第1021話 神樹国一同
<5/13追記 : 本日の投稿は体調不良のためお休みします。申し訳ありません>
お昼時。神樹国を代表してきた人達のみならず、他のお城に泊まっていたいろんな国の代表さんに地球の料理をご馳走した。やっぱり気が変わって天ぷらをはじめとした和食だけでなく、洋食や中華も作ってみたんだ。
アイテムマスターというアイテムを司るスキルを持ってる俺が作った料理だからか、または世間で美少女と呼ばれてるアリムが作ったからかわかんないけどみんなえらく喜んでくれた。ミカの見た限りではみんな後者で喜んでたらしいけど。ちなみに特に人気だった料理は目論見通り天ぷら、あとは餃子……トンカツかな。脂分多めの割とがっつりしたのが好評だった。
お城からお屋敷に帰ってから、俺はカナタ達にクルーセルって人を知らないかどうか聞いてみた。するとカナタとサクラちゃんから「はじめに剣術を指南してくれて人」だって言われたの。アナザレベルに誘拐された可能性があることを話したらえらく驚いてた。
サクラちゃんの話によると、クルーセルって人とカナタの性格はまあ合わなかったらしい。なんでも、クルーセルって人は超努力主義者で、天才であるカナタとは噛み合わなかったそうな。そんなことお兄ちゃん初めて聞いたよ。
そしてやっぱりというか、色々あってカナタはクルーセルって人を打ち負かしたらしい。……カナタが天才であるがゆえに、いままで努力してきた人達を軽く超えてしまうことは多々あったけどやっぱりこっちでもそういうこと起こったんだね。
……と、ここまでが昨日の話。今日はクルーセルって人のことを詳しく聞きたいのに加えて久しぶりにトールさんやヘイムダルさんに会いたいってのもあって今日は魔神二柱だけでなくカナタとサクラちゃんとショーとリルちゃんもお城に連れて行くことにしたの。そして今、四人を神樹国からきた人達に合わせたんだ。
「久しぶりじゃないかジョー! ナカタ! サクラ!」
「翔です」
「ははは……」
「私だけ間違えてない……」
「これ、狼族の……」
「わふん、リルだよ!」
「そう、そうじゃった。アリムから聞いたのじゃがお主、アナズムからチキューに行った唯一の人間らしいな。どれ、どんな感じか聞かせてくれんか」
おお、想い想いに話してる。昨日はスルトルに関してと料理の感想以外であまり話しかけてこなかった神樹国の付いてきた人達もカナタ達には積極的に話しかけようとしてるみたいだ。というか、この人達結構神樹国では偉い人達らしい。自己紹介してこなかったからわからなかったよ。まだ敵対意識とかあるのかもね。むー、俺の可愛さが通じないくらいの敵対意識だとすると色々難しいぞ。……なんてね。
「しっかしみんな元気そうで何よりだぜ」
「そちらこそ。ただクルーセルさんが……」
「ああアリムンから聞いたのか。相手が相手、もし本当に誘拐なら無事じゃないだろうな。こっち来てから見つかったって報告も来てないし」
「賢者達の力で見つけられないのか?」
「無理ですよ、どうにも探知できない場所に敵はいるらしいので」
「厄介だな……」
カナタ達はクルーセルって人について話し始めた。話してる最中にちらりと耳に入った内容によれば、その人はSSランクの実力を持っているらしい。もし操られて敵対してきたとしたら、小さな町くらい一人で滅ぼせちゃうだろう。俺の周りはSSSランクばっかりで忘れがちだけど、SSランクでもそのくらいの実力はある。そう考えると、本気で一定の強い人を誘拐されるのは避けた方がいいよね。誘拐されてるだろう人のリストアップも早くしなきゃな。
一方でリルちゃんはヘイムダルさんとチキューがどんなところかアナズム人目線で話してるみたいだ。
「ほぉ、興味深い。獣耳と尻尾は消えるのか」
「わふん。向こうには獣人や魔族はいないし魔法とスキルもないんだ」
「ふーむ、行ってみたいのぉ」
「わふ、それは難しいかな……」
「そうか……」
そういえばリルちゃんってこっちでは王様ぐらいの地位を持ってる人相手じゃなかったら敬語じゃないんだ。元々そういう種族なのは知ってたけど、地球じゃ最近わりと普通に敬語使うから忘れてたよ。ちゃんと文化の違いに合わせて使い分けてるのはリルちゃんらしい。あ、みんなにいつ魔神とお話しするか聞いておこう。
「お話中すいませんみなさん、何時頃に魔神スルトルと魔神シヴァとお話しします?」
「お? そうだな。じゃあ一時間後くらいにするか」
「それがええじゃろ」
「……おいショウユ、顔が怖いぜ?」
「仕方あるまいて」
この人たちはやっぱりショーが目の前でスルトルにリルちゃんを燃やされたこと、把握してるんだね。……そのうち俺もショーにことわって記憶を映像として見せてもらう必要があるかな。親友のトラウマは共有しておかなくちゃって気がする。今更かよって話にはなるけど。
だって俺たちはリルちゃんが燃やされたってことしか知らないから、スルトルを警戒はしてるけどショーほど恨んではいないんだもの。きっと知っちゃったら、今まで通りあの魔神とは話せなくなるんだろうね。だから平和になった後がいいのかな。
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