第91話 悪魔の住むところ

 そして、作戦会議が開かれた。

 と言ってもテオスのアジトもわからない。

 まずは、アジトを探す方法としてテオスのメンバーを捕獲。

 そして、その後に尋問しアジトの場所を聞き出すという方法だ。

 至ってシンプル。

 待つしか出来ない戦法だが仕方がないと思う。

 一花さんが、額に手を当てて眉を潜める。


「この感じ……

 テオス?」


「そうだな。

 テオスが、来るな」


 一花さんとかみさまが、そう言ってうなずく。


「わかるのか?」


 俺は、ふたりに尋ねた。


「……私は天使の中でも感知タイプだからね……

 距離は限られているけど強いものの感知は出来るの……」


 一花さんが、そう答えくれてかみさまは胸を張って答える。


「うむ!

 余は、かみさまだからな!」


 かみさまの意味不明な自信は何処から湧いてくるのだろうか?

 ものすごく気になる。


「着地したわ。

 この数、3人……?

 ヴィン、いずみ、バビロンね……」


「バビロン?」


 俺が、首を傾げた。

 その名前に聞き覚えがある。

 俺の居た世界にある神話に出てくる悪魔にそんな名前のやつがいたような……

 確か、意味は“悪魔の住むところ”とか“汚れた霊の巣窟”とかそんなのがWikipediaに載っていたような……


「滅茶苦茶強いから油断するなよ?

 顔は綺麗なんだがな……」


「そうなのか……」


 バルドさんの言葉に俺はうなずくしか出来なかった。


「3人なら、ひとりは捕まえれるかもね」


 アスカさんが、そう言うと小さく笑う。


「そうね。

 捕まえれなくても捕まえなきゃ……」


 一花さんが、静かに答える。


「ここで、捕獲できなければ人類は滅びるかもしれないな」


 ジョーカーが静かに言葉を放った。


「そこまでデカイのですか?」


 亜金君が、驚いている。


「ああ。

 テオスの目的は人の飼育だからな。


 男は強制労働。女は性奴隷。

 そういうのを平気で行う連中だ。

 俺たちの先祖アンゲロスは、それが嫌でテオスの元を離れたんだ。

 もちろん俺らもその意見に賛成だ。

 まぁ、話している時間ももったいない。

 被害が大きくならないウチに捕獲作戦にうつるぞ。

 そして、ルシファーにさらわれた子を救う!」


「……了解」


 ジョーカーさんの言葉にかみさまがうなずく。

 そして、俺たちはその3人がいる場所にそれぞれ向かった。

 

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