燃費を向上させるコツ(車両編)4WDの種類と特徴

 先ほど説明した4WDが燃費が悪いということですが、4WDの種類により違いがでます。雪国でどうしても4WDにしたいが、そのなかでも燃費が良いものが欲しいと思われるのであればこの項目を読まれるといいかと思います。


 では、4WDにはどれだけの種類があるのでしょうか。簡単に説明します。


 1、フルタイム4WD

 常に4WDの状態を保ち走行するタイプの車。

 2、パートタイム4WD

 ドライバーの任意で4WDに切り替えを行うタイプの車

 3、スタンバイ式4WD

 タイヤが滑ると自動的に4WDの制御を行うタイプの車

 4、モーター式4WD

 通常フロントタイヤをエンジンで回し、リアタイヤを独立でモーターで動かすタイプの車


 1つ目のフルタイム4WDですが、常に四輪駆動状態で走行するため燃費の部分ではかなり劣ります。しかし、センターデフを装備しているため、どのような路面状況でも対応して走ることができます。特に雨の日での安定性が良いと言われています。欠点としては先ほども言いましたが、常に4WD状態になるので燃費の部分で劣るということなります。


 2つ目のパートタイム4WDの車についてです。こちらの車は主にオフロード車に搭載されているものです。通常2WDで走行をして、4WDに切り替えが可能なのが特徴です。そして、4WDの使用には注意事項が多くあります。状況に応じて使用しなければならないのです。いつでも4WD使える訳ではないのです。理由としてはセンターデフと言われる部品が付いておらず前後のタイヤの回転数を変えることができないからです。なぜ回転数を変える必要があるのでしょう? それはカーブを曲がるときの話になります。たとえば陸上の400メートル走を思い浮かべて頂けたら想像しやすいかと思います。インコースとアウトコースどちらが早くカーブを曲がることができると思いますか? 答えは簡単です。インコースの方が早くカーブを曲がれます。それと同じことが実は車でも起こっているのです。内側のタイヤは外側のタイヤが来るまで待っているのです。実際には内側のタイヤの回転が遅くなり、外側のタイヤの回転を早くすることでスムーズに曲がれるようにしています。それがデフと呼ばれる部品なのです。先ほどは内側と外側のタイヤで話をさせていただきましたが、前後でもわずかな回転差がなければスムーズに曲がることができません。前後のタイヤの回転差を作る部品がセンターデフと呼ばれる部品なのです。そのセンターデフがないと言うことはどういうことでしょう? 正解は普段4WDは使わないようにと言う意味なのです。使用の注意を見れば分かるかと思いますが、滑りやすい路面で使ってください、と記載があるはずです。滑りやすい路面なら左右のタイヤの回転差があったとしてもタイヤを無理矢理滑らして、なんとか曲がることができるのです。しかし、滑りにくい路面ではどうでしょう? タイヤの回転差を無理矢理修正しようと路面とタイヤを滑らせようとするのですが、うまく滑りません。旋回時にギクシャクなります。この現象をタイトコーナーブレーキ現象と呼びます。名前の通りです。きついカーブでブレーキが掛かったようになると言う意味です。

 いろいろと説明させては頂きましたが、普段2WDとして使用するため、燃費の面ではフルタイムには勝るとも言われています。しかし、4WDでの使用を考えての装置が多々装着されているため、車自体の重量が重たくなり通常の2WDの車より燃費の面では劣るとは言われています。


 3つ目のスタンバイ式4WD、こちらは滑った時のみ4WDに自動的に切り替えると言う物となります。通常は2WDでの走行のため、やはりフルタイム4WDに燃費の面で勝っていると言われています。しかしながら、4WD用の装置を搭載しているため車両重量が重たくなります。また、2WD走行時でも、転がりの面では路面からの力でドライブシャフトやデフ、プロペラシャフトが回ってしまいます。転がり抵抗が多くなると言うことです。よはりこのタイプも2WDの車に比べ、燃費では劣ると言われています。


 4つ目のモーター式4WD、現在のハイブリットシステムの搭載された4WDがこの方法を多く採用しています。まず、フロントタイヤはエンジンで回し、リアタイヤをモーターで回すと言うものです。確かにリアにモーターを採用するため重たくはなりますが、トータルで考えれば、他の4WDよりも軽くできると言う特徴があります。例えば、プロペラシャフトやトランスファが必要ありません。前から後ろに動力を伝える装置が不要になるのです。

 また、転がり抵抗の面でも優れています。4WDではタイヤが回されればその先のドライブシャフト、デフ、プロペラシャフトが回ってしまい、ロスがあります。しかし、モーター式の場合ではドライブシャフトとモーターのみしか回らず、通常の4WDに比べると、転がりのロスが低減できるとも言われています。

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