第12話 前進

「………うっ」



 俺は……えっと、死んだのか?

 いや、暗くてよくは見えないけど、目をこらすと黒く大きい犬が横たわっている。俺はこの魔物に勝ったのか。正直死ぬかと思った。


 どのくらいHPとMPが回復しているか見るため、ステータスを確認した。

 ………全快になっている。

 まだ、脇腹と肩と ふくらはぎ に痛みが残っているのだけど、やはり表示は全快となっている。

 なにこれ、怖っ。


 あと、レベルも7に飛んだ。早速STPとSKPを割り振ろう。

 いままで手に入れたSTPは70で、そのうち30使ってない。30ポイントも振れるよ。

 均等に振って、一度全部10ずつにしてみるのもありか。

 いや、いつもどうりの魔法、素早さ中心にしよう。だけど、防御もあげたほうがいいよね。今日みたいなこともあるし。


 結果、俺は30ポイントをHPに6、MPに7、CとSに5、Dに4、Wに3 割り振った。


 SKPは今20ある。とりあえず、この傷を早く塞ぎたい。

俺は「癒術」に5割り振り、レベル2にしたよ。

 そして15ポイントは「水の短刀召喚術」に割り振りレベル1にした。


この割り振りが終わり、俺はすかさずヒールを自分にかけた。かけただけでは、傷の塞がりは、早いというわけではない。

 ………が、これも睡眠マジック。

眠ると回復が通常の10倍になるから、傷の治りも10倍早くなる。

初めてヒールを覚えた時に、実は少し試していたんだ。魔法と睡眠はすごい。


 あと、この大犬だけど、皮を剥ぎ取りたい。なんかに使えそう。あと、牙や骨も補充しないと。

 でも、まずは寝る!そして、今日はもう、大分寝ちゃったぶん、明日かなり早く起きよう!

 もう深夜だし、一~二時間しかねれないけど。



 …って、寝たらMP回復すんのに、先に水の短刀で作業しとけって話だよね。

 俺はそこらへんの枝を積んでフレイムボールで燃やし、灯りにした。

 そして、水の短刀を呼び出す。

 おお、なんか青い短刀のような水が出てきた。これがそうか。じゃ、早く解体しちゃおう。

 俺は大犬を解体し終わると、少し眠った。



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 おはよう。いい朝だ。

 といっても、あたりはまだ薄暗い。ウォーターボールで顔を洗い、水を飲む。


 今日は水の短刀で、骨のナイフを作ったら出発しよう。

 俺は、水の短刀を召喚し大犬の骨を一本採取する。それを削っていままでより正確なナイフを作るのだ。

暫くして、水の短刀二回分くらいの時間が過ぎた頃に俺はナイフを作り終えた。

 これだったら、解体にも、武器として使うにもなんとかなるだろう。

 では、早速出発しよう。


 ………道中、飛べないタイプの、ドードー鳥によく似た、ウサギサイズの鳥の魔物が居たから倒した。多分、鳥だから食べれるだろう。そう思い、解体し、肉を焼いて食べてみる。

 ウサギよりもよっぽど美味しい。見つけ次第狩らなくては。


 あのイタチにも会った。経験値の肥やしにしてやった。

 ………そういえば、草類全然食べてないな。でも、毒とか怖いし、人里に着いて、植物図鑑とか手に入れるまでは、相当飢えない限り、食べないようにしよう。

 あと、いい加減 調味料が欲しい。


 今日は1日とにかく歩くと決めている。

 ひたすらまっすぐ行けば、そのうちどこかに着くはずだからだ。この日は特に大きな事柄はなく、進んだだけで1日が終わった。




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 さらに次の日、この世界に来てから4日目。

 昨日のようにウォーターボールで準備を整え、まっすぐにひたすら歩いていた。


 道中、ウサギが3匹同時に現れることもあったが、Lvが8に上がったくらいで大事はなし。

 ウサギの肉は昨日、鳥以外食料が手に入らなかったことを懸念して、少しとっとくことにした。

 ポケットに入れたり、大犬の皮のように担ぎたくないので手で持っている。

 ウサギ以外にはやはり魔物が現れたりもせず、別にこの日も大きなことはなかった。

 途中までは。


 昼ごはんにウサギを食べたあとさらにまっすぐ歩く。

 その地点から体感で、10分くらい進んだ先に、その場所はあった。

 

 その場所は真ん中のそれを避けるように、木が一定の範囲で生えておらず、ちょっとした広場のようになっている。

 真ん中にあるその、地面に空いてる大きめの穴が異常な存在感を出していた。

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