祝話 感謝を込めた物語

大事な話があるでござる。

もしこの話を読まずとも、最後の後書きは見ていって欲しいでござる。


#####





「すごいよ! 千話に到達したんだって!」

「……なにが?」

「さぁ。でも手紙にそう書いてるから」



 どこからともなく矢が飛んできて、それに括り付けられていた手紙に「千話に到達したので何かお祝いしてほしいでござる」と書かれていた。ござる口調で覚えがあるのはショーの腕を切った敵しかいないんなんだけど、その人からかしらん。

 とりあえずなんだかお祝いしなくちゃいけないっていう気がしてくるの。



「それでお祝いってなにすればいいかな?」

「私と有夢がイチャイチャすれば私は喜ぶよ」

「いつもやってるからお祝いにはならないね。うーん……」



 手紙の下の方には、この千話の間にやってきたらしいお祝いごとが連ねてある。どうやらいままで要所要所でなにかしらをしてきたみたいだ。これらと被らないようにしなくてはならない。



「じゃあさ! 私と有夢の過去のお話なんかは? まだ幼馴染止まりだった時に、突然押し倒されたりしてドキドキしたことだってあるんだから! それを話してもいいのよ?」

「それ押し倒したんじゃなくて……でもたしかに覚えはあるしなぁ」



 そう話し合っていると手紙が生き物のようにプルプル震えだしたので何事かと目を移すと新しい文字が追加されていた。これあとで文字が追加されたりするんだ。なんかこわいね。



「あー、それダメだって」

「なんで?」

「二巻で使ってるってさ」

「……? なんのこと?」

「わかんないよ、俺たちに通じるように書いてくれてないんだもんこの手紙」



 まったくもって意味不明だよ。でもなにかお祝いしなきゃって気分にはやっぱりなるんだ。もしかしたらこの紙自体がなにかしらのアイテムで、そういう効果を持ってるんじゃないかと思う。



「でもほら、私と有夢が二歳に出会ってからの十四年間、思い出は毎日分あるでしょ? 昔の話をするっていうのはお祝いにならないの?」

「そもそも俺たち二人の思い出を話して誰が喜ぶの?」

「でもなんとなくそんな感じがするのよね」



 ふーむ……それも悪くないかもだけどな。二人だけの意見じゃ弱いかもしれないし、何人かに協力をお願いしよう。そういうわけで叶の桜ちゃんと翔とリルちゃんを呼んできた。



「わふわふ、なるほど」

「まあ何が何だかわかんねーけどな……やりたいことはわかったぜ」

「話を聞く限りじゃ俺と桜や翔さんリルさんの話でもいいんじゃないのかな」

「……あ! むしろ私とお姉ちゃんがどれだけ仲がいいか見せるっていうのは」

「わふ!? それなら私とショーが普段どんな付き合い方をしてるか何時間に渡って話してもいいんだよ?」



 ふーむ、なおさらまとまらなくなった。こういう時カナタに任せればうまいこと進むはずだ。



「カナタの意見を聞こうね! どうすればいいと思う?」

「桜がどれだけ可愛いか科学的根拠に基づいて説明したものを400字詰め原稿用紙1000枚以内に書こう」

「手遅れだったか」



 それならここは、俺たちのことを幼少の頃からストーキング……じゃなくて見守ってくれていたシヴァに意見を聞こう。みんなを引き連れて魔神達を安置してある部屋へ向かった。そしてシヴァを起動し、説明をする。



「なるほど、だいたいわかった」

「で、いい案ない?」

「私にとってもお前達が仲睦まじくしている話は需要があるからな。全員分じっくりきかせてくれ。一日ごと全て! そのお祝いとやらもそれでいいだろう」

「そんなことしてる時間はないよ……」

「そもそもなぜあゆちゃん達が考えなければならない?」

「なんかやらなきゃいけない気がするんだ。それもとびっきりの感謝を込めてさ」

「ふーむ……」



 あ、シヴァも考え込んじゃった。仕方ない、いままでやったことリストの中から良さそうなのを選んでそれをやるか。例えば……なにこれ、俺が無数の蟻になってミカを囲む? マッチ売りの少女を装う? んー、あんまりピンとこないな……。



「そういえば今、感謝しなきゃならないと言ったな? 誰に感謝するんだ?」

「それはもちろん、俺たちをいつも見守ってくれてる人たち……」

「つまり私達三魔神や、親のことか?」

「い、いやお父さんとお母さんには感謝してるけど、また別の誰かのような……? あ、魔神はぜーったいにないよ」

「そ……そうか。そのだな、もし感謝の気持ちがあるならば感謝したい対象自身に決めて貰えばいいんじゃないか?」



 なるほど、確かにそうだ。俺ってばカナタへのお誕生日プレゼントとかもなにが欲しいか聞くタイプなのにね、すっかり忘れてたよ。

 というわけでみんなともう一度相談して、シヴァの意見にすることにした。手紙に再び新しいと字が浮かんできて「決まったら紙を送り返して欲しいでござる」と書いてあったので、おそらく飛ばされてきたであろう方向をカナタが計算してからミカの弓で飛ばした。

 さて、これからたっぷりお祝いしていこうね!



#####


というわけで、リクエスト企画でござる。

少し前に近況報告でリクエスト企画をしたでござるが、それは今回の練習といったものだったのでござる!!

1000話記念、リクエスト企画の内容は……。


好きなキャラ×好きなキャラ


の話を書くというものでござる!!

例えば有夢×美花、叶×桜、翔×リルという定番も良いでござるし、成上家父×曲木家父、ウルト×ラハンドなどなど、あまり見ないキャラ同士でもオーケー!!

また、「有夢×美花 二人が中学二年生頃の話が見たい」「翔×リル 二人が無人島に流されてしまった場合の掛け合いが見たい」などという注文も引き受けるでござるよ!



リクエストの受け付けは、Levelmakerのコメント(小説家になろう、カクヨム双方)、近況報告(なろう、カクヨム双方)、拙者のツイッターにて行うでござる!(@Ss_s_Novellistと冒頭につけてツイート、あるいはDM)



募集話数は……10話分!

10話分のリクエストを受け入れるでござるよ! もし定数以上ならばその中から拙者が書きたいものを優先し、定数以下ならば残り全部(有夢×美花、叶×桜、翔×リル)のどれかになるでござる。

それではよろしくお願いしますでござる!


受付締め切りはLevelmaker発売日先日の、4/9正午まで!!

どうかよろしくれてお願いしますでござるよ!


……それはともかくなんと、この話自体が閑話合わせて1111話目でござるな!?

驚きでござるよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る