第20話 オークより強いサキュバス

 それにしてもこのオークたちは、何匹いるのだろう?

 少し気になってきた。。

 でも、ダメージを喰らわないと俺は少し強い気がした。

 だから、俺は前に出て優心さんと玉藻さんの盾になった。

 ネットゲームで、盾役とかあったけど実際にあると俺みたいな感じなのかな?

 防御力って重要だね。

 うん。防御力って大切だ。


「クソ!

 魔法部隊を読んでこい!」


 1匹のオークがそうそう言うと数匹のオークが後退した。


「魔法部隊?」


 俺は、首を傾げた。


「え?オークが魔法部隊とかヤバくない?」


 優心さんが不安な表情を浮かべる。


「オークって、魔法が使えるの?」


 俺は単純な質問をした。


「いや……

 あのオーク自身は、魔法は使えない。

 しかし、組織を組んでいるオークの噂は聞いたことがある。

 その部隊は、かなり大きなモンスターの組織だ。

 そして、かなり強い」


 玉藻さんが、ため息混じりにそう言うとオークとは違うモンスターが現れた。

 このモンスターどっかで見たことある。

 女の子のモンスターで……

 えっと、名前は何だったかな……


「サキュバス!」


 優心さんが、目を丸くさせる。


「なんかビビってる?

 まぁ、私たちがあなた達を足腰立てなくなるまでイタズラしちゃうぞ!」


 サキュバスが、そう言って笑う。

 サキュバスって、可愛いんだけどなぁー。

 なんか、下品だ……

 モンスターってみんなこんな感じなんだろか?


「優心!昴!

 一歩引いてくれ!サキュバスはみんな私が相手する!」


 玉藻さんが、そう言って二本目の尾から別の剣を出す。

 大剣だ。


「わかった。

 後方支援にまわるね」


 優心さんが、そう言って下がる。

 俺も下がろうとしたが、サキュバスが俺の周りを囲む。


「あー。

 この人、童貞だよー」


 1匹のサキュバスがそう言って笑う。


「ホントだー!

 この人から童貞臭がするー」


 どんな匂いだよ。

 俺はそっと心のなかで呟く。


「私が、相手になってあげようか?」


 ショートカットのサキュバスが、俺の顎に手を当てる。

 こんな状態なのに俺の心がドキュンと鼓動する。

 この娘たちは、きっとオークより強いサキュバスだな。

 もしも、このサキュバスがオークたちより弱ければこの色気に負けて押し倒しているだろう。

 俺も押し倒したい気分だ。

 だけど、サキュバスはそう言う悪魔だ。

 色気で男を誘いそして殺す。

 でも、俺はバカだからその誘いに乗ってしまう。


「お、お願いします」


 するとショートカットのサキュバスが、俺の唇に手を当てる。


「じゃ、キスから……」


 ショートカットのサキュバスは、静かに呪文を唱える。


「え?」


 俺が、声を上げるとサキュバスも声を上げる。


「え?」


 なんか、驚いている様子だ。

 どうしたんだろう?

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