満タン方注意点

 『満タン方』での燃料の測り方は使った燃料を元にするのではなく、補充できた燃料を元にどれだけ燃料を使ったのかを推定します。あくまで相対的でしか使用した燃料の量を把握できません。そのため正確と言いがたいので注意が必要なのです。


 では、補充した燃料と使った燃料に相違があったらどうでしょう? 当然のように燃費の結果は狂うはずです。そこが『満タン方』の欠点になります。補充した燃料に相違が、もしもなかったら それは正確な燃費になるでしょう。しかし、それは無理な話しなのです。


 なぜ、無理なのか。それは、車の構造上仕方がないことなのです。


 まず一つ目に、燃料タンク内の燃料が波打たないことが、条件となります。セルフのガソリンスタンドを利用されたことがあれば分かると思います。燃料を給油している時に吹き溢れた経験があるでしょう。それは、燃料タンク内の燃料が波打っているのが原因です。そんな状態では、常に同じような満タンにできません。また、軽油であれば泡立ちます。それが、正確な満タンに出来ない理由の一つ目となります。


 二つ目、燃料を入れる時は、同じ場所、同じ時間、同じ温度で入れているでしょうか? 多くの人は、それらを守ることはないでしょう。燃料が減れば給油するのが一般的だからです。しかし、燃料を入れる時、車に傾きがあったらどうでしょう? 給油口を上に向ければ多く入りそうだと思いませんか? 実際、多く入るようです。タンク内の空気が抜けやすいからです。また、給油スピードに違いがあるとどうでしょう? 速く燃料を入れれば、当然のように、燃料は波打ちます。軽油においては、泡立ちます。そういったことから同じガソリンスタンドを選ぶ必要があります。また、同じ時間帯、特に温度に関しては正確な燃費を測ることにおいて重要になります。時間帯が違えば、日光により燃料タンク内の燃料が温められ膨張します。温度でも同様です。燃料タンク内の燃料が膨張すれば、必然的に入る燃料の量が少なくなります。そういったことから、もし、正確な燃費が計りたいのであれば、時間帯や温度も気にするべきです。


 三つ目は入れる人により満タンの度合いが違うことにあります。フルサービスのガソリンスタンドを思い浮かべてください。満タンと頼んだのに、会計が丁度1000円や2000円、10リットルや20リットルになった経験はありませんか? それは、正確な満タンではないからなのです。ガソリンスタンドの従業員もあと少しで数字の切りがいい時に、少し多めに入れることがあるそうです。そんな状態では、正確な満タンにならないでしょう。しかし、こちらに関しては、セルフスタンドで自分自身で入れることで幾分回避は出来るかと思います。


 四つ目が燃料の温度です。先ほど申し上げた外気温も関係しますが、それとは別の理由により燃料が暖まってしまうのです。そして、燃料が暖まることで燃料タンク内の燃料が膨張し、入る燃料の量が少なくなるのです。燃料は燃料タンクからポンプでエンジンに送られます。その時、燃料を送るポンプはエンジンが燃料を切らさないように多めに燃料を送るのです。では、エンジンで余った燃料はどうなるでしょう? 燃料タンクに戻ってきます。熱くなったエンジンから燃料が戻るため燃料タンクの中が次第に温まってしまうのです。そのため、必ず燃料の温度に注意が必要なのです、注意事項として、比較的新しい車ではエンジンに必要な分のみの燃料を送るタイプの物もあります。この方式ですと燃料の温度が比較的上がりにくいと言われています。気になる方はカーディーラーで聞いてみるのもいいでしょう。もし、燃料の温度を気にするのであれば、エンジンを掛けてからの時間を測り、同じタイミングでいつも燃料を入れると良いでしょう。また、燃料タンクに残った燃料が少なければ少ないほど膨張による誤差を少なくできます。


 上記のすべてを守る必要はありませんが、予備知識として把握しておくと良いでしょう。


 以上が『満タン方』が正確でない理由となります。

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