第7話
お待たせ
やっと金星から帰ることができた。
暗黒の闇
みんなは、何を創造するだろうか。
今、妹が飛び降りて死のうとするのを、すんでのところでブロックして、泣いて頼む夢を見た。
私ら家族は問題が有りすぎだ。
妹が死のうとする言い分はこうだった。
家族の問題をお兄ちゃん一人が被りすぎだ、と。
俺は、確かに責任感はある。兄弟筆頭だから、まあ仕方ない。
男と女では死生感が異なるのであろうか。
結局、妹は宇宙の果てへいってしまった。
この地球上に最後に残したのは、妹が妹らしさを司るブレインのカケラのみだった。
脳は宇宙の全てを凝縮したもの、といえる。
妹は、また他の銀河系に存在する、別の、しかしながら元は同じDNAからなる第三の地球へ旅立ってしまった。
恋人のように大切にし過ぎた罪であろうか。
暴力団のように殴り続けたからであろうか。
彼氏ができたとき、散々駄目だしして別れさせてしまった報いだろうか。
本当は結婚したい人がいたかもしれないのに、半ば強制して俺の同級生との結婚を薦めたからであろうか。
由緒正しき家に嫁いだからであろうか。
子供が思う通りにはできなかったからであろうか。
いや、違う、全てそんなんじゃない。俺がわからないふりを46年間続けたからだ。
俺は、わかっていた。
でも、どうしようもなかった。
血の濃い妹だからだ。
俺が26でやっと初めて女の闇を知ったときの、妹の涙、を俺は見逃だた。
俺の、今となっては、汚点と云いキレる女を抱いたと知ったときの、妹の凍てついた顔を見逃せば、どんなに幸せだっろう。
妹は、
妹は、、、俺の心の穴だけを奪って
死を、この世からは消えて、選んでしまった。
みんな、教えて欲しい。
俺に責任はあるのか。
実の兄が妹を慕って大切にしたが、為に妹は死んでその身をぐちゃぐちゃにしてしまった、その責任は、俺にあるのか。
誰か!
たった一人でも言ってくれ。
「お前は知らなかっただけだーーー!」
俺は今、真っ暗闇の、星の輝きのひとつも存在しないブラックホールへ吸い込まれ、宇宙のチリのひとつとなり、また妹がいる別の地球とは、それでもまた違う、15はあるという地球のひとつに、ふわふわとたどりつき、もう一度、ありがたいことに人間としての性を全能の神、ゼウスより賜った。
先の世で俺は神の子キリスト、などと揶揄されたが、そんなことはない。俺はただ歴史からまなんだことを、ただ紐解いて、解釈して伝えただけだ。
みんな勘違いしただけだ。
尾崎豊に、声も顔も瓜二つの俺を、産まれ代わりだと、はしゃいだのは、今、この別型の地球に来て、また初めから人間をやり直した今なら言える。
キリストはあの世で無実の罪で磔にされたこと。
自爆テロは洗脳されただけのこと。
冤罪で殺された多くの普通の人々。
みんな、今、ここで、やっと、やっと、あの世ではつかめなかった本当の幸せの意味を知って、またもう一度人間をやっている。
死ななければならなかったが、死んだからわかる。
人は産まれたその場所で、与えられし命を最後まで、どんなに苦しいことがあっても、いじめられても、生きなければならない。
生きて生きて生きて切ってみてくれ。
今、俺は精神分裂病患者があふれる、この温かい監獄の中で自由を奪われているが、分裂病は、心の叫びが脳を完膚なきまでに破壊し、人が人として生きることを奪う病であるが、そこから這い上がった俺は断言できる。
脳死は人の死では、無い。
医者が殺したに過ぎない。
医師として、分裂病を一番大事な時期に抱えながらも、生きる俺にはわかる。
心臓がとまったとき、それが人の、この世での終わりなのだ。
みんな!
勝手に自分の心臓を止めてくれるな。
君の心臓は間違いなく、どこかのお袋が産道を通して、イタリアンハンバーグのような懐かしい香りに包まれた子宮の内膜から育て上げてだしてくれたんだ。
そのかけがえのない命を、殺さないでくれ。
必ずや生きていれば、自分のバイブルは見つかる。断言する。必ず君のハートを支えてくれる、闇から救いあげてくれる、金魚のような小さな、それでいて青い地球のような核を持った親父のような厳しいけれど、ありがたいものが、助けてくれる。
俺は神様とは認めないが、実は、人間はみな産まれ代わりで、この世の何らかの神として生きなければならない。
それを踏まえて生ききってくれ。
それだけを知識にして、わかるわけない明日のことを創造して、今日を歩いて欲しい。
妹にはまだまだ再会叶わぬが、どこかで花を咲かせていることは知っている。
俺の妹の名前は、
まあ、また今度、な。
あばよ。
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