燃費を向上させるコツ(ガソリンエンジン編)直噴エンジンのデメリット

 先ほどまで、夢のようなエンジンだと話をさせて頂きましたが、そんなことは無いのです。デメリットが多すぎて、現在では成層燃焼を行わない直噴エンジンが主流となっています。


 それでは、普通のエンジンと同じでは? と思われる読者の方も見えるでしょう。ごもっともです。本来であれば、成層燃焼を行い燃費が良いを売りにしてきた直噴エンジン。なぜ、成層燃焼をやめたのか、そして、均質燃焼は続けているのかをお伝えいたします。


 デメリットの1つ目は、煤が出やすいという点です。成層燃焼をすると、少ないガソリンでしか燃やさないため、ガソリンの燃えムラ、燃え残りが発生しやすく、煤となるのです。エンジンオイルもすぐに汚れてしまい、エンジンオイルの交換を怠るとすぐにエンジンが壊れてしまうという点も欠点です。均質燃焼を行う現在主流の直噴エンジンであれば多少は改善されていますが、オイル交換はまめに行うことをお勧めします。


 2つ目が排気ガスが汚いという点です。成層燃焼をするとスパークプラグの一部しか燃えることができず、燃焼にムラが発生し、排気ガスが汚いくなる傾向にあります。また、空気をたくさん取り入れるために窒素と酸素の反応が激しく、窒素酸化物が多く発生します。排気ガスが汚いと新車として販売の許可が下りません。また、減税の対象にもなりません。そう言った事情も含め、現在の直噴エンジンには成層燃焼を行わないようなっています。


 3つ目は、直噴エンジンの装置のコストが高いこと。直噴エンジンでは、噴射タイミングを細かくするよう、専用のコンピューターが搭載されています。また、燃料噴射圧力も通常のエンジンに比べ高いため、専用の燃料ポンプが搭載されています。


 4つ目、エンジンの音が大きいこと。特に燃料の噴射圧力を高くするため、ポンプの駆動音。また、燃料噴射の時の音が大きくなります。


 以上、デメリットとしまして、特にエンジンが汚れて壊れる。排気ガスが汚い。この二つの点は、自動車メーカーとして排除したいと考えた結果、均質燃焼のみの直噴エンジンを採用しています。

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