第106話 さらなる一歩

「バルドさん?」


 俺は、バルドさんを方を見た。


「おう、昴。

 いずみへの説得は、成功したようだな」


「あ、はい……」


 俺は小さくうなずく。


「攻めてきた雑魚も撤退を開始している。

 この勝負俺たちの勝ちだ」


「……そっか」


 亜金君が、うなずいた。


「にしても、亜金。

 よく、いずみの部下を救えたな?」


 バルドさんが、亜金君の方を見る。


「全ては、いずみさんの作戦です。

 いずみさんが、覚醒した俺の力を見抜きいずみさんが俺に頼んでくれたんです。

 『部下を助けて欲しい』と……」


「そうか……

 で、いずみは俺たちに本当に協力してくれるのか?」


 バルドさんが、いずみさんの方を見る。


「はい。

 火の海地獄の隊長の名にかけて傭兵ギルド・パンドラに協力します」


「わかった。

 協力を受け入れよう」


 バルドさんが、ニッコリと笑った。


「ありがとうございます」


「優心、一応聞くがいずみは嘘をついているか?」


 バルドさんが、そう言って優心さんの方を見る。

 ってか、優心さんいたんだ……

 と言うか周りを見渡すと他のメンバーも集まっている。

 かみさまや万桜さん。

 ビリーブたちにミズキさん。

 マスターや軍鶏爺までいる。


「はい。

 嘘はついていませんし隠し事もありません」


「そうか。

 ならよかった」


 バルドが、安堵の溜息をついた。


「いよいよ最終決戦なのですね」


 ミズキさんがうなずく。


「ああ。

 この勝負は、既に王手だ。

 だが、この王が非常に厄介。

 ベルゼブブにモトフミ、そしてフィサフィー。

 この3人が要注意だ」


「……はい。

 魔王と神王が、手を組んだ……


 これだけでも非常に厄介ですね」

 ミズキさんが、そう言うと万桜さんが笑う。


「大丈夫ですよ。

 私も魔王の娘ですし、かみさまも神王の息子なんですから」


「そうだったな」


 バルドさんが、笑う。


「ではでは、みなさん回復の魔法陣の中に入るのー」


 ピトスが、そう言って大きな魔法陣を作り上げる。


「流石は、伝説の僧侶の娘。

 この回復の魔方陣凄いな」


 バルドさんが、ピトスを褒めるとピトスが笑う。


「ピトスは凄いのー」


 本当に凄いと思う。

 と言うか、ビリーブやモチコ、シズカも俺の視界に入っていないだけで結構強いらしい。

 俺もさらなる一歩を目指さなければいけないな。

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