第5話 7月25日
翌日も、僕たちは同じ作業に没頭した。そして、夕方近くになって事件の概要について、概ね把握することができた。
最初の被害者は、三十代の男性サラリーマン、
次の被害者が発見されたのは、それから二週間後だった。六十代の女性でスーパーの従業員、
次の被害者は、二十代の主婦、
最後の被害者が出たのは、二十代主婦原川の事件から二ヵ月後。これもすぐに事件が発覚した。被害者は十代のフリーター男性でマンション住人の
それぞれの被害者たちにも共通点は見当たらず、警察の捜査は難航し、事件は迷宮入りかと思われた。
十代フリーター男性、敷本の事件から半年後。この無差別連続殺人事件は、拍子抜けするほどあっさりと解決する。
その後、長岡は一年ほどを裁判に費やす。明らかになっているだけでも、四人を惨たらしい方法で殺害したとして、一般的には死刑が妥当であると考えられていたが、自首した経緯があるため、情状酌量の余地があるとして無期懲役となった。注目を浴びたのは、長岡の言動だった。彼は自首した理由と謎の『BB』という文字について、こう発言した。「この世には、二種類の人間がいる。ただの人間か、生まれつきの殺人鬼か。自分は生まれついての殺人鬼で『BB』、
現在、長岡は千葉刑務所で服役中であるはずだ。
「千葉……、千葉か……」
記事を見て、カッちゃんがそう呟いたのを、僕は聞き逃さなかった。と同時に嫌な予感が僕の全身を駆け巡ったのだった。
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