第三章 ゴッサムの陰謀
1
もう、あいつ、二週間も消えたままって、ほんとにどうしちゃったんだろう?
きららは夜、自分の部屋のベッドに腰かけつつ、心を痛めていた。
もちろんタンゴのことである。
家出する兆候もなかったし、なにか事件に巻きこまれたとしか思えない。
なんとなく自分に関係があるような気がする。ただ、どうしてそう思うのか考えても、なにひとつまともな答えは出てこない。ちっとも論理的ではないのだ。
だが、そのせいもあってタンゴのことが気になってしょうがない。
ふと窓がこつんと音を立てた。なにか小石でもぶつかったような感じで。
「ま、まさか?」
きららは窓のカーテンを開け、外をのぞき込む。
「タンゴ?」
窓の外にはタンゴが立っていた。
きららとタンゴの家がとなり同士というだけでなく、それぞれの部屋はともに二階で、向き合っていた。しかも、一階の屋根と屋根の間は三十センチほどしかなく、屋根を伝えば簡単に互いの部屋に行き来できる。まあ、マンガなどでよくある、幼なじみの定番だ。
「馬鹿。今までいったいなにやってたのよ?」
きららは窓を開けるなり、どなった。
タンゴは面目ないといった趣で、ぽりぽりと頭をかいたが、そのときタンゴの髪は短く刈り取られていることに気づいた。
「どうしたのよ、その髪?」
「いや、ちょっと怪我してな。一度剃ったんだ」
「な、なに? よく見れば顔にも痣があるじゃない。ほんとに誰かに襲われたわけ?」
「ま、まあな」
「なに? 誰にやられたの? 不良? 強盗? 殺人鬼?」
「それがよくおぼえてないんだ。後ろからいきなり殴られたから」
「なんですって?」
きららは憤慨した。好奇心が旺盛なだけでなく、正義感も人一倍強いのだ。
「どこでやられたのよ!」
タンゴは繁華街の通りの名をいう。
「そんなやつ許せない。警察だけにまかせておけないよ。あしたから犯人探しね」
「いや、それは困る。そういうことは警察にまかせておけ」
タンゴはなぜかおろおろした。
そうはいわれても、犯人を許すことはできない。タンゴは無理にいきがってるところもあるが、それは童顔で同級生はおろか下級生からも舐められてるところがあるからなのは、見え見えだ。本来は見た目同様すごく優しい男なのである。だからこそ、きららは憤った。
「第一、顔も見てないんだから、誰がやったかおまえにわかるわけないだろう?」
「ま、そりゃそうかも……」
いわれてみれば、なんの手がかりもないのにわかるはずもない。警察ならば現場に残った証拠品から特定できるかもしれないが、自分には無理だ。
「で、まさか二週間も気を失ってたの?」
「まあ、そのまさかだ。学生証は財布といっしょに取られたらしいから、俺が意識を取りもどすまで身元がわからなかったみたいだ」
「嘘? 重症じゃない。ますます許せない」
そういったが、それ以上なにもできそうにない自分がもどかしかった。
「ところで、おまえのほうはなにか変わったことはないのか?」
「え?」
「だから、変なやつにつきまとわれるとか、不良にからまれるとか、上級生にいじめられるとか……、とにかくトラブルだ」
「なにいってんの、タンゴ?」
きららは本気で不思議に思った。
もちろん、自分のまわりにトラブルはない。最近起こったトラブルといえば、タンゴが消えたことに他ならない。まあ、そういわれれば中学時代の友達奈美から夜中に変な電話があったが、まだなにがあったのか確認してない。たぶん、それほどたいしたことでもないだろう。
それより、いきなりタンゴがそんなことをいいだしたことが納得いかない。
「いや、なにもなければいいんだ。じゃ、じゃあ、悩みはないか?」
「へ?」
「だから悩みだよ。受験の悩みとか、友達関係が悪化したとか、恋の悩みとか」
「……あんた、だいじょうぶ?」
なぜタンゴがいきなりこんなことをいいだすのか、まったく理解不能だった。
「ないんだな? だったらいい。だけど、なにかあったらすぐに俺に相談するんだぞ」
「それはあたしの台詞だよ。タンゴこそ、不良に目をつけられたりしてんじゃないの? そのあげくに町で襲われたりしてさ」
「俺のことはほっとけ。いや、なにもないんならいいんだ。……それとおまえ、今好きなやつっているのか?」
「え?」
不意をつかれた。
思わず口ごもる。トラブルこそないが、これにはちょっと心当たりがある。
というか、きららは今、雨園という上級生がちょっと気になってる。もっとも、恋というより、あこがれ程度のものなのだけど。
「いないわよ。バッカじゃないの。愛の告白でもするつもり?」
ちょっと怒ったようにいう。
「いや、気にするな。だが、あんまり男とは……つき合わないほうがいいな」
「な?」
これはどう判断したらいいのだ? きららははげしく動揺する。
他の男とつき合うなというのは、告白に等しい。現にタンゴの顔はすこし赤い。
な、なにいってんのよ?
血が顔に上がってくるのがわかる。悟られちゃまずい。
「馬鹿。勝手なことばっかりいわないでよ。無事なのはわかったから消えて」
きららは窓を閉じ、カーテンまで閉めた。
なんなのよ、いったい?
きららはそのままベッドにごろんと転がり、天井を見る。
自分で動揺してるのがわかる。
タンゴは恋愛対象じゃないの。家族みたいなもんよ。
あいつ、変な事件に巻きこまれて、一時的におかしな気分になっただけよ。
きららはそう思いこもうとした。なにしろ、きょうのタンゴは明らかに変だったし。
それともタンゴが襲われたことは自分になにか関係でもあるんだろうか?
もしそうだとすると、変にまわりにトラブルがないかとか聞いたのもわかるし、男とつき合うなというのもなにか裏があるのかもしれない。
まさかね。考えすぎだよ。
きららは思わず笑った。
とはいうものの、気になってしょうがない。
あしたからちょっと調べてみよう。
きららは、タンゴになにが起こったのか。そしてそれは自分に関係があるのか、探ってみようと思った。
2
始業前、端午のまわりはざわついていた。
二週間ゆくえしれずで、ようやく登校してきたと思えば髪を短くしているし、よく見れば頭にある傷にも気づくはず。それもやむを得ないかもしれない。
もっとも心配そうな顔をして声をかけてくるものは少数で、大半はひそひそと友達同士で話しこんでいる。ゲスな想像を働かせているのだろう。
「端午、ちょっと面かせよ」
耳元でそうささやいたのはちょっと不良がかったクラスメイト、木下だった。木下は特別格闘技を習っているわけではないが、体が大きく、四角い顔はフランケンシュタインの怪物を連想させる。中学時代から喧嘩慣れしている男で、上級生のヤンキーたちも一目置いているらしい。
入学してからときどきちょっかいを出していたやつで、端午は正直、さっさと悪さでもして退学になればいいと思っていた。
端午は仕方なく木下についていくと、階段の踊り場にきた。
「おめえ、町でいきなり後ろから殴られたそうだな? まさか、俺がやったとか思っちゃいねえだろうな?」
「そんなこと思ってないよ」
じっさいそんなこと思っていない。というか、そもそも後ろから殴られたというのは作り話だ。
「だが、そういう噂が立っている。俺としては非情におもしろくない。なんで、おまえごときをやるのに後ろから殴らなきゃならないんだ?」
知るか、そんなこと。普段のおこないが悪いからだろう?
そう思ったが、ここで木下を怒らせて喧嘩する意味もない。
「いいたいやつには、いわせておけばいいさ」
「冗談じゃねえ。なんで俺がおまえのおかげで悪者にならなきゃならないんだ? おまえ、じつは殴ったやつの顔、見たっていえよ。誰か適当なやつをでっちあげろ」
木下は端午をすごい目つきでにらみつけた。
だがそれは受けられない相談だ。そんなことをすれば、その人に迷惑を掛けてしまう。
「それはできない。断る」
木下がいきなり胸ぐらをつかんできた。
「おまえのそういうところが気に入らないんだよ、俺は。弱っちいくせになにいきがってるんだ? 加藤にでも殴られたことにしておけ」
加藤というのは三年生のヤンキーグループのリーダーだ。木下以上の大男で凶暴な悪党。木下もこいつには喧嘩でとうてい勝てない。学校から排除させたいのか、どさくさにまぎれて、罪をなすりつけようとしている。
もちろん、ほんとうにそんなことをすれば、三年生の不良グループにねらわれてもしょうがない。そうなったところで、木下が助けるはずもない。
「断る」
その瞬間、胸ぐらをつかむ左手の力が強まった。同時に木下は右腕を振り上げる。殴りつけるつもりだ。
端午の体が勝手に動いた。
右足を横に大きく開くと、右手で胸ぐらにある木下の手首をつかみ、左手を外から上、そして内に巻きこむようにまわす。同時に自分自身は右側を向いた。
木下の体が宙に舞った。
そのまま床のコンクリートに、木下の巨体はたたき付けられる。
自分でも考えて動いたわけじゃない。体の動くままに任せた。どうやら今の一連の動きで、木下は胸ぐらをつかんだ左手首をねじりこまれ、その方向に勝手に飛んだらしい。
しかも気づくと、一連の流れの中で腹ばいになった木下の左手首を極めている。
「ぐわっ、やめろ。やめてくれ」
木下の情けない声に、端午は我に返り、手をはなした。
自由になった木下は、反撃するでもなく、「おぼえてろ」とおきまりの捨て台詞を残し、無様に逃げ帰った。
「すごいねえ、君」
呆然となった端午に、声をかけてきたものがいた。たまたま通りかかったらしい。
長身でふわっとした茶髪、優しそうな目をしたイケメンで、三年生のようだ。
「合気道でしょ、それ?」
そういわれて、端午ははじめて、今の技が合気道の小手返しであることに気づいた。CIAの施設でいろいろビデオを見ながら体を動かしはしたが、時間が足りなくて試せなかった技も多い。とくに合気道は相手がいないと練習しようもなく、おざなりになっていた。
とはいえ、それでもきちんと使いこなせるらしい。
「あれ、合気道じゃない? じゃ、古柔術かな。小手返しだよね、今の技?」
「いや、べつに……」
端午が言葉を濁すと、その三年生は興味深そうな目つきで見つめる。
いったいなんなんだ?
すくなくとも木下や、あるいは三年の加藤の仲間には思えなかった。どちらかというと優等生のように見える。
おまえ、やるじゃねえか、俺と手合わせしろ。なんてまちがってもいうタイプじゃない。たんに今の技がめずらしかったのだろうか? それにしては今の技をずばりいいあてるなど、只者じゃない感じもある。
「タンゴ!」
後ろからどなり声が聞こえた。
きららだった。たぶん、木下といっしょに教室から出て行ったのを誰かに聞いて、駆けつけたんだろう。
「だいじょうぶなの? っていうか、……あ、雨園先輩!」
きららの口調はちょっととまどっていた。
「やあ、君はたしか、綺羅さんだったね」
雨園と呼ばれた三年生はきららにほほ笑んだ。
「あ、は、はいっ」
きららは明らかに緊張している。心持ち顔が赤い気もする。
ちょっとおもしろくなかった。同時にこの雨園という男が何者なのか非常に気になりだした。
「君のクラスメイトかい?」
「あ、はい。黒猫端午っていいます。あの、あたしの幼なじみで、べつに変な関係じゃありません。ほ、ほんとですっ」
「あははは。おもしろい名前だね。また会おう、タンゴ君」
雨園は快活に笑うと、その場を立ち去っていった。
「なに、いったいどうなってんの? どうして雨園先輩といっしょなのよ? 木下は?」
きららはさっきまでと態度ががらりと変わり、怪訝な表情になる。
「木下ともめてたところ、たまたまあの人が通りかかったんだよ。木下は去った。今ごろ教室に戻ってるんじゃないのか?」
「去ったって、……あ、そうか。雨園先輩に助けてもらったんだ?」
きららの顔はなぜかうれしそうだった。
木下を投げ飛ばしたなどといっても、きららが信じるはずもないし、話が混乱するばかりだ。端午は話を合わせた。
「まあな。というか、木下にしてみれば、もめてるところを上級生に見られて引き下がっただけだろうけど」
「ふん。でも、弱そうな上級生だったら気にしないはずよ、あいつなら。きっと先輩の毅然とした態度にびびったのね」
「っていうか、雨園先輩って誰だよ? おまえとどういう関係なんだ?」
「なによ、タンゴ。あんた、雨園先輩も知らないの? この学校じゃ有名な人じゃない。剣道部の主将でインターハイで優勝したのよ」
そういえば、きららは空手をやっていて、この学校でも空手同好会に所属している。剣道部なら武道場で顔を合わせていてもおかしくはないし、雨園が木下をおっぱらったことにきららが疑問を抱かないのもわかる。
それに剣道をやっているやつなら、他の武道にくわしいのもべつに不思議ではなかった。
「で、どういうやつなんだ?」
「な、なによ、タンゴ、妬いてるの?」
「なに?」
意外な言葉に、とまどった。きららの顔は、怒っているようでいて、なんとなく嬉しそうでもあり、困惑しているともとれる。
「かんちがいするなよ。そんなこと気にするか。ただどういうやつか知りたいだけだ。危ないやつか?」
そうだ。おまえの行動を監視するのは、おまえが爆弾娘だからだ。CIAからの命令で仕方なくやってんだ。
もっとも、そう思おうとしつつ、それが本心なのかどうか、端午にも自信がなかった。
「危ないわけないでしょう? すごくまじめな人よ。喧嘩や悪事とは無縁の生活で剣道一筋。すごくモテるけど、特定の人とつき合ってもいないみたいだし」
「ふ~ん?」
とりあえず、あの男が近づいてもきららが爆発する危険はなさそうだ。女ったらしじゃないようだし、きららに気があるわけでもなさそうだ。
もっともきららのほうで猛烈にアタックを掛け、雨園のほうが真剣に交際を考えるようにならないとはいえない。
「おまえには高嶺の花だな。あきらめろ。もっと身の丈の恋をするんだな」
すぱーん。いきなり平手打ちを喰らう。
「な、なによ。バッカじゃないの」
きららは真剣に怒った。全身から怒りのオーラを発散させながら、長いポニーテールをぴょこんぴょこんゆらししつつ、かけ去っていく。
あ、怒らせたらまずいんだっけ?
きららの起爆装置のスイッチには激怒というのも含まれていたはず。もっとも、あの程度が問題になるようだと、日本がいくつあっても足りない。
意外と起爆の感度は低いのかもしれない。リンダにはそう報告しておこう。
そんなことを考えていると、すぐに始業のベルが鳴った。
3
夜の繁華街の地下、『ゴッサム』。加藤はここのカウンターでひとりウイスキーをロックで飲んでいた。
一見さんはけっして入ることができない秘密クラブ。会員は自分たちのような高校生で固められていて、基本的に二十代以上は会員になることができない。
飲み屋なのに矛盾しているようだが、もともとアンダーグラウンドの店なのだ。
徹底的に警察やマスコミなど、おとなを排除しようとするため、そうなってしまった。
とはいえ、今なら、マスコミなどが入ることなくても、会員がネットで実情を晒せば、たちどころに全国にこの店の実体が広まってしまう。
誰もそんなことをしないのは、血の報復を恐れるからだ。もし、ばれた場合、冗談ではなく殺されるだろう。
加藤とて例外ではない。巨漢にして怪力、高校では不良どもを束ねている加藤とて、ここでは無力なのだ。
ただ、加藤はもちろん、ここの常連客はこの店が潰れることなど望んでいないから、粛清の恐怖がなくてもそんなことはしない。
加藤は、バーテンにお代わりを頼みつつ、店の中を見まわした。
大音響の音楽が流れているが、踊っているものは誰もいない。そういうところではないのだ。
高校生のための店のため、中にいるのはバーテン以外は十代ばかりだ。
もちろん、まとまな学生らしきやつなどひとりもいない。
ラッパー風のファッションが多いが、それに混じって、パンクや暴走族風の特攻服、あるいはやくざ風の黒シャツ白スーツみたいのもまぎれこんでいる。
もっとも加藤が値踏みしているのは客の男どもではなく、店の女たちだ。
彼女たちはほとんど裸同然の恰好をしていた。
ビキニの水着姿なのだが、股間をかろうじて隠すTバックのボトムに、やはりかろうじて乳首を隠すだけのトップ。それ以外に身につけているものは靴だけ、それもなぜかパンプスだった。
彼女たちはとうぜん十代で、それもほとんどがミドルティーンだ。こういう店では化粧をするのが普通だが、全員がすっぴん。それどころか、髪にしろ染めたりパーマを掛けたりしているものはいなく、髪型もストレートのロングや、おさげ、三つ編み、ショートカットといったまじめな高校生風だ。
顔立ちは整っているが、店にふさわしくなくむしろあどけない感じの子が多い。そんなまじめそうな子たちが、裸同然の恰好でパンブスをはいている姿は異様にアンバランスだった。
それが売りなのだ。いかにもワルという男には、すれた女はよってきても、まじめな女はけっして近づこうとしない。だが、ここではそういう女を自由にできる。金さえ店に払えば。
加藤にしたところで、どうやってそういう子たちをスカウトしてくるのかまでは知らない。
やくざ風の白スーツの男が、三つ編みを左右にお下げにしている田舎臭い女の手を引き、別室に消えていった。
さいわい、そいつは加藤の好みの女ではなかった。加藤はすれた女、いかにも馬鹿そうな女にはうんざりしていたが、かといって、あまりにもまじめそうだったり、内気そうな女も興味がない。優等生ながら、明るく活発な女をめちゃくちゃにしてやりたいのだ。
そういう意味で、加藤が買いたい女はきょうはいなかった。
ふん。まあいいさ。きょうはどうせ待ち合わせだ。そっちの用がすむまでは、どのみち女買うわけにもいかねえしな。
加藤はウイスキーをあおりながら、腕時計を見た。そろそろ時間だ。
「よう、待ったか?」
後ろから声をかけてきたものがいた。
この場には似合わないカジュアルな恰好をした、好青年。雨園だった。
「いや、今きたところだ」
学校では無敵と思われている加藤も、じつはこの雨園には敵わない。単純な強さだけの問題ではなく、狡猾さ、残虐さ、冷酷さなどをふくめてだ。ただ、雨園は加藤と違い、校内では優等生の仮面を被っている。それは目立ちたくない雨園にも、表向きのナンバーワンをゆずりたくない加藤にも都合のいいことだった。だが、いつかは機会を見て叩きのめしてやろうと思ってもいる。
雨園はなにやらしゃれたカクテルを注文した。
「ところで加藤、おまえ、この店の女たちを見て変に思ったことはないか?」
雨園はうすらわらいを浮かべ、唐突に切り出した。
加藤はなんとなく雨園のいいたいことがわかった。見るからにすれた女や、遊んでるふうの女ならこの年でもこういう店で働くやつはいるだろう。だが、この店の売りは、ふつうの女子高生だ。
いったいどこからどうやってそんな女たちを集めてくるのか?
「なにがいいたい?」
「とぼけるなよ。おまえは見た目ほど鈍くない。なんでこんな女たちがここにいるか不思議に思ってるだろう?」
「……だとしたら?」
ま、まさか、こいつ?
加藤は直感的に、雨園がこの店にとって重要な位置にいることに気づき、声をひそめた。もっとも大音響の音楽が鳴りひびく上、男同士の会話に耳をかたむけるやつなどここにはいない。
「この店は実質的に俺の店だ」
「な、なんだと?」
あまりのことに加藤は思わず、声を荒げた。しかしまわりのやつらは誰も気にしない。
「もちろん、最初はちがった。俺はオーナーにスカウトマンとしてやとわれた」
「スカウトマン? つまり、この普通っぽい女たちを引っぱってきたのか?」
「そうだ。ナンパして、こまして、弱みをにぎりいいなりにさせる。俺はかたっぱしから田舎臭そうな女をものにし、ここに売り飛ばした。あっという間に大金が入ったぜ」
雨園の優等生面から悪党の笑みがこぼれた。
「それだけじゃ我慢できなくなって、オーナーを脅した。なにせ、未成年を無理矢理売春させてるんだ。しかも、どいつもこいつも俺のいうことを聞く女ばかりだ。俺に有利な証言をさせれば、俺は安泰。オーナーは逮捕される。互いにつぶし合いをするにしても、未成年で友達を紹介しただけの男と、未成年に売春させたおとなじゃ、勝負ありだ。罪の重さがちがう」
加藤は今ほど、雨園を恐ろしいと思ったことはなかった。
遊び慣れていない女をこまし、いいなりになるようにして売り飛ばすだけでも高校生ばなれした悪党なのに、オーナーを脅して、自分の店にする高校生など聞いたこともない。
「もちろん、店の名義はそいつのままだけどな」
雨園はそういって、笑った。
つまり雨園は、自分の店に、それと知らせず加藤を連れこみ、常連客になるようにし向けたってことになる。
「嘘だ。こういう店はバックにやくざがついてる。高校生にそんなことをされてだまってるはずがねえ」
「ふふ。じつは俺のほうにもそのバックのやくざとツテがあるのさ。
ほんとうなのか? だとすると、こいつは実質やくざそのものだ。とても自分が手を出せる相手じゃない。
「なぜ、そんなことを俺に話す?」
加藤は知らぬ間に緊張で喉がからからだった。
「決まってるだろ? 正式に俺の下で働け。卒業しても仕事はちゃんとやる。もちろん、裏の仕事だがな。贅沢できるぜ」
加藤はなにもいえなかった。
もともとつい最近まで表ざたにならないだけで、雨園とはやりあっていた。どうやっても勝てないのだが、それでもいつかは勝てる日も来るのではないかと思っていた。
だが、こいつはたんなる不良どころの話ではない。裏社会のおとなまで脅し、いいようにあやつる化け物だ。そんな男なら自分ごときがどうこうできるやつじゃない。
つまり、雨園はくだらないつぶし合いなどせず、軍門に下れと自分の正体を明かしたってことだ。
「ハッタリだろ?」
まだ信じられなかった。ほんとうにそんなことができるわけがねえ。
「雨園さん、この野郎、やっちゃいますか?」
いきなり真ん前にいたバーテンがすごんだ。二十代前半くらいの、オールバックの痩せた男だが、今まで愛想を振りまくことはあっても、客を脅すことなどなかった。
目つきがいつもとちがう、本気で人を殺しそうだ。一重の細長い目が冷たい眼光を放つと、ほとんど死に神のように見える。しかも右手に白いタオルを被せてあるが、左手でそれをちらりとまくった。拳銃を握っていた。
「ハ、ハッタリだ……」
モデルガンだ。本物をこんなところでぶっ放すわけがねえ。
そう思う反面、この店が雨園に支配されているのはまちがいなかった。仮にこれがたんなる脅しだとしても、自分は家の場所まで雨園に知られている。正直恐ろしかった。
「わ、わかった。信じるぜ。協力もしよう。だが、それなら、俺の頼みも聞いてくれ」
「なんだ?」
「おまえ、ほんとうにまじめなふつうの女子高生をいいなりにできるのか?」
「もちろんだ。……ほう、誰かいいなりにしたいやつがいるのか?」
雨園は笑った。悪魔のような顔で。
「俺たちの学校のやつでもいいのか?」
「あまり気が進まないが、ひとりくらいなら問題あるまい。で、誰だ?」
「一年の綺羅きらら」
「あの、空手少女か?」
雨園は爆笑した。
「いいぜ、気に入った。あの女は俺もじつはちょっと遊んでみたかったんだ。まあ、そうだな、俺にも都合がある。一週間ほど待て」
マジか? あの女が俺の思い通りになる?
加藤の中にサディスティックな欲望がわき上がってきた。
4
「せいやああ!」
きららはかけ声とともに、豪快な右回し蹴りを相手の顔面すれすれで止めた。
相手の男子は無様にしりもちをつく。
「なんかきょうは一段とするどいな」
相手はちょっと気まずそうに立ち上がると、あきれ顔でいう。
もう。もうちょっとしゃきっとしてよ。
「馬鹿。おまえが鈍いんだろうが。すこしはきららを見習え」
顧問の先生の怒声が飛ぶ。
「きらら、いいぞ、その調子でもっとやれ!」
「オス!」
きららは豪快に返事をしつつ、ちょっと気分がよかった。
空手同好会は人数こそ男子三人、女子ひとりと少ないが、顧問の先生がしっかりしているせいで意外とレベルは高い。そんな中でもきららは一番の技術とスピードを持っていた。さすがにパワーと体格では負けるので、フルコンタクトなら押されるかもしれないが、寸止めでやる限り負けることはほとんどない。
とくにきょうは乗っていた。気合いが入っているのだ。
原因は昼休みのことだ。
今は他の高校にいる中学時代の先輩、優子から電話をもらった。それ自体はめずらしいことでもなんでもない。ただ、いつもは他愛のないことなのだが、どうやら今回はちがうようだ。この間の夜中、奈美から思わせぶりな電話をもらっていたが、そのことに関係があるらしい。
もともと優子は身の回りに起きた事件などの情報が集まってくるタイプの、ある意味親分肌の先輩だった。彼女の情報網によると、奈美がいかがわしい店で売春をやっている可能性があるそうだ。
さすがにありえないと思った。奈美はすごくまじめな子で、しかも奥手だった。まちがってもそんなことをするわけがない、ときららは信じている。
だけど、もしほんとうなら、なんとしても助けなくっちゃ。とも思う。
『とにかく、きょう、夕方からその店を見張って、噂がほんとうかどうか確かめたいの。いっしょに来てくれない、きらら。だって、怖そうなところだし』
「わかりました。じゃあ、放課後、うちの学校のほうまで来てくれます? いっしょに行きましょう」
そう答えると、くわしいことはまたあとで連絡するからといわれ、切られた。
普通なら心配で空手の稽古どころじゃなくなるのかもしれないが、きららはちがった。
優子のいうことがほんとなら、きららはその店に乗りこんでいって、力ずくでもやめさせてやると思った。
乱闘になるかもしれないが、むしろ心の奥ではそれを望んですらいるのかもしれない。
女を食い物にする男など許せないし、そういうやつは問答無用でぶちのめす。
そう思うと、今から力が入ってくるのだ。
一週間前、タンゴが戻ってきたときも、タンゴを襲ったやつらを捜し出そうと思っていたが、どうすればいいかわからず、けっきょくほったらかしになっていることも、たぶんやたらと張りきっていることの原因のひとつだ。やるべきことができていないと欲求不満になる。今回のことは、溜まったもやもやを発散するには絶好のタイミングだったのかもしれない。
「おまえ、きょう、殺気がみなぎってるよ」
男子からついに苦情が入る。
ったく。軟弱なんだから。
ついついそう思って、その分技がきつくなる。
とにかく、気合い入れまくりで稽古しているうちに、部活じゃ終了した。ただの同好会なので五時ちょっと前には終わる。
道着から制服に着替えると、スマホをチェックする。優子からメールが来ていた。
『喫茶さぼーるで待ってる』
喫茶さぼーるとは、すぐ近くにある喫茶店だ。前に優子は近くに遊びに来たことがあるのだが、そのときそこで会っているから、待ち合わせ場所に選んだのだろう。
さぼーるは徒歩でほんの数分。またたく間に着いた。
優子はもう来ていた。深刻な話のはずなのに、その顔からは明るく軽いノリが感じられる。メガネからのぞく大きな目は、ネタにありついた新聞記者のような輝きを放っている。もっともきららはこの先輩が暗い顔で悩んでいるのを見たことがなかったが。
オレンジジュースを注文すると、ウエイトレスはすぐにもってきた。
「ただの噂なんですよね?」
きららはジュースを飲みながら、なるべく明るくいった。
「それがなんかほんとっぽいのよ。しかも、調べれば調べるほどヤバい感じ」
優子はむしろ楽しそうな口調でいう。
「ヤバいって、どういうことですか?」
「噂じゃ、まじめそうな女の子を拉致して、いかがわしいことしていいなりにさせてから働かせるんだって」
「嘘っ?」
あまりに現実離れした話だった。
「なんで警察ざたになんないんですか?」
「噂じゃ、恐ろしいところで、働いてる女の子はもちろん、客も店の実体を話しちゃだめらしいのよ。下手なことをしゃべると、やくざが出てくるらしいわ。完全会員制で、会員は学校から家からぜんぶばれてるし」
「ほんとですか?」
ほんとなら、なにがなんでも奈美を連れ戻さなくっちゃ。
それにそんなことをさせる悪党はただじゃおかない。ぼこぼこにしてやる。
だけど、昔からこの優子という先輩は大げさで、いつも話は何倍にも膨らんでいるが普通だ。今回もあるいはなんでもないかもしれない。
ただ、この前の夜中にきた奈美からの電話を考えると、あながち嘘でもない気がする。たとえば、あのとき奈美は脅されてそんな店で働かされてることを相談しようとしたけど、きららにもどうしようもない、あるいは巻き込めないと判断して電話を切ったんじゃないだろうか?
「あ、信じてないでしょ? まあ、あたしも半信半疑なんだけどさ。ただ、奈美がそこで働いてるっていうのは、かなりほんとっぽい噂よ」
むしろそうであったほうがおもしろいと、いわんばかりだ。
ほんとに奈美を心配してるの、この人?
もっとも、きららにしろ、悪党をぶちのめせると思うと、わくわくしてしまう自分を否定できない。
「店の名前と場所はわかるんですか?」
「名前はわからないけど、場所はだいたいわかるよ。奈美が夜、そこに入っていくところを見たって人がいるから」
優子は必死でほんとうのことだというのをアピールする。
「だけど警察にはいえないでしょ? もし、ほんとうに奈美が売春してるんだったら奈美がつかまっちゃうしね」
きららも警察を呼ぶことは反対だった。もしほんとなら、奈美もそのことを隠したいに決まってる。だからこそ、あたしの出番なのだ。
「じゃあ、とりあえず、今からそこにいってみましょう。もし奈美を見かけたらどこに入るのかつきとめればいいでしょ?」
「うん。そのためにあんたを呼んだ」
優子は中学時代からなにか困ったことがあると後輩のきららを引っぱりだした。たいてい、きららの空手の技で解決した。今回もそれを期待しているのだろう。
だが今回は、もし優子のいってることが大げさでなければかなりヤバい。
だからこそ、きららは燃えた。
念のためにヌンチャクは持ってきてる。実戦において、鍛えぬかれた男をたおすには、パワーと体格が不足しているという自分の弱点を、きららはしっかり認識している。だが武器があればべつだ。
ヌンチャクひとつあれば相手が大男だろうが、複数だろうが、ナイフを持っていようが、まず負けない。そんなクズ野郎どもにはこれでお仕置きをしてやる。拳銃を出されるとまずいが、さすがにそれはないだろう。
「なんか武器持ってきてるよね?」
店を出ると優子はあたりまえのように聞く。
「もっちろん。相手がやくざでもだいじょうぶです」
そういってやると、にっと笑った。
「乗って」
優子は店の前に止めてあったスクーターに乗る。免許は持っているらしい。
きららが後ろに乗ると、スクーターは発進した。
*
「このへんよ」
優子がスクーターを止めたところは、繁華街の細い路地の中。それも居酒屋や小料理屋ではなく、ちょっといかがわしそうな飲み屋が集まっている感じのところだ。こういうところは開店時間が遅いらしく、まだ日が暮れていないこの時間帯に人通りはほとんどない。
あれ? そういえばここって……。
たしかタンゴが誰かに頭をぶん殴られたっていってたあたりじゃないの?
ひょっとしてふたつの事件はつながっているのかもしれない。
タンゴの事件もずっと気にはなっていたのだが、どっから手をつけていいのかわからず、けっきょく、ほったらかしになっていた。
案外ふたつの事件がいっぺんに解決するかも?
そう思うと、いても立ってもいられなくなった。
「とりあえず、奈美を待とうか」
「どのビルです?」
きららとしては、ここで来るかどうかわからない奈美を待つのはごめんだった。
「聞いた話だと、あのビルだっていうけど」
「ちょっと探ってきます」
「え? ちょ、ちょっと」
「もし、三十分たっても出てこなかったら、警察呼んでください」
なんか映画の主人公のような台詞だ。
きららは古びた店舗ビルにさっそうと入っていく。何階になんの店が入っているかを書いたプレートが壁に貼ってあった。上の階はぜんぶバーかスナックらしい。地下は表示されていない。しかし、地下に降りる階段はあった。
きっと地下ね。
きららは勘で当たりを付けると、階段を下りていく。
地下には扉はあったが、看板は出ていない。あいにく扉は覗き窓もなく、中の様子はわからない。当然鍵が掛かっていて、入ることもできなかった。
まだ、六時前だしね。
よく知らないが、こういうところが開くのは七時か八時ごろなのかもしれない。
探るもなにも、これじゃあなにもできない。
あきらめて、優子といっしょに外で待とうかと思ったとき、上から誰かが下りてきた。
「ん? なんだおめえ」
ラッパー風のふたり組。どっちも体格はよく、顔つきは凶暴だ。
店の人間にちがいない。
「そこでなにしてるって聞いてんだよ」
より凶悪そうなほうがどなる。
下手にごまかすより、ぶつかったほうが早い。
「ねえ。この店で奈美って子が働いてるって聞いたんだけど、会わせてくれる?」
「奈美だぁ?」
ふたりは顔を見合わせると、ぐへへへと下品な笑いを漏らす。
「おおいるぜ。中で待ってろよ」
「やっぱり帰る」
「そういうな」
ひとりが階段を通せんぼした。もうひとりがドアの鍵を開ける。
もう、店の中で襲う気満々である。こうなると、優子がいっていたこともあながち嘘とは思えない。ひょっとしてタンゴを襲ったやつってこいつらかもしれない。
「あたしはあんたらみたいのを、のさばらせておけるほど人間ができちゃいないんだけど」
「ひゃはははは」
階段をふさいでいたやつが馬鹿面で笑った。
きららは右手でスカートをまくった。べつに相手を誘惑するためではない。太ももの外側にヌンチャクをテープでとめておいたからだ。
「ぐへ?」
通せんぼの男が視線を太ももに走らせると、間抜け顔で口を開いた。
きららはまるで西部劇の早撃ちのように、一瞬のうちに脚につけたヌンチャクを手に取ると、振るった。
ひゅんと音を立てて、その男の顔面に一撃が飛ぶ。
顎を横から強打された男は階段を転げ落ちた。
さらにきららは体を百八十度転回させると、反対側の男にもヌンチャクを振りぬいた。
時間にしてほんの一、二秒。それで勝負はついた。ふたりとももう声を出すこともなく、床に転がっている。
「ふん。雑魚すぎ」
きららは店の中をのぞいてみた。
正面にカウンター。さらに壁ぎわにはテーブルがいくつか並んでいる。
よく知らないが、映画なんかを見る限り、こういう店はこんな作りだったような気がする。特別変わってるとは思えない。
まあ、いいか。この店がまともじゃないことはわかった。
なにせ、この暴漢はドアの鍵を持っていた。従業員である証拠だ。
いったん優子のところに戻ろうとすると、見知った顔が階段に立っていた。
「え?」
きららは混乱する。
なにせそこに立っていたのは加藤。しかも気を失っている優子を肩に担いでいた。見張ってるのがばれたらしい。
後ろにはボディガードのような男がふたり。スキンヘッドとドレッドヘアの強そうな大男だ。
だが問題はそんなことじゃない。壁にもたれてにやにやときららを見つめている男の存在だ。信じがたいことに、それは雨園だった。
「雨園先輩? ど、どうして?」
「いや、もうすこし、遊ばせておくつもりだったけど、自分から来ちゃうんだもんな、きららちゃんはさ」
雨園は意味不明のことをいう。
だが、顔つきがいつもの雨園ではない。いやらしい下心が透けているような醜い顔でへらへら笑っている。
きららは百年の恋もいっぺんに冷めた気がした。
そして直感的に、優子がいっていたことはほんとうで、雨園がそれにからんでいることを悟った。
「信じられないっ!」
激しいショックを受けたが、うちひしがれている余裕はない。はっきりいってかなりピンチだ。
「どいて!」
きららは威嚇のためにヌンチャクをふりまわす。カンフー映画のように、手を持ち替えながら目に求まらぬスピードでひゅんひゅんと豪快に。
「へえ、やるじゃない?」
雨園はひるまない。むしろバカにしたようにいう。なんか無性に腹が立った。
きららはふりまわすのをやめ、両手でそれぞれのグリップを握り、前に突きだして構えた。このほうがいつでも相手めがけて打ち込める上、相手にしたら左右どちらで来るかわからない。
「うん、そっちのほうが実戦的だな。だけど、そんなもので僕に勝てるかな?」
雨園がろくに構えもせず、無造作に近づいてくる。
きららはためらわず、左手を離すと、ヌンチャクを振るった。
雨園は顔面に飛んできたそれを手のひらで受けた。そのまま握りこむと、さらに前に出る。
とっさに前蹴りを下腹部にぶちこもうとした。
だがすばやいステップで動いた雨園の体はすでにそこにはなく、かわりに雨園の拳がきっららのみぞおちに食い込んでいる。
「うげええ」
重い衝撃に鈍痛。きららは床にはいつくばり、胃液を吐く。さらに延髄のあたりに衝撃を感じたかと思うと、そのまま意識を失った。
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