第83話 こっちのドラゴンは知能が高い

 俺は、ポンポンとカイの頭を撫でる。

 今の、俺にはこれくらいのことしか出来ない。

 もっと強くならなければ……

 だれも護れない。


「俺も強くなるから……

 カイは、無理するなよ?」


「わかった」


「さぁ、そろそろご飯食べようか。

 俺は腹減りだ」


「そうだな」


 カイは、うなずくとトーストとサラダと目玉焼き、ソーセージを用意してくれた。

 俺は、玉子焼きの白身を口に運んだ。


「あ、美味しい」


「口にあったか?」


「ああ」


 俺の言葉を聞いいたカイは、何処か嬉しそうだった。


「料理だけは、自信があったんだ。

 ソラより美味い自身があるんだ」


「ソラのはなんていうか家庭的だったね。

 カイのは、喫茶店の味だ」


「それは褒めてるのか?」


「どっちも美味しいってことだよ」


「そうか。

 ならいい」


「早く食べて仕事にいかないとだね」


「そうだな。

 私に接客業が出来るか心配だ」


「その辺は、がんばれとしか言えないな……」


「ああ、がんばる」


 カイは、小さく笑った。


「バンバン頑張って、いっぱい稼いで旅行とかも楽しいかもだな」


「旅行?」


「うん。

 知らない場所にぶらり旅とか楽しいかもしれない」


「そうだな。

 私は、いろんな場所を知っている。

 昴に見せたい景色もたくさんある」


「そうなの?」


「ファイヤードラゴンの巣とかどうだ?」


「ドラゴンの巣?」


「ああ。

 ドラゴンの赤ちゃんは、可愛いんだ」


 カイの目が輝いている。


「エサにされない?」


「されない。

 赤ちゃんを抱っこさせてくれたりファイアードラゴンはいいやつなのだ」


「そうなのか……」


「ああ。

 今度紹介する」


「それって、ジルのペット?」


「あれは、ドラゴンの形をしたキメラだ。

 正式にはキメラドラゴン。

 ジルの言葉のみを信じるジルの忠実な下僕だ。

 やつに言葉を放つ知能はない。

 でも、ファイアードラゴンは少し違う。

 人の言葉を放ち人の言葉を理解する。

 立派なドラゴンなのだ」


「そうなのか?」


「あと52ヶ国語話せるんだ。

 意外とバイリンガルで知的なドラゴンなんだ」


 ドラゴンってゲームでしか知らないけれど……

 こっちの世界のドラゴンは、知能が高いってかスペック高くないか?

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