第100話 ミカ専用武器(仮)
ぶりっ子と言われてしまった。
まぁ、自覚してたけどね。
「と……とりあえず、ミカにも何か武器を作ろうか。 弓だったよね?」
話をはぐらかしてみる。
「うん、そうよ。どのくらいの出来の武器が作れるの? アイテムマスターは」
「伝説になるぐらいには」
「それって、最大ランクじゃないの? 流石ね」
「そうだよ」
ミカはどうやら、このぐらいではもう驚かなくなったみたい。
「私に作ってくれるの? 伝説級の弓」
「うん。材料から取ってくるから、少し待っててね」
「ありがとう! でも……」
ミカはなにやら悔しそうな顔をしているな。どうしたんだろう。
「私、こんなにアリムが色々してくれるのに、私はアリムになにもしてない……ねぇ? 私に何かできることない?」
成る程、そんな悩みか。無理に何かしてもらわなくてもいいのに。
「…ボクはミカが居るだけで嬉しいんだけど?」
「それじゃダメなの。良くないのっ!」
「う……」
そんな上目遣いで言われてもねぇ。同じ身長なのに上目遣いできる高等技術。
いや、そんなことより、ミカは何か負い目を感じてるみたい。
しかし、ミカにできることは本当になにもないんだ。
「今してもらうことは、強くなってもらうこと。レベルさえ上がればなんでもできるから。もう少し、ミカが強くなってから考えよ? ね?」
「う…ん。わかった。気をつけて行ってきてね………。そ、そうだ。私、料理のスキル上げて、お料理作って待ってるから!」
「うん、わかった。楽しみにしてる」
俺はミカに見送られながら、トリアエリアル山に向かった。
まだ掘ってない鉱石がある。
その中にはミスリルも、アルティメタルもある。
吸魔剣と同じ合金でミカには武器を作ろう。
オリハルコンを使っても良いんだけど、あれはせっかくだし、SSランク以上の魔物の素材と合わせて作りたいから。
こうして俺はものすごい速さで、必要な分だけの鉱石を集め、その場でマジックルームを用いて弓を作った。
少し前までだったら、伝説の武器一つ作るのに15時間程度かかっていたのが、自分につけてる装飾品のおかげで、今では1時間程度で作れるようになった。
やっぱり、衝撃を和らげる装飾品、作って正解だったかも。
多分、それがないときつかった。
俺はいそいでミカの元に帰った。
部屋から良い匂いがする。この匂いはロールキャベツだね。
多分これ、[真・料理]をMAXまで振ってるんじゃないかな。
「ただいま、ミカ」
「お帰りなさい! あ…あ・な・た」
自分で言ってて恥ずかしいのか、顔を少し赤らめたミカが、エプロン姿で出てきた。
可愛い。
「良い匂いだね。ロールキャベツ?」
「そうだよ。張り切って作ったの」
「料理のスキル上げた?」
「うん…[真・料理]ってスキルになって、MAXにもしたけど、アリムのアイテムマスターには勝てなかったよぅ…」
アイテムマスターはマジで全てを超越するからね。しょうがないね。
「そんなに落ち込まないの。そのスキルMAXにしたら、超高級の一流レストランのコック長以上の味になるんだから」
「じ、じゃあアイテムマスターの料理はなんなのよ?」
「神の味?」
「うーん、妙に納得」
そんな会話をしながら、二人でロールキャベツを食べた。
美味しい、本当に。
そのあと、作った武器のお披露目タイム。
「じゃーん! これがミカのために作った弓だよ! ミスリルとアルティメタルの合金でできてるんだ」
「合金もつくれるの? すごい、本当に。ありがとう!」
「じゃ、その弓、トズマホで鑑定してみてよ」
「うん」
ミカは[トズマホ]で弓を鑑定した。
【「究極銀の吸魔の魔弓」
・状態→ 最良
・出来→ 最高
・価値→ 伝説
・材料→ アルティメットシルバー
エンチャント
・種類→ 魔物合の魔弓
・説明
:攻撃力+870(290×3)
:弓としての性能を究極的に上昇させる(耐久性、貫通力、攻撃力3倍)
:この弓に所有者以外の発する魔法は効かない
:MPを消費することにより、消費した分だけ弓の性能が上昇する(MP1→+0.005倍)
:魔法を吸収することができる。吸収した分だけ弓の性能が上昇する(MP1→+0.005倍)
:この弓から放った矢で傷つけた相手のMPの5%を吸収する。吸収した分だけ弓の性能が上昇する(MP1→+0.005倍)
:尚、上記の効果の持続時間は1日。1日が過ぎたら蓄積魔力は0となる。
:MPを3消費することにより、実物の矢がなくても魔力の矢を放てる。矢は、一定期間で消滅する。
:魔力の矢を任意の数だけ一度に打てる。消費MPはその本数に依存する
:程よく軽くする
:壊れない
:常に最良の状態を保つ 】
ミカはかなり驚いてるようだ。
「これ、本当にもらっていいの?」
「うん、いいよ」
「ありがとう! アリム、ううん、有夢!」
相当嬉しかったのか?
頬にキスをされた。
_____もう、これだけで俺は幸せ。
「あ……」
「お礼だよ。もう彼女なんだし、いいよね?」
「う、うん」
「じゃ、早くお風呂入って寝よう?」
「そうだね。ミカから先どうぞ」
「うん、ありがと」
こうして、この日も終了した。
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