第6話 アリム、考える

 せっかくレベルが上がったから、STPとSKPを割り振りたい。


 実は、SKPの割り振りはもう決めている。火術、水術、風術、土術、癒術を1段階上げる。

 火~土術にはそれぞれ3p、癒術には5p割り振りレベル1にすることができた。

 なぜ、この五つにしたかというと、四種属性は合成に使いやすいと考えたから。癒術は回復技が欲しかったからだな。


 こうして俺は「フレイムボール」「ウォーターボール」 「ウインドボール」「ランドボール」という手から球を打ち出す攻撃魔法と、「ヒール」という回復魔法を覚えた。

 しかも、ウォーターボールとフレイムボールは飛距離を調節すれば生活に役立つというのが嬉しい。

 さて、STPはどうするべきか。よく考えなくっちゃ…………。

 さっぱりだ。どう振ればいい?

 本当は、ゲームだったらレベルが低いうちはDやHPに振るべきなんだろうけど、これは現実なんだ。まぁ、ゲームっぽさは否めないけどもさ。

 Sだと回避とか攻撃速度とかも上がるんだろうなぁ…。かと言ってCも捨てることはできない。魔法を覚えたからMPやWと上げたい。


 かなり考えさせられるな………。レベルが上がるたんびにこんなに悩むのかな?

 それは辛いなー



___________ガサガサガサッ!______




 また、なんか茂みからでてきたぞ。本当、唐突だよね。


 ……こんどはイタチ?

 大きさは普通のイタチより少し大きいぐらいだけど、前歯が長めで鋭い。2連で齧歯類なのな。

 悪いね。今、考えごとしてんだ。あっちいっててよ。


 そう考えてる間に、イタチはヤル気なのか、でてきた時より目を鋭くし、前歯をさらに剥き出した。

 俺はすぐさまウインドボールを唱える、しかさ、かわされてしまった。

 …ウゼェ。

 さっきの兎と比べて素早さが高い。イタチはそのまま俺に向かってきて、噛みついてきた。



「いっ…!?」



 めっちゃ痛い。俺は近づいてきたイタチ野郎を蹴飛ばそうとしたけど、またかわされた。ウゼェ、超ウゼェ。

 

 こうなったらS上げてやる。俺はSを5上げた。


 奴はまた噛み付いてきた、今度はかわすことができた。それでもギリギリなんだけど。そのまま俺はイタチを蹴った。



「グゲッ!」



 相当ダメージが入ったみたいだが、一撃では倒せなかったみたい。俺はAを3上げた。


 イタチが、また噛み付いてくる前に倒したいので、追撃をした。確かに、イタチに蹴りが当たり倒すことができた。

 だが、同時に足を噛まれた。やりおる。


 ………ほぼ、勢いでSTPを振ってしまった。

 しょうがない、このままSTPを振りきってしまおう。


 ………そういえば、これから道具とか作らないと。そう考えるとCは多めに上げた方がいいかも。俺はCに5振った。

 残り7pは、HPに1、Dに1、MPに2、Wに3振った。まぁ、なかなか良さげな配分だとは思っている。


 ところで、2匹敵を倒したわけなんだけど、ドロップアイテムとかないの?

 そう思い、イタチとウサギを見てみると、体から魂が抜け出すみたいな感じをかもしだした、薄紫色の玉が空中停止していた。

 それだけでビックリなのだけど、なんと、この玉に触れたのだ。なるほど、これがドロップアイテムか。

 見た目が違う2匹から同じものがでてきたということは、ゲームでいう金をドロップしたようなものなのか。じゃ、これは金か? まぁ、それはそのうちわかるか。


 で、死体だけど………有効活用させてもらおうよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る