第98話 レベルの問題
朝7時起床!
やっぱりそばに誰か好きな人が居ると思うと、落ち着いてよく眠れる。
ミカはまだ眠っているようだ。
本来なら俺は朝飯はパン一枚とかなんだけど、ミカが居るし、ちゃんとした朝ごはんにしよう。
俺が朝ごはんを作っている最中、ミカはおそらく匂いで起きた。
眠い目を可愛くこすりながら、俺の元へと来る。
「おはおー、あゆむー」
「おはよう。ミカ。もう少しでご飯ができるよ! 席についてまっててね」
「う~ん。わかった」
今日の朝食は目玉焼きメイン。
焼き方にもこだわった、目玉焼きだよ!
俺はそれらを机に並べていく。
「じゃ、たべよう」
「うん、いただきます」
まずミカが目玉焼きを食べる。
その瞬間、目がカッと開かれてこう言った。
「おいしい!」
「でしょ?」
「うん、美味しすぎて目が覚めたわ。それと、もう一つその衝撃で思い出したことがあるの」
「なに?」
「おい、有夢め、私をよくも置いていってくれたな! 罰としてお肉一枚奪ってやるぅ」
そう言ってミカは俺の薄切りお肉一枚を持って行ってしまった。
「ボクのお肉がーっ」
「ふーん、私はその何倍も悲しかったんだからね、このくらい辛抱してよね」
「うん。ごめんね」
「ホント…寂しかったんだから」
そうしんみりした顔になった。でも、実際、ミカは俺が死んで、どのくらい悲しんだんだろう?
反対の立場だったら、立ち直るのに2ヶ月はかかるかも。
「でも、ボク達、いまこうして一緒にいるじゃん」
「うんっ!」
俺らは朝ごはんを食べ終わり、着替えたら、今後の話をすることにする。
俺がこさえた服もよく似合っている。可愛いよミカ。
「ねぇ、ミカ。ミカって何レベ?」
「1なのよ、それが」
「え、本当に?」
「うん。アリムは181なんでしょ?」
「うーん、そこはイマイチなんだよね」
「どういうこと?」
「ステータスを最後にちゃんと確認したのが、大分前でね。その間にSランクモンスターを2体も倒してるから…」
ミカは驚いた顔でいった。
「すごいレベルになってるんじゃない?」
「うん」
「どうやってそこまで?」
俺はダンジョンを何周もしたことを教えた。
「……さすが、周りの男子からレベル上げの鬼って言われてただけあるわ…」
「だろ」
「ゲームだけじゃなくて勉強もしなさいっての」
「もうあまり勉強は必要ないよ? この世界」
「はぁ……」
ミカは呆れた顔でこう続けた。
「でもね、私もこの世界で生きてくために、レベル上げなきゃいけないと思ってるの。ねぇ、アリム、レベル上げ手伝って?」
「うん、いいよ。丁度つい最近ダンジョン見つけたからね」
「やった! ありがとう。でもその前に冒険者登録しなくちゃね」
俺は腕を組み、その考えを否定した。
「いや、Xランクはパーティを組めないから、ボクとパーティ組めないよ? 2年後まで」
「え、でも試験を受ければFランクになれるんでしょ?」
「うん、でもレベル15は超えてないと、あの試験、中々難しいと思うよ」
「えっ…どうしよ」
ミカは困っているようだ。だが、俺には考えがある。
「ボク、いい考えあるんだ」
「へぇ、どんなの?」
「僕が魔物をギリギリまで弱めて、ミカがとどめを刺す。するとミカに経験値がはいる」
「なかなかメジャーなやり方ね」
「うん、そうだよ。さぁ、ミカ。早速行こうか」
「ダンジョンに?」
残念ながらダンジョンではない。
ダンジョンはサクサク進めたいから、その前に他の場所でレベル上げするのだ。
「違うよ。いい場所があるんだ」
「さすがアリムね。レベル上げの鬼」
「うん、だから一旦、この中に入って?」
俺はマジックルームを取り出した。
「なんで?」
「マジックルームってわかる?」
「うん、まぁ」
「マジックルームに入った状態だと、マジックポーチで生きた生物を持ち運びできるんだ」
「え、大丈夫なの? なんでそんなことわかるの?」
まぁ、ミカの質問はもっともだ。
だが、俺はアレだぞ。
「ほら、ボク、アイテムマスターあるし」
「……そうね。なんでもありね、それ」
そう言って、ミカはマジックルームの中に入った。
さてと、魔の海峡に行って、Aランク魔物でも倒しますか。
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