第2章 急変する世界

第5話 新たな任務

 生徒数2万人を誇り、数多の著名な魔術師を輩出してきたジュエリア魔術学園。

 校舎は白い石で作られた四つの大きな塔によって構成されている。周辺の土地は複数の職人によって、芸術性溢れた庭に仕上げられていた。校舎というよりも城に近い外装であり、学校と言うにはあまりに豪勢な造りだった。

 豪勢なのは外装だけではない。ジュエリア魔術学園に通う生徒には王族や貴族、騎士の家系も多く属している。気品ある学び舎と著名な魔術師を教師として迎え入れ作られた最高の環境は、隣国からも希望者が溢れ出るほど魅力的なものであった。

 そしてその学園を束ねる長の名は、バルトロ=ヴィオティート。

 ヴィオティート家は王国有数の大貴族で、国の西方面殆どの土地を治めているほどの地位と権威を持っている。バルトロはヴィオティートの当主であり、王が不在の時代理を務めたことがあるほど信頼もされている人物である。


「アクロ、くれぐれも無礼はしないように。相手は大貴族ヴィオティート家当主ですからね」

「分かった分かった。そのセリフ、朝から何度も聞いた」

「ねえ、アクロ。丁寧語って分かる? 語尾に“です”“ます”を付けるのよ?」

「俺をバカにしすぎだろ! それくらい分かってる!」


 三人は横並びに歩きながら、学園長室に向かう。セフィアの言う“もっと難しい任務”を受けるためである。

 アジュール姉妹は何度も何度も、アクロに礼儀作法について指摘をしていた。

 アクロは、バルトロと直に会ったことはない。

 一般学生が、学園長と直接話す機会など皆無に等しい。バルトロどころか、アクロはアジュール姉妹以外の王族・貴族と喋ったことがない。農民の家系であるアクロには、そのような機会が全く無かった。故に、アジュール姉妹は貴族としゃべる際のマナーや言葉遣いをアクロに教えるのだが、基本的には目上の人と話す時に気をつけるマナーと変わらない。

 お節介焼きのセフィアは、アクロの言葉を聞き入れることなく無駄に丁寧に教えている。ラズはそれに便乗してからかってくる。

 これから国の六分の一を治める人に会うというのに緊張の欠片もない。


「相変わらず無駄にデカイわね」


 学園長室の前に立ち、ラズは呆れながらドアを見上げる。

 焦げ茶色の木材で作られた高さ三メートルのドアの存在感に、アクロは思わず一歩たじろいでしまう。ドアの表面には魔術陣のような模様が描かれており、触れることすら躊躇ってしまう。


「何ドアにビビってんのよ。情けなさすぎよ」


 ラズはいつものようにアクロをからかうが、さすがに魔術陣が描かれたドアを前に突っ立つことはできない。このドアからいつ何が飛び出してくるか分からないのだから。


「あの学園長の部屋に通ずるドアなんだ。何も無いわけ無いだろう」

「へえ、それは分かるのね。だって、お姉ちゃん」


 セフィアは微笑みを一度アクロに向け、ドアの正面に立つ。


「少し待っていてくださいね」


 セフィアが魔術陣を展開すると、呼応するように扉に魔術陣が浮かび上がる。

 魔術錠と呼ばれるもので、指定された属性・量・流れで構成された魔術陣をかざすことで開けられる。基本的には鍵となる魔術陣を分からなくするために暗号化されているが、このドアに仕掛られている魔術錠は暗号化されていない。

 だがバルトロが施した魔術錠は、僅かに量を間違えただけで解錠されないよう作られている。卓越した集中力と魔術ポテンシャルを求められる一種の試験である。


「うっわ、えげつないわね」


 その難易度はラズの頬を引き攣らせるほど。あまりに複雑すぎてアクロには何が難しいのか理解できなかった。

 しかし、セフィアは何食わぬ顔で解錠のための陣を構築する。その顔には苦悶や迷いは一切なく、鼻歌を歌いながら構築している。まるで答えまでの筋道が見えているような余裕ぶりだった。

 そして一分も経たずして、学園長室の扉の魔術錠が消え失せた。


「さて、行きましょうか」 


 何事もなかったかのようにセフィアは扉を開ける。ラズは堂々と後を追い、アクロは恐る恐る付いて行く。

 まず視界に入ってきたのは、棚にずらりと並べられたトロフィーや勲章の数々。金に彩られたその全てにバルトロの名が刻まれている。床は豪勢な紅の絨毯が敷かれていた。

 その部屋の中央には黒い髭を蓄えた初老の男性が立っていた。金の装飾を付けた黒色のマントと服をまとい、三人の前に堂々と立っている。齢五十を超え、衰えが来ている筈の肉体には隆々な筋肉が保たれており、思わず足を引いてしまうような威圧を放っている。

 

「今日はよく来てくれたな。セフィア=アジュール、ラズ=アジュール。そして、アクロ=アイト」


 しわがれた声が部屋に響き渡る。彼がジュエリア魔術学園、バルトロ=ヴィオティートである。

 アクロは思わずごくりと喉を鳴らす。彼の黒い瞳はまるであらゆる光を吸い込む闇のようで、アクロは不気味さを感じた。

 

「相変わらず悪趣味な部屋ね」


 ラズは部屋の中央に置かれた黒のソファーに勝手に座り、ぼそりと呟いた。その言葉にアクロは激しく同意であったが、それよりも大貴族に向かって平然とタメ口を効いたラズに驚いた。

 バルトロは目をラズに向け、怒るどころか朗らかな笑みを浮かべた。


「はっはっは、相変わらずラズちゃんは手厳しいな」

「まるで自分記念館じゃない。悲しくならない?」

「前線に出れなくなった今、過去の栄光に縋ることだけが私の趣味なのだよ」

「私こういう大人にはなりたくないわ……」


 同じ名家ではあるが、アジュール家はあくまで騎士の家。貴族に比べ遥かに地位は低い筈である。その騎士の娘が大貴族の当主にタメ口を効くことは、斬首刑を免れないほどの無礼に値する。

 アクロはおそるおそるセフィアに耳打ちする。

 

「おい、大丈夫なのか? いくらアジュール家といえど……」

「少年よ、気にするな。アジュール家はただの騎士ではないからな」


 アクロの疑問に答えたのは、意外にもバルトロだった。

 再び二人の視線が交差するが、先程感じた不気味さは消え去っていた。


「アジュール家は代々、王家直属の近衛騎士をやっている。しかし、近衛騎士は世襲制ではない。この言葉の意味が分かるかな?」

「全員が自力で近衛騎士になっているということですか?」


 アクロの答えに、バルトロは頷いた。

 近衛騎士は、常に十人配置される王一番の護衛騎士隊の名称である。近衛騎士になるには厳しい審査をパスし、数多の試験を合格して、最後に現役の護衛騎士一人を倒さないといけない。並大抵の人間では辿りつけない領域に、アジュール家は代々辿り着いていた。


「もちろん、何か優遇措置を受けてるわけではない。他の近衛騎士と全く同じ難易度を、尽くクリアしている。故にアジュール家は騎士の中でも、王家認定騎士家系として、貴族同様の身分が保証されている。とはいえ、決して対等ではない」


 アジュールが肩を落とすと、ラズは足を上げてバルトロに向ける。


「ただ土地を治めていたり政治を行う貴族とは違い、アジュール家は各々が飛び抜けた武力を持っているもの。気付けば貴族は、私達の敵にならないようご機嫌取りばかりしていたわ」

「またもや耳に痛いことを言ってくれる……否定はできないがな。我々はアジュールの力に恐れていたのだ。幸運にもアジュール家は政治的・領地的干渉をせず、更に護衛として頼もしい味方にもなる。我々はアジュール家を敵にするメリットが1つも無かった。だから、私はラズ嬢に歯向かえんのだよ」

「心外ね。私はバルトロ卿を心底尊敬しているわよ」

「尊敬してる人を足で指すとは思えんが……?」


 アジュール家と古くから付き合いがあったアクロはこの話を知らなかった。少し有名な騎士の家系程度にしか思っていなかったため、アクロは心底驚いていた。


「なになに? アクロったら私たちの凄さに怖気づいちゃった?」

「好きなだけ崇めたり讃えて頂いてもいいんですよ?」


 アクロの顔を見るや否や、姉妹は二人してふんぞり返った。対してアクロは、ふんと鼻で笑い飛ばした。


「いや、ただの戦闘狂じゃなかったんだなって思って」

「失礼ね!」

「失礼ですよ!」


 二人揃ってアクロに圧をかける。

 どのような家だろうが、どのような力を持っていようが、セフィアはセフィアで、ラズはラズ。アクロの幼馴染であることには変わりがない。


「さて、そろそろ君たちにお願いしたい任務について話してもよいかな?」


 バルトロは部屋の奥にある椅子に座り、アクロたちの方に向き直る。柔和な表情は消え、真剣な表情に切り替わっていた。真面目な雰囲気を読み取ったのか、ラズはソファに倒していた身体を起き上がらせ、バルトロの言葉を待った。


「どうぞお願い致します」


 セフィアは頷いてバルトロに先を促す。

 アクロの背筋が無意識にピンと伸びた。どのような難題を出されようとも受けなければならない。それが分かっていても緊張してしまう。


「君たちにお願いしたいのは……異世界を救うことだ」


 突拍子の無い発言に、アクロらは唖然とした。異世界の存在は一般人でも知りうることではあるが、その世界を救うなどという任務は聞いたことがなかった。

 しかしバルトロが冗談を言っているようには見えない。セフィアもラズもそれが分かっていてか、茶化そうとしない。


「とある異世界が魔族という種族に侵略され、人間が鏖殺されようとしている。それを阻止して欲しい。もっと簡単に言うならば……魔族の王討伐だ」


 魔族という名をアクロは聞いたことがなかった。“王”とい言葉から人間のように社会を形成し、組織を構築できるほどの知能を持つ生物なのだろう。

 セフィアは手を上げて、質問を行う。


「その敵に関する情報は?」


 バルトロは小さく首を振った。


「得られていない。相手は相当用心深く、尻尾を掴ませてこないらしい」

「そうですか。ありがとうございます」


 異世界。人間が鏖殺。未知の魔族総大将の討伐。

 バルトロに告げられた任務内容が、アクロの想像を遥かに超えていた。もはや、学園で受ける任務の域を超えているのではと思うほどであった。

 セフィアも心なしか、いつもより表情が固く見える。彼女にとってもこの依頼内容は予想の範疇を超えていたのだろうか。

 対してラズは、相変わらずの振る舞いだった。


「端的で分かりやすいわ。……最近の任務緩かったから、丁度良さそうね」

「ええ。ちょっと予想よりスケールが大きい話でちょっとびっくりしましたが、これはこれでアクロのいい訓練になりそうです」

「俺のかよ! ていうか、ちょっと待て! これ、やばくないか! ちょっとスケールが大きいどころじゃないぞ!」


 アジュール姉妹は興味津々に話を聞いているが、アクロは断固反対であった。


「その世界はこの世界と同じ魔力で満たされておるから魔術も使える。言語も翻訳魔術を使えば容易いだろう。アクロ君は翻訳魔術使えるのかな?」

「おそらく使えないです。俺が翻訳できるのは隣国の言葉くらいなので」


 翻訳魔術とは学習していない言語を、理解できる言葉に変換してくれる魔術。基本中の基本の魔術だが、言語の違いが出れば出るほど精密な魔力コントロールを要する。アクロが翻訳できるのは文法がほぼ同じで綴りだけが違う隣国の言葉くらいで、それ以上になると翻訳できない。

 バルトロが怪訝な表情をし始めた時、セフィアがこほんと咳払いをしてバルトロの視線を自分に移させる。


「心配に及びません。私が翻訳魔術をかけておくので大丈夫です」

「ならいいが……」


 バルトロが心配するのも無理は無い。

 至高の騎士姉妹の隣りにいるのは、ろくに魔術も使えない平凡以下の人間。足手まといにしかならないのではと考えてしまうのは仕方のないことである。

 アクロも同じ考えを抱いていた。難易度が違う今回、アクロが場違いであることは火を見るより明らかだった。今まではアクロが足手まといになっても、他の二人がサポートすればどうにかなる難易度だったが、今回はそうとも限らない。

 二人が難易度の高い任務を受ける理由は、評価点の獲得である。アクロが負傷してしまい、リタイアしてしまうと評価点は得られなくなり、最悪他のチームへ任務が移る可能性もある。

 今回は心を鬼にして自ら任務を辞退しよう。アクロがそう決心した時だった。

 

「……ねえ、バルトロさん。私達が誰か、ご存知ですよね?」


 セフィアがバルトロへと詰め寄る。ラズも立ち上がり、姉の隣に並ぶ。

 二人を纏う空気が一転し、部屋全体に青い魔力が広がる。この魔力が二人のものだと分かっていながらも恐怖を感じ、窒息しそうな感覚に陥る。アクロは自分が何を言おうとしていたか忘れてしまっていた。


「あらゆる精神魔術を行使する召喚霊“蒼玉の死霊”サファイア・デスカルネヴァーレを従えるセフィア=アジュールと」

「あらゆる存在を無の性質に変える奇跡の魔法“青金の結晶”ラズライト・クリスティナが使えるラズ=アジュールがいるのよ?」

「アジュール家現当主である私達を前に」

「勝てる相手なんていないわ。そうよね?」


 二人から放たれる圧倒的な気迫に、バルトロは思わず息を呑む。

 あらゆる修羅場を掻い潜った初老の男が、たった二十前後の小娘に怖気づかされていた。

 だがそれは不思議なことでも何でもない。何故なら二人は、騎士の中の騎士アジュール家の頂点に立つ当主なのだから。


「……仰るとおりでございます」


 深々と頭を下げるバルトロ。言葉も敬語になり、大貴族とは思えないほど萎縮している。

 これが、王家認定騎士家系であるアジュール家と貴族の差。


「さて、話は大体分かりました。今から出発の魔術陣を起動してもらってもいいですか?」

「ちょっと待てセフィア。異世界に行って、魔族とかいう未知の生物を相手にするんだ。 それ相応の準備がいるんじゃないのか?」


 今までと同じように、セフィアとラズの魔術によるゴリ押しで勝てる保証はどこにもない。彼女らが天才なのは、あくまでもこの世界の話に過ぎない。異世界の中には、この世界における魔術が通用しない世界が存在するという話もある。

 何が起きても対処できるよう、武器を揃えたり、数日分野宿できる蓄えを用意することが必要なのではないか。

 しかし、セフィアは直ぐに首を横に振る。


「いいですか、アクロ。任務はあくまで学生への課題です。私たちに任せるということは、アクロが思う程深刻な話ではないでしょう。でなければ、国規模で動かなければならない筈です」

「それはそうかも知れないが……セフィアは不安じゃないのか? 行ったこと無いんだろ、異世界」

「無いですけど、不安ではありませんよ。私達だけで無理ならば、現地の人間に協力を求めるだけです。今の話からすると、その世界の人間にとって魔族が脅威な筈ですからね」


 セフィアの言い分は理解できる。だがアクロが危惧していたのは、想定していない事態が発生した時のことである。

 未だ納得出来ないといった表情のアクロに、ラズは近寄って耳打ちする。


「もし言葉通り国や種族を救うのであれば、政治に大きく関わるじゃない。政治的影響力のないアジュール姉妹と一般人の三人に、そのような大きな任務を任せる筈がないわ」

「それはそうだが……」

「さすがに私も、今回ばかりはアクロに無茶はさせないわ。今までは任務で退治した敵は事前に情報があったからそうしたけど、今回はそうじゃないもの。アジュールの名に誓うわ」


 “アジュールの名に誓う”。

 それまでの言葉を保証するためのアジュール家代々使用する契約文句。騎士道精神とアジュール家が積み重ねてきた信頼全てを賭けるという意味が込められている。その言葉を破った者は家を追放される処分が課せられるほど、重い言葉である。


「……分かったよ。それなら、付いて行く」


 身元の保証が確約されているのであれば、拒否する理由はない。

 バルトロが指を数度振ると、部屋の中央に紫色の魔術陣が展開した。


「それが移動用の魔術陣だ。幸運を祈る」

「ありがとうございます。すぐにでも倒してきます」


 セフィアは翻し魔術陣に乗るのかと思いきや、アクロの右腕を掴む。続けてラズが左腕を掴む。


「さ、アクロ。行きましょうか」

「行かないとは言わないわよね? ま、言わせないんだけど」


 セフィアの腕はとても筋肉が付いているとは思えない華奢で細いのに、振りほどこうとしてもびくともしない。おそらく魔術による筋力強化でも使っているのだろう。スポーツマンのように筋肉質なラズの腕は解ける気がしなかったため抗いもしなかった。


「……逃げないから腕離してくれないか?」

「離したら逃げますからね」


 先ほどからアクロの腕にセフィアとラズの胸が当たっていた。

 セフィアの胸は平均より大きいだけはあり、腕を包み込むような柔らかさで腕に密着していた。ラズの胸はやや小ぶりではあるものの、弾力があり明確に当たっている感覚をアクロの腕に伝えている。

 左右からの刺激にアクロの脳は麻痺し、瞬く間に魔術陣の真ん中へと連れて行かれる。

 

「では、行ってきます」

 

 コツンと、セフィアは靴の踵で床を叩く。魔力を込めたその一踏みは、魔術発動のトリガーとなった。

 地面から湧き上がる輝きは更に強くなり、左右に立つ姉妹すらも見えなくなった。周囲に立ち込める膨大な魔力が、魔力の少ないアクロへと流れこむ。体が押しつぶされそうになるほどの圧力に、体内で蠢く魔力の奔流。

 アクロは転移魔術を初めて経験したが、ここまで気分が悪くなるものだとは思わなかった。

 腕から伝わる幼なじみの温もりが無ければ、とうの昔に我を失っていただろう。アクロは目を瞑り、ただただ終わりを待つ。


 


 静かになった紫の魔術陣を、黒い瞳が睥睨する。


「よい旅を、アジュール家当主たち。人生最後の旅行を楽しんでくるが良い」 

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