第46話 初仕事

 俺は今、王都を出て、森の中に居る。

 依頼品の薬草を探すためなのだが、採取王のスキルがあるからすぐ見つかるだろう。


 ほら見つかった。てか、生えてる場所、気っていうの? そういうのでわかるし。

 めっちゃ群生しとる。めっちゃ群生しとる。



………ん?


 なんか小さめのヘビ見たいなモンスターがいるな?4匹も。

 すぐさま殴って殺し、魔核を回収した。死骸も回収しとこ。

 Eランクのようだ。魔核はあとで、ギルドに売ろう。


 さて、薬草を回収するか。


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 う~~ん、70束くらいにはなったかな? そういえば12束でいいんだっけ?

 じゃ、半分の35束だけ納品して残り35束は俺がいただこう。さて、ギルドにもどるかな。


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 俺はギルドの戸を開けたそして、誰かがこう叫ぶ。



「あ! おかえり、アリムちゃん」



え? 誰スカ?




「へぇ、今日登録したのに、適性年齢以下でもうFランクになったんだって?」

「すごいよな!」

「応援するぜ!」

「きゃー!可愛い!」

「あぁ、本当可愛いよなー。」

「飴あげるよっ!」



 なんだ、なんだこれは……。だが、やることは1つ。ぶりっ子をする。

 俺は微笑み、少し頭を下げる。



「みなさん! よろしくお願いしますっ!」

「「「よろしくっ!」」」



 さて、アギトさんに報告するか。なんか、まだ可愛いだの強いだの天才だの聞こえるが……もっと褒めていいのよ?



「アギトさん……どうしてこんなことに?」



 その問いにアギトさんが答える。



「君がでていってすぐ、こうなったんだよ。みんな強い奴が好きなのさ。しかも可愛いときた。これから看板娘、いやそれ以上の扱いを受けるかもな。はっはっはっはっはっ! で。なんか忘れ物? まだここでて10分しかたってないぜ?」

「あ、はい! 仕事終わりました!」

「…………………え?」

「あ、ですから薬草集め終わりましたよ!」

「あ……いや……本当に?」

「はい!」

「はやっ…………とりあえず、見せて。」



俺はポーチから薬草35束を取り出し納品台に置いた。



「え……こんなに……こんな短時間で?」

「あー、たまたま群生してるとこ見つけて……」

「あ、そうなのか。それは運が良かったな。えっとーー、35束か。多いな…報酬は525ベルだ。ほらよ。」

「ありがとうございます! あ、あと魔核の買取して欲しいんですけど……。」

「ん? Fランクの魔物でも倒したか?」

「なんかヘビ見たいのでした。」

「ヘビ……Eランクのカスネークって魔物じゃねぇか。新人がよく倒せたな。試験にクリアするぐらいだし、不自然じゃないか?」

「はい! 4匹同時にでてきたんで」

「は? まさか全部倒したのか?Fランクだぜ? お前。」

「ええ、まぁ。はいこれ、魔核です。」



 俺はEランク魔核4個をポーチから出す。

 アギトさんはなんか光る石を取り出し、魔核に当て始めた。全て青色に光っている。



「驚ろいた……全部、アリムちゃんのか……。えっと1つ150ベルだ。600ベルだぜ。あと……」

「あと、なんですか?」

「ギルドカードをランクEに上げる。」

「えっ?なんでですか?」

「本当はランクアップするのに、同ランクのモンスターの魔核が規定数必要なんだが、その上の魔核は1個で前のランク10個分としてみるんだよ。」

「へぇ、そうなんですね。」

「これで晴れてランクE……………。いや、いくらなんでも早すぎる。登録して10分だぞ?適性年齢の冒険者でもこんなやつは普通いない。」



 それを聞いていたのか、酒場の方の冒険者がこう言った。



「お~い、アギトさんよぉ……みとめたらどうだ~!この娘はあれだ、才能があんだ~」

「そうよねー。もうEランクになったんでしょう?喜ばしいことじゃないのさ。確かに少し早すぎる気がしないでもないけどね。」



それを聞いてアギトさんは



「うむ、それもそうだな。いや、本当にすごいぞ?  アリムちゃん。誇っていいんだぜ?」

「あはははっ。がんばっちゃいますよっ!」

「おう!頑張れや!」



 今日はもうギルドを出ることにする。

 そこにいた冒険者さん達に挨拶して俺はギルドを後にした。

 飴とかポーションとかもらっちゃった。






 さてと、アーキンさんに会いに行こうかな?

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