第11話 VS.大きな犬の魔物
俺は非常に驚いた。なんだ?あの犬。デケェ。超デケェ。動物園のライオンぐらいの大きさあるぞ………。いや、ネコ科じゃないけど。
…勝てるか? あれに…。
無理に戦わなくてもいいんだよな? でもどうする? 経験値うまいぞ~、多分。
今は少しでもレベル上げがしたい。
…倒すか。よし、倒そう。
俺はまず、射程ギリギリのところから、小さい方3匹を処理するためウォーターボールをLvMAXで4つ放つ。もう1つは大犬にあてるため。
ウォーターボールがレベルMAXになっているおかげか、小さい方は全部倒せた。今、レベルが5に上がった。
ポイント割り振りはあとあと。
ウォーターボールを当てたから、向こうもこちらに気づいている。うわ、ウォーターボールで倒せるのか?こいつ?
いままで対峙してきたどの魔物よりも強いのは、たしか。
「グルルルルルルルルルルルルルゥ」
大犬はあからさまに俺に敵意を向けているな。正直怖い。
「ワオーーーン!」
大犬はそう吠えた刹那、こちらに突進してきた。
かなり早い。
牽制で、ウォーターボールLv2を撃つが、かわされてしまった。
そのままの勢いで、奴は噛みつこうとしている。だが、少し距離をとり、かわすことに成功した。
相手がまた再度、突っ込んでくる。また噛みつく気だな? んなもん受けるか。
かわしt……
______________え? 木?
_______しまった!気づかなかっt
ガブウゥゥゥ!
「グ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ッーーーー!!」
脇腹に感じる、物凄い痛み。ヤベぇよ…。いてぇよ…。
くそっ…周りをよく見てなかったっ……!
大犬は手応えがあり、自分が優勢だと悟ったのか、余裕だと言わんばかりの目をしている。
……何か、何か無いか?このままではやられてしまう。考えないと、考えないと!
………そうだ。
レベルが5に上がったんじゃねえか。じゃあ、あれを解放できる。
水術・改、そのレベル1をっ………!!
俺は相手が余裕ぶっているあいだに、SKP10を急いで水術・改に振った。前回2ポイントふってるから、今回で12ポイント。
俺は新しい魔法を覚えた。
余裕ぶるのをやめ、トドメをささんとばかりにその犬は助走をつけて、こちらに突進してきた。
その覚えたての魔法を俺は発動させる。
「ウォーターエミッション!」
目の前、正確には指定した場所に魔法陣が展開され、それと同時にそのすごい量の水が勢いよく大犬に放射される。
ズシャーーーーーッ!!!!
勢いよく向かってきた犬は反対方向に吹き飛んだ。
「…やった…か?」
いや、まだ。
「グァ……グルルルルル……」
まだ生きている。ウォーターエミッションは打ててあとギリギリ2発。
「グォォォォォォォォッ!」
奴は吠えた。目がマジだよ…。あと2発でいけるか?
相手はまた突進しようとしている。
俺はもう一度、ウォーターエミッションを撃つ。
魔法陣が指定した場所、奴の腹下にあらわれた。
見事、水流ヒットし、一瞬、水流で持ち上がる。
きいてはいるようだがまだ倒れない。
今度は爪でひっかくように攻撃してきた。かわすのに失敗し、ふくらはぎに喰らってしまった。
「………っ!!」
今はもう、痛みで歩くことも十分にはできないだろう。ということは逃げることもできない。
倒すしかない。
俺は最期のつもりでもう一度ウォーターエミッションを撃った。
今度の指定場所は相手の頭上、ハンマーのように水流を叩きつけてやる。
ズシャーーーーーッ!
狙ったどうりの場所にヒットした。
おれの中ではこれで勝ちたかった。
「グゥ…………グァァ……」
奴は、まだ立ち上がる。
俺のMPは撃てる分だけは、まうない。こうなったら、接近戦をするしかない。
おれは、痛む足を引きづりながら、相手に近づく。相手も、フラフラになりながら俺に近づく。
骨ナイフをポケットから探して_____________
大犬の脇腹を刺した。
と、同時に肩を噛みつかれた。俺はそこで意識を失う。
レベルアップの温かい感覚に包まれて_______
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