第18話 8月23日

 翌日も僕は朝起きると、まず秀彦のスマホに電話を掛けた。

 しかし、相変わらず電源が入っていないとアナウンスが流れるだけだった。

 僕は朝食を済ませると、すぐに支度をして家を出た。

 今日も一日、いろいろな場所で秀彦を探し回った。だが、成果は上げられなかった。

 帰りには秀彦の家の前を通ってみたが、やはり秀彦の自転車はないままだった。インターホンを押して、秀彦のお母さんに秀彦のことを聞いてみようかとも考えたが、あの憔悴しきった顔を見るのは気が重かった。

 秀彦が両親と喧嘩して、勝手にお婆ちゃんの家に行ったとかだったら、どれだけいいだろう。僕が心配する分にはいいが、秀彦のお母さんの顔を見ると、どれだけ心配しているか……。

 僕は逃げるようにその場から離れた。

 帰ってから、秀彦のスマホに電話してみたが、やはり結果は同じだった。

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