第3話

エキストラ


そのエキストラ初仕事の集合場所は渋谷の初台だった。馴染みがない駅に降りると女の子が4人。愛ちゃんに、ゆいちゃん、弥生さんに、。ユアさん。


弥生、、随分古風な、、しかもカナリ地味、、


弥生は華奢で、カーキ色のズボンに、地味なチェックのシャツを着ていた。


この子、もしかした、騙されちゃったんじゃない?!可哀想〜


そんな不安は一瞬で消えた。


鉄筋コンクリート剥き出しの建物の地下に降りた。

そこには禍々しいものが並べられていた。


出産台、沢山の大人の玩具、ぺニスを模った乗り物、そして電動ノコギリのようなもの、、


まだ、大人のおもちゃすら未経験だった私は動揺した。だが、動揺したが動揺していないフリをしていた。


私達エキストラは仮面舞踏会でつけるような仮面を渡された。「ショー」をみまもるセレブ役らしい。そうゆう怪しいことが大好きだった私は一転してテンションが上がってきた。


そしてエムプロ以外の他の事務所の子も合流し、エキストラは8人になった。


さっそくメインのAV嬢が登場した。


見た目が中学生くらいの子だった。ギャル系で、エクステンションをしている。30万くらいもらっているらしいと、ゆいさんが言っていた。


監督が登場。ゴリラさんと呼ばれるその人はカナリいかつかった。ほんとにゴリラを人間にしたような、、そしてサーファーみたいなサングラスをかけていた。

有名な男優さん2人に絡まれるシーン


エキストラの私達はなんやかんやチャチャをいれる。


そこまでは予想通りだったが、いきたり、あの

電動ノコギリを監督が持ってきた。すでに出産台にM字開脚していた女の子なアソコに電動ノコギリを近づける。


おまえ、こんなに強情ならお仕置きだ!


電動ノコギリにはよく見ると、ペニスの形をしたディルドが付いている。スイッチを入れると、禍々しい騒音が鳴り響いた。


エキストラのみんなと顔を合わせる。


ギャー


メイン女優の喚き声が、コンクリートの壁に冷たく吸収されていく。


ヤメテーホントヤメテー


監督は止めようとはしない。それどころか流暢に台詞が出てくる。


泣きたいほど気持ちいいか〜もっともっと気持ちよくさせてあげるよ‼︎


さらにエスカレートする悲鳴と機械音。


可哀想だと思ったが、あれて30万だからな、、

同情も薄らいでいき、セレブの笑い声をあげていた。


女優がイキ過ぎて失神しかけたため、撮影が一時ストップした。エキストラ女優みんながメイン女優を心配で駆け寄ったが、みんな内心同じことを考えていた。


この子30万貰えるし


メイン女優はイキすぎて、泣きわめきすぎて、顔が死んでいたが大丈夫だと答えた。


撮影が、再開されて私達エキストラも参加するシーンになった。

お仕置きでピンクローターをメイン女優にあてるというもの。

初めてやったので、ビクついていたが、あの弥生さんが思わぬ行動に出た。

上半身裸になり自分にも当て始めた。

あんなに細いのに脱ぐとかなりの爆乳だった。

その身体につい目がいってしまう。脱ぐと変わる人っているんだと知った。


弥生さんは26歳プロ意識が高いプロのAV女優だった。


ピンクローターで気持ちよくなっている、姿を見て大人の玩具に初めて興味を持った。


ペニスのディルドに乗るシーンなど、初日にはかなり刺激的なシーンを見ることになった。


気付いたらテッペン24時を過ぎていた。

実家暮らしの私は青ざめた。

ユアに私帰らなきゃと言ったところ


スタッフさんもみんな頑張ってるんだから、ワガママ言わないの。


意外だった。

この頃ワガママし放題で親にすら叱られたことはなかったのに、こんな素人系AV女優に諭されるとは思いもよらなかった。


ただ一人暮らしのユアちゃんとは事情が違うのは事実で、27時にやっと車で自宅まで送ってもらった。


帰るなり、両親が凄い剣幕で待っていた。


今まで何をしていたの⁈

電車なかったのにどうやって帰ってきたの?


友達とカラオケだったのだの、タクシーで帰ってきたのだの、上手く誤魔化し大事にはならなかった。

昔からこの手の嘘は得意である。



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