燃費を向上させるコツ(ガソリンエンジン編)アイドリングストップ車作動条件の確認

 アイドリングストップ機能搭載車にお乗り頂いている方なら経験があるかと思います。信号待ちでエンジンが止まる時と止まらない時。この差はなんだと思いますか? このエンジンが止まる時と止まらない時の差を知ることで、アイドリングストップの回数、時間を増やすことが出来ます。そしてアイドリングストップの回数、時間を増やすことで燃費を大きく改善できます。


 では、アイドリングストップが作動しない時を紹介します。


1、バッテリーの電気が少ない時。


 バッテリーの電気が少ないと、エンジンを止めた後に再度エンジンを掛けようとしても掛からない可能性があります。するとアイドリングストップを行わないようにします。


 また、アイドリングストップをしたとしても、バッテリーの電気が少なくなってくると自動的にエンジンが掛かります。これ以上バッテリーが少なくなるとエンジンが掛からなくなる恐れがあると車が判断するのです。そのため、アイドリングストップの最中には、あまり電気を使わないのがお勧めします。


2、エアコンを使用している時。


 車に付いているエアコンの種類にも依りますので、一度お乗りの車にどんなエアコンが付いているのか確認されると良いでしょう。

 大きき分けて二種類のエアコンがあります。電動タイプのエアコンとエンジン駆動タイプのエアコンです。

 電動タイプであれば、エンジンが動いていなくても電気さえあればエアコンが作動します。しかし、後者のエンジン駆動タイプのエアコンであればどうでしょう? エンジンが動かなければエアコンが作動しないということです。運転者がエアコンボタンを押していると車は自動的にエアコンを運転者が求めていると理解します。するとエンジンを止めず、エアコンを動かすことに専念するのです。アイドリングストップさせたい場合はエアコンを止めると良いでしょう。車種によろ制御の違いが有るので詳しくはお乗りの車の販売店に相談ください。


3、ヒーターを使用している時。


 ヒーターとエアコンは実は違いがあります。ヒーターはエンジンの熱を使用して暖かい風を出しています。エアコンはエアコンのコンプレッサーを回し冷気を作っています。この二つには大きな違いがあるのです。


 先ほど説明して、電動タイプのエアコンの方は特に注意が必要です。冷気はエアコンを動かすことで冷たい風が作れますが、暖かい風に関しましてはエンジンを暖めなければ出ません。エンジンを暖める方法はエンジンを掛けるしかないのです。したがってアイドリングストップが行われないようになります。


 十分な走行してエンジンが暖まっていれば関係ないとお思いの方もみえるでしょう。実はそうではないのです。先ほどエンジンの熱とお伝えいたしましたが、厳密にいえばエンジンで暖まった冷却水の熱で暖かい空気を作り出します。そのため、エンジンから暖まった冷却水を循環しなければヒーターは効きません。暖まった冷却水の循環にはウォーターポンプと言われる部品を使います。このウォーターポンプの多くがエンジンが駆動して初めて回転を始めます。結局エンジンを回さなければヒーターは出ないのです。


 一部電動タイプのウォーターポンプの車両もあります。そういった車であれば、エンジン停止状態でもヒーターを作動させることが出来ます。お乗りの車を確認してみると良いでしょう。


3、エンジンが冷たい時


 エンジンが暖まらなければ、排気ガスが汚くなる等の不具合が出る可能性があるため、早めにエンジンを暖めるタイプの車も存在します。そういった制御を行う際はアイドリングストップを止めることがあります。


4、外の気温が異常に低い時


 外の温度が低いとは何度を指すのか、という数値に関しましては、車により違いがありますの紹介は出来ませんが、外の温度が低いとアイドリングストップをしないタイプの車も存在します。理由といたしましては、バッテリーは寒さに弱く、エンジンが再始動出来ない可能性が出てくるからです。冬場にバッテリーが上がりやすいのも、バッテリーが寒さに弱いのが原因です。


5、ハンドルがまっすぐになっていない


 ハンドルがまっすぐになっていないとアイドリングストップを行わない車も存在します。とくに交差点の右折待ちの時にエンジンが停止していると、加速に手間取ってしまいます。そういった状況を防ぐために、ハンドルをやや回していると右折待ちだと車が自動的に判断し、アイドリングストップをしない車も存在します。


6、ブレーキブースターの負圧が少ない時。


 ブレーキはエンジンが掛かっていないと効きが悪くなります。エンジンが掛かっている時に発生する負圧を利用しているからです。この負圧はエンジンが掛かっていなくても多少は貯められていますが、減れば自動的にエンジンが掛かります。


 基本的には、故障をしない限りブレーキブースターの負圧が少なくなることはありませんが、こういった作動があることを理解して頂きたいと思います。


 長くはなりましたが、アイドリングストップを行わない状況を理解して頂けたでしょうか? これ以外にも車によって制御の仕方に違いが有ります。一例として覚えておくと良いでしょう。


 次回アイドリングストップ機能搭載車のより良い運転をお伝えします。

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