第99話 ミカのレベル上げ
さてと、ものの5分程度で海峡の真ん中に来てしまった。
ここに、前に魚狩りの時に使ったものを取り出す。
そしてその上にマジックルームを取り出し、ミカを出してあげる。
「え、もう着いたの?」
「うん」
「でも、トズマホの情報だったら、馬車で2~3日かかるって……」
「まぁ、アイテムマスターだからね。道具を駆使してこんな短時間でついたの」
「本当になんでもありね、それ」
ミカが少し溜息をついて言った。
「で、どうするの?」
「まず、ボクが海の中を潜って、ランクが高めの魔物を片っ端から瀕死にして、この足場に打ち上げるから、この剣でとどめをさして?」
と、俺はミカに吸魔剣を、MP3000吸収させた状態で渡した。
「でも、私、弓しか使えないよ?」
「大丈夫、ホントに突き刺すだけにするから」
「そう? じゃあお願い。その、ムチャして怪我しないでよね!」
「うん、大丈夫だよ」
俺は気痛剣にMP2000をこめて、海に潜る。
まずはAランクの魔物を笛で呼び出した。
今回も二匹出現。イカとサメ。気痛剣で気絶・半死状態にして海上にそっとあげる。
今、こいつらのHPの1割以上与えちゃうと死んじゃうからね。
そして、ミカの元に届ける。
「さあ、ミカ! その剣でグサッと! 二匹とも」
「う、うん。えいっ!」
ミカは吸魔剣を二匹にグサッと刺した。
どうやらイカとサメは息絶えたようだ。
その途端、ミカはおどろく。
「え、え? なにこれ、なにこれ、身体が温かいよ?」
「それがレベルアップだよ。ステータスを見てみてね。出来ればトズマホを介入して、ボクにも見せてよ」
「う…うん、これが私のステータスよ」
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-ステータス-
name:ミカ
Level : 59
EXP:178500
HP :970/970
MP :1000/1000 (10)
A(攻撃力):485
C(器用度):485
D(防御力):485
W(魔法力):485
S(素早さ):485
STP:970
-スキル-
SK1)
[E(X):火術]Lv 2 [E(X):水術]Lv 1
[E(X):風術]Lv - [E(X):土術]Lv -
[E(X):念術]Lv - [E(X):癒術]Lv -
[E(X):強化術]Lv - [E(X):弱化術]Lv -
SK2)
[剣技★]Lv - [体技★]Lv -
[槍技★]Lv - [弓技★]Lv 1
[料理★]Lv -
SKP:971
称号: -
印: -
--------------------------------------------
「ど…どう?」
「全然いけるよ! 冒険者ランク上げ用の魔核を稼いだらギルドに行って冒険者登録しようね!」
「うん」
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俺らは、いつも俺がお世話になっているギルドに顔を出した。
そこに居た冒険者全員が、俺の野次馬と化す。
だが、しばらく経ってミカにも気づいたようだ。
冒険者の一人が俺に、ミカのことについて聞いてきた。確かこの人は俺が最初にギルドカード見せた人だ。
「あ、アリムちゃんよ、ここに寄ってくれるのは嬉しいんだが、その娘、アリムちゃんと同じ位可愛い娘は誰なんだい?」
俺はその問いに答えてやる。ミカは野次馬の皆さんに驚いて、俺の隣でモジモジしてるから。
「この娘はね、ボクの幼馴染なんです! 冒険者登録したいっていうから連れてきたんですよ?」
「へぇ、そうかい。じゃあパーティ登録もするのかい?」
「うん!」
それを聞いた野次馬がさらに騒がしくなる。
こりゃニュースだぞ、とか、明日の話題はこれで持ちきりだな とか。
俺は受付のアギトさんに話しかける。少し説明をした。
「と、いうわけです。この娘を冒険者にしますね」
「おい、でもアリムちゃん、この娘もアリムちゃんと同い年なんだろ?」
「はい、そうですよ?」
「じゃあXランクからだろ? パーティ登録はできないだろ」
「大丈夫です、強いですから」
「えぇ………」
アギトさんは、予想通りだという感じだったが、やはり驚かれたようだ。
アギトさんはミカに話しかける。
「じゃあ、君、冒険者登録しよう。一応聞いとくけど、犯罪歴は?」
「ない…です」
「名前は?」
俺は事前に、苗字をそのまま使えばいいと言ってある。
「ミカ・マガリギといいます」
「ミカ・マガリギちゃんね…。歳は12歳で良かったかな?」
「はい」
しばらくして、完成したギルドカードを、アギトさんはミカに渡した。
そして、俺にした説明とほぼ同じ説明をした。
試験を受けるか聞かれたミカは、即答でYesをした。
「じゃ、この砂時計が落ちる前に俺に触れろよな。ヨーイスタート!」
ダンッ! とミカは地面を蹴り、一瞬でアギトさんに触れた。
アギトさんは、『またか』とつぶやいた。
実際はミカに、素早さが上がる指輪を2個、貸してるんだけどね。
晴れてミカはFランクとなる。
さらに、ミカにCランクの魔核を提出させる。
この場は騒然となった。第二のアリムちゃんが、アリムちゃん登場からたった1ヶ月で現れたと、ひどい盛り上がりを見せた。
さらに、俺らはパーティ登録をする。
パーティ名は[ジ・アース]……地球だ。リーダーは俺、アリム。
パーティ登録することにより、一定の範囲にいる仲間にも、倒した人と同量の経験値が与えられる。
互いに一つの光る玉に触れ、それでパーティ登録完了!
俺らはギルドを早々に出て、宿に戻った。
「どうだった? ギルド登録して」
「なんか……すごい人だかりだったね。私まで異常に目立っちゃった」
「まぁ、ボク達はこの世界じゃ、イレギュラーだからね」
「うん、それでね、一つの思ったことがあるの」
「なになに?」
ミカは笑いながらこう言った。
「ぶりっ子」
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