第64話 大会数日前

 おはよう。

 今は朝の10時。昨日ギルマーズさん達が帰ったのは3時だから、この時間に起きるのは仕方がないんじゃないかな?


 今日することは決まっている。

 ギルマーズさんのコレクション用の剣を作るのだ。

 初めての製作依頼だ。張り切って作ろう。


 ただ、渡された素材が少し多い。剣一本作り終わったと後に、包丁が作れるくらい。

 オルトロスなんて、丸々一匹分はあるからね?

 余った分は返せばいいか。



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 夜の12時。

 やっと完成した。

 これがその剣だ。



【「合・オルトロスの究極鉱の双増の魔剣」


・状態→ 最良

・出来→ 最高

・価値→ 伝説

・材料→ アルティメタル

     エンチャント

     オルトロスの右頭の犬歯

     オルトロスの左頭の犬歯

     オルトロスの蛇尾

    

・種類→ 魔物合の魔剣

・説明

:攻撃力+642(214×3)

:剣としての性能を究極的に上昇させる(耐久性、斬れ味、攻撃力3倍)

:持ち主の剣技の速さを超物的に上昇させる

:この剣の性能、特殊効果を、MP200消費することにより、一定時間2倍にする

:この剣はMP222を消費することにより、一定時間2本になる剣の効果も同じ(この効果は反映されない)

:程よく軽くする

:壊れない

:常に最良の状態を保つ 】


 

 これで満足してくれるといいんだけど。

 朝から飲まず食わずでずっと作業してたから、もう、疲れて疲れてしょうがない。

 ウルトさんに渡すのはまた明日にして、今日はもう寝よう。


 武闘大会まであと3日。



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 おはよう。

 俺はギルマーズさんの為の剣をウルトさんに渡した。

 彼に、大会のルールも聞いておいた。実は俺、まだ大会のルール知らされてなかったんだよね。

 大会のルールは、トーナメント制で、武器は2個まで持ち込みOK。また、戦うフィールドから出たら、結果だけ残り、全てなかったことになるため、基本なんでもアリらしく、禁止スキル等もないそうだ。



朝は、俺は依頼の報酬を取りに、ギルドに向かう。


 ドアを開けると、全員がこっちを凝視している。ちょっと怖い。それからの、大歓声。



「うぉぉぉぉっ! アリムちゃんだ!」

「最速最年少のAランクだってね!」

「そんな可愛い顔して、やるじゃないのさ!」



 皆んな、Aランクに俺がなったことを知っているようだ。大方、アギトさんからの情報だろう。

 アギトさんと話をする。



「Aランク、おめでとう。アリムちゃん。Aランク以上の仕事の依頼は、王都の中心部にあるここなんかよりも、もっとでっかいギルドで受けられるぜ。でも、それ以下の仕事がしたい時はここに戻ってこいよな。……………それにしても、俺が思った通り、本当に天才だったな。アリムちゃんは」

「エヘヘヘヘェ…ありがとうございます! Aランク以下の仕事の時は、また、ここにお世話になりますね」

「あぁ。今後ともよろしくな。それと報酬だが…

追加されててな。48000ベルになってるぜ。ほらよ」

「ありがとうございます!」

「また、また、来てくれよな」

「はい!」


 

 俺は、このギルドにいる冒険者達にもみくしゃにされながら、外に出た。


 今日は残り、特にすることもない。久しぶりにゆっくり休むとしよう。

 そうだな……小麦粉で、うどんでも作るかな?

 そろそろ日本食が食べたかったんだ。

 味噌も醤油も、米もないからね。この世界。

 大豆はあるから、今度、醤油と味噌くらいは自分で作ろうかな。



 作ったうどんはとても美味しかった。

 アイテムマスターで作ったからね、道具から。

美味しいに決まっている。

 麺つゆがなかったので、急いで#魚醤__しょっつる__#を作ってなんとかした。

 今度、たこ焼きも作ろう。



 お昼ご飯食べた後、暇になってしまった。

 そうだ、防具を作ろう。武器じゃなかったらいいんだろ? よし、ステータスを上げる効果のある装備品を作ればいいんだ。

 こうして、今日の残りは[片手グローブ]を左右両方作った。

 なぜ、片手ずつか。それは両手だと2つで1つと認識されてしまうから。

 片手グローブが2つだと、ちゃんと2つって認識されるんだよね。


 完成品がこれ。もう一方も全く同じ効果だ。



【「複数合・魔物の革の能力上昇の指なし片手マジックグローブ(右)」


・状態→ 最良

・出来→ 最高

・価値→ 伝説

・材料→ ミルメコレオの皮

     エンチャント

     虹帝犬の皮

     ミスリル

    

・種類→ 複数合の魔物の片手袋

・説明

:守備力+150(50×3)

:防具としての性能を究極的に上昇させる(耐久性、守備力、3倍)

:装備者のAを驚異的に上昇させる

:装備者のCを驚異的に上昇させる

:装備者のDを驚異的に上昇させる

:装備者のwを驚異的に上昇させる

:装備者のSを超物的に上昇させる

:程よく軽くする

:壊れない

:常に最良の状態を保つ 】



 だいたい、驚異的が大体1.5倍、超物的が2倍。つまり、このグローブ2つと靴のエンチャントの効果で、俺の素早さは6倍になる。



 これで、能力の底上げは終了。もう寝よう。

 武闘大会まであと2日。つまり明後日。



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 おはよう。

 今日は大会前日ということもあり、王都中が騒がしい。

 ウルトさんは居ない。彼はSSSランカーとして、大会の準備をしにコロシアムに行った。


大会前日だが、俺は暇だぜ。動きやすくて可愛い服でも作るかな? でも、もう持ってるな、それは。

 剣の手入れも、エンチャントのお陰で必要ないしなぁ…。


 ピザでも作って食べるか。この世界の料理も美味しんだけど、やっぱり地球の料理が懐かしくなるんだよね。

 まだアナズムに来てから1ヶ月も居ないけど。

 アイスクリームも食べたいなぁ。

 作っちゃおうかな?



 うーん! おいしい!

 ピザもアイスクリームも美味しかった!

 幸せー!


 これで、一緒に食べてくれる誰かがいれば、さらに良かったのかもなぁ。

 あぁ…美花…。今、何してるんだろ。

 俺が死んで、あいつはどうしてるんだろう。


 …と、少し寂しくなると、俺ってばしおらし

くなっちゃうな。こんなんじゃいけないね。明日は武闘大会だってのに。


 それはそうと、明日は11時にコロシアムの地下に集合か。

 コロシアム内の構造はすでに分かっているから、迷う心配はないな。

 


 じゃ、今日はもう寝よう。

 おやすみ。

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