第7話 生きていくために
とりあえず、ナイフみたいなのがないと始まらない。
旧石器時代よろしく、打製石器でも作ればいいのかもしれないけれど、石を打って形づくるってこと以外は作り方がよくわからない。
だから、2匹の齧歯類の骨を削って何か作ることにした。
まず、イタチとウサギから前歯を引っこ抜いた。そしてウサギの歯でイタチの尖っている歯削って、さらに尖らせる。そのイタチの歯を使い、ウサギの腹を開けた。
やっぱり時間がかなりかかっちゃった。
俺は肉の解体方法や食べれる部位などは詳しく知らない。だから、なんか食べれそうなところだけを削ぎ落とす、というよりかは引き千切ったりした。
そうこうして肉を入手した。この肉は後でいただこう。
肉を削ぎとっていくと、ウサギの大きな骨が見えてくる。やっぱり、骨のサイズもかなりでかい。どこの部位の骨かはわからないけども。
その骨をなんとかして根元から折り、手にいれることに成功した。
………手が血だらけで、物凄く獣臭い。
ウォーターボールを手のひらに作り、それで手と採取した骨を洗った。それでも手が獣臭い……。
仕方ないだろう。
骨を石や歯で削ろうと思ったけど、辺りはすでに夕暮れ。
だから、そこらへんの枝や落ち葉を集め、記憶の片隅に残っている焚き火の作り方どうりに、石と枝を組み合わせて、フレイムボールで火をつけた。
ぐぅ~
……………そういえばこの世界に来てから何も食べていないや。怒涛のような1日だったし、仕方がなよね。
手頃な枝にウサギの肉を刺し、焼いて食べた。正直、くそまずい。血抜きを忘れていたし、獣臭い。ただ、これしか今のところ、食物はないので我慢するしかない。
ちなみにウサギとイタチの残りの死骸は歩いて30秒くらいのところに置いてきた。腐ってハエが来ても困るし。
いや、この世界にハエがいるかはわからないけどさ。
そういえば、体に先ほどから違和感を覚える。肉を食べた始めたころからだろうか?
こう、体調不良とかではなく、なんとなくホッとするような、悪くはない違和感。
………そう、レベルアップした時と似た感覚。
俺はすかさずステータスを確認した。
【SK2、「解体★」を習得しました】
なんか文が浮かび上がってきた。
成る程、あの感覚は新スキルが増えた時の感覚なのか。覚えとこう。
ちゃんと、SK2の欄に「解体★」が増えている。詳しく見てみた。
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解体
★ SKP:0/30
Lv1: SKP-3
Lv2: SKP-7
Lv3: SKP-12
Lv4: SKP-15
Lv5: SKP-22
Lv6: SKP-30
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………今、丁度SKPは3残っている。俺は解体に3振り、レベル1を習得した。
こう……なんだろうか……?
今だったらうまく解体できる気がする………。
スキルがあるとないとじゃ、こんなに違うもんなのかな?
……さっきのウサギ、まだ取れるところ沢山あったな……。
勿体無いことした。勿体無いお化けでないかな?
その後、採取した骨でナイフを作ることに努め、妥協できる形にまでしたら、木によりかかって、眠りについた………。
こうして、俺のアナズムでの生活、1日目が終わった。
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