触れて大きくため息をついた。

「ヨシオ!あんたが悪いのよ!」

サキは涙を流しながらヨシオに怒っていた。

「2人とも喧嘩はよそうよ、とりあえずどうにかして岩盤を取り除かないと帰れないんだからさ。」

僕も悔しいがそう言うしかなかった。

何か希望がほしい……

「俺に一つ提案があるんだ。あの世界に行ってピッケルを探すんだ。もしくは道具を」

ヨシオの意見に僕は賛成だった。ここにいて助けを待つのだったら自分たちで行動したほうがいい。

「私は反対!あんな不気味な世界なんてごめんよ!」

サキの言ってることも納得できる。あんな不気味な世界行くことにも不安がある。

「じゃあ、どうすんだよ!このまま待ってろっていうのか!」

ヨシオは岩盤を思いっきりたたいてはき捨てるように言う。

「そうじゃないわよ!行きたいのだったらあんた一人で行きなさいよ!」

サキは髪を振り回して話す。これ以上2人で喧嘩をしても答えが出ない。

「あのさ………僕とヨシオで行かない?」

2人は僕に目をあわす。

「それでもいいぜ。ふんっ!」

ヨシオはそのまま奥へと歩いていく。

「行きたいのだったら、勝手に行けば」

サキはは入り口の岩盤を前に僕にそっぽを向いて座る。

「じゃあ、待ってよ。」

僕はヨシオを追った。サキは本当に行かないのかな…

 

 僕とヨシオは再び鏡の水溜りに入ってあの森に戻ってきた。相変わらず木は茂っている。

「何出るかわからいからな。木の枝でも集めてたいまつでも作ろうぜ」

ヨシオの言われるまま木の枝を集めてい行く僕。

数分後―たいまつができる木の枝を集め終わった。

「よし、一応ライターならあるんだ。」

僕はライターをヨシオから貸してもらい、火のついていないたいまつの先に火をつけた。するとたいまつは勢い良く燃えて僕は手を離しそうになった。

「さあ、いこうぜ!」

「うん!」

僕たちは鏡の水溜り場所から出発した。

 森を歩いてみると僕のいた世界とはまったく違っていた。雲がなく空は青空いっぱいに広がり日光が照り続けている天候環境、そして風がなく乾いた気温湿った空気の空気環境、歩くたびに土はもろく、踏むと穴が開いて転びやすい土地環境で体内環境と歩行環境は最悪だ。サキの言うこともわかるかもしれないと思ったりした僕であったがもう後には戻れないのでヨシオと歩き続けるしかないと思ったりして歩き続けていた。

 しばらくヨシオと歩いてると3人の人の姿を見た。

「ヨシオ、隠れよう」

僕はヨシオに小声で言うとヨシオも人の姿に気づいたのか僕とヨシオは隠れた。そしてヨシオはたいまつの火を消した。

「どうです?国王陛下この土地を開拓しては?」

僕は隠れながら声主を見るとフードで頭を隠した男がしゃべっていた。

「だがのう、この土地は先祖代々に伝わる古の森じゃ

。開拓は慎重にするべきじゃよ。」

もう一人の声主は植物の葉を被った位の高い人だ。

「父の言うとおりだわ。私も反対よ」

僕は女性の声主を見るとその女性は緑のワンピースと

緑のドレス緑色の帽子を被っていた。

「いったいなんだろうな……」

「うん…」

僕たちは三人の姿が見えなくなると隠れる行為をやめた。

「どうやら俺たちのほかに人がいそうだな」

ヨシオはライターでたいまつに火をつけながらしゃべる。

「あんまり見つからないほうがいいかもしれない、

体の姿も僕たちと違うみたいだし。」

ヨシオはうなづくと木に印をカッターで刻む。

「さあ、出発しようぜ。」

僕たちは旅を再開した。あの三人の姿見るからに

どこかに家をかまえてると思うんだ………といいけど。

 僕とヨシオは整備された道を見つけて、その先を進んでいくと、大きな町らしき建物の数々があった。

「すげえな、大きな壁の中に家がたくさん」

ヨシオが言うとおり大きな建物だ。その建物で一番目立つのは城だ。

「なあ、アケル行ってみようぜ」

ヨシキは勝手に道の先を走っていった。

「待ってくれよ!ヨシキ」

僕はシキオを追いかける。僕たちは建物にどんどん近付いているようだ。

 僕たちは走りつかれながらも何とか入り口に着くことができた。だがその建物の入口には鉄のかぶとと鉄のよろいを着た男二人が立っていた。

「何ようか?」

すごい!僕たちの言葉を理解してる……じゃなかった。

「すいません、建物の中に入りたいんですけど?」

僕は先にしゃべりかけた男に言う。そして男は答える。

「この国に……?お主ら身分を証明するものは?」

身分を証明?困ったな。これといって僕たちの身分を証明するものはない。

「そこを何とか……」

ヨシオが懇願しても男二人は入り口を固めてしまった。

僕たちはおとなしくその場を立ち去ることに……

「くそっ!中に入れないのか!」

ヨシオは悔しがる。僕も同じだ。だがどうやって町の中に……と考えてる間に遠い道から馬車を乗って人が走ってくる。

「馬かーふはーん」

ヨシオはあくびをしながら目をつぶる。

僕はヨシオを置いて馬車を追うことにした。

 僕は馬車の運転手に気づかれないよ、後ろから静かに追っていた。馬車の中は扉がなくて馬車の中を確認することができた。

「あれは……」

馬車の中にいたのは剣を腰につけている男とフードを被る男と……

あっ!サキ!」

僕は思わず声を上げてしまった。僕の声に気づいた馬車の中の2人の男は僕をにらめつけて、馬車が急に止まる。そして完全に止まると馬車の2人の男が出てきた。こっ、怖い!

「なんだお前はわたくしがマジャ様の手下ジャープ様になにかようか?」

自分の名前をジャープといった男は手に算盤を持っていた。もう一人の男は腰につけた剣を出す。

「おまえ、俺にこの剣で切られたいか?」

本物の剣だ・・・どうしよう!

「すいません、ここで乱闘しても間にも料金は発生してますのでご理解を…」

料金?僕は頭が白くなった。

「おい、運転手!馬鹿を言うんじゃない!」

ジャープは馬車の馬のところに行ってしまった。

「ちっ、乗れ小僧!」

男は馬車の中に入る。どうやら馬車の中に乗れるらしい。馬車の中には縄で体を縛られて気絶しているサキがいる。救助する大チャンスだ。

「ちょっとまってください」

僕は急いで走って木のそばで眠りについているヨシオを起こす。

「ん?どうしたんだ……」

僕はヨシオに説明をした。

「なに?先が悪者に捕まった!?」

ヨシオは急いで立つと、僕とヨシオは馬車へと向かった。

 止めてある馬車に着くとに腰に剣ををつけた男とジャープが喧嘩をしていた。

「おい!モスタ!男子供1人を乗せるなんて聞いてないぞ!」

ジャープはかんかんに怒っていた。

「マジャ様からもらった金は好きに使うよう二命令されているだろ。」

モスタは顔をしかめながら話す。

「はっ!好きにしろ!どうせこの金も首領に没収される!」

ジャープは体を縄で縛られてるサキに語りかける。

「おい、お前にはしっかり踊り子として働いてもらうからな。」

サキは語れても眠りに就いていた。

「………」

ジャープは馬車のいすに座ってぶつぶつ独り言を言っている。

「あの~」

僕はモスタにしゃべりかける。

「おお、小僧さあ乗れ」

モスタ二従って僕とヨシオは乗る。

「あっ!サキだ!」

ヨシオ馬車の中に入ってやっと気づいたようだ。

「サキ?知り合いか!?」

椅子に座っていたジャープが立ち上がる。

「だれ?」

ヨシオがジャープにそう言うと、持っていた算盤を硬く握る。すると算盤が割れてしまった。

「ああああああ!!私の算盤が!!!」

ジャープはその場に座り込んでしまった。

「お客さん!全員乗りましたね!行きまーす!」

馬車はゆっくり走っていた。サキは眠っているけど…


 馬車はあの町の入口に着いた。

「悪いですが、通して下され」

馬車の運転手が通行許可をお願いしてるらしい。

「どこの使いで?」

「ピスタ国王の使いで」

ピスタ国王とは誰のことだろ……

馬車はそのまま前に進んでいった。どうやら通行できたらしい。いったいピスタ国王とはどんな人だろ。


 数分後、馬車は止まった。外は騒がしい。僕は馬車の中から顔をのぞかした。そこにはたくさんの人々が行きかいしていた。

「おい、ここから先は徒歩だ。出ろ」

ジャープは先に馬車に出ると馬車の運転手となにやら話してるらしい。僕とヨシオは馬車から出ることにした。だが、サキはそのままだ。

「あのおじょうちゃんはマジャ様にご奉仕するために連れて行く。」

モスクは静かにそう語りかける。ジャープが戻ってきた。

「さあ早くどこでも好きに行くといい、これからジャ様の元に行くのだからな。」

僕とヨシオは馬車から除けられる。

「なんだよ!」

ヨシオは馬車に向かおうとすると近くの兵士に止められる。何か起きるのかな…馬車はそのまま町の入り口に向かっていった。ジャープとサキをおぶるモスクは

白い城に歩き始めた。僕たちも後ろから追うことにした。

 僕たちが着いた先は白い城だった。

ジャープとモスクはサキを縛ったまま門の男と相談して門の中に入ってしまった。

「しまったな!どうする!アケル!」

「どうするって言われても……」

僕たちは門の前で立ち往生するしかなかった。

―数時間後、門が開いて鉄の仮面と鉄のよろいをしている男たちが出てきた。そして僕たちの近くに来た。

「そこのもの!アケル。ヨシオと申すか。」

見えない仮面で隠す男の質問にヨシオは答えた。

「あ、うん俺たちの友達だ」

ヨシオがそういうとヨシオは後頭部を鉄の手でたたかれて倒れ意識を失った。

「ヨシオ!!!」

僕はヨシオにかけようとするが後頭部を思い切り強打して意識が消えていた……


 僕は深い夢を見た。それは父さんと母さんが喧嘩する夢、なぜか声が聞こえなかった。だが僕は何か話そうとしているんだけど、声が出ない。どうしてだろう…これは夢だと気づいたとき僕は夢から覚める。

「アケル!おきたか……」

ヨシオの小さい声が聞こえた。ここはどこだろう。薄暗くて何も見えない。

「ヨシオ、ここどこ!?」

僕は大きな声を出した。

「ここは、どこかわからないなんか鉄の柵がある」

鉄の柵といえばなんだろう…わからない。

「僕たち!捕まったのかも…」

僕は落ち込むしかなかった。もしも捕まったのだとしたら二度とあの樹木に行けないのだから。

「とりあえず、明日まで待ってみようぜ。なあ」

ヨシオはポジティブに僕を励ましてくれた。

感謝しなくちゃ・・・今日は夜が遅い寝るとしよう。


―次の朝

僕は起きてみると、やっぱり捕まったんだと思った。

僕の前には鉄の柵と鉄の扉、左右には壁で後ろは外がそのまま見える小窓があった。ヨシオはどうしたんだろ?

「ヨシオ!」

僕は大きな声でヨシオを呼んだ。

「うるせえな!」

ヨシオの声じゃない、大人の声だ…

「すいません!ここはどこですか!?」

僕はその知らない声の人物に質問した。

「はあ?ここはハイグリッド城の牢獄だよ、何だお前捕まったのか?坊主」

どうして僕が子供であることを知っているんだろ?

「余計に暴れないほうがいい…重罪になるからな。」

その声の主はあざ笑っていた。もう…うんざりだ。

きっとこれは夢に違いない。僕は頬を引っ張るも痛いだけで夢ではないことがわかった。とほほ…だれかこの柵に来ることを気長に待つしかない…


「おーい!起きろ!」

突然の声に僕は飛び起きた。

「わっ!」

僕は目の前を見ると大柄な鎧男が立っていた。

「お前の友人がお呼びだ…」

友人?誰のことだろう………

僕の頭の中にはいっぱい心配事があった。

あの場所に帰れるかということ、ヨシオのこと、

リュックの事。そしてサキのこと。

いろんな心配事が頭の中で喧嘩していた。


 僕を呼ぶ友人という存在によって僕は牢獄から出た。

友人という存在は何者なんだろう。大柄の鎧男と共に僕は両腕を縄で絞められてどこかへと移動していた。

数時間後、ある部屋の扉の前に止まった。

大柄の男はノックする。

「うむ、入っていいぞ。」

大柄の男は扉を開けて僕の体を部屋へと手で押した。

「うわ…」

僕は部屋の中に入った。そして扉は閉まった。

部屋の中を目で確認すると洋風の部屋に入ったみたいだった。

「おぬし、こちらへ来い」

僕は老人の声のする右方向に体を移した。

目の前にいたのは王冠を被った老人ときれいな白いドレスを着る女性だ。

「あの…」

老人は僕に話しかけるのに反応して僕の目をギロっと見た。 続く…

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