閑話 将来のためのチャレンジ (桜)



昨日は投稿お休みしてしまって申し訳ございません。

書いていたものが消えてしまい、心が折られたのです……。


#####




「かにゃた……ぎゅってして?」

「うん……! ぐっ……」



 叶は私を正面からしっかりと抱きしめてくれる。でも顔が苦しそうな感じ。3秒くらい経てばいつも通りの優しい顔になるけど、その3秒の間は耐えてるの、鼻血を。

 なんか落雷がすごかったっていう印象がいちばんの、地球での一週間のその間、毎日、私は普段抱きついてる回数よりさらに3割り増しで抱きついていた。最初の3日間は度々鼻血を出したけど、4日目からは耐え切れるようになった。

 本音を言えば、叶をより感じとれるし……毎日胸を押し付けるように抱きつきたかったけれど、それは私自身恥もずかしいから一日一回が限度だった。


 でも胸を押しつけるだなんてことせずとも叶にとってはかなり効果があったと思う。なんと驚くべきことに、リルちゃんに教えてもらったバストアップのマッサージを続けていたら私もカップ数が1段階上がっていた。

 Eカップ……2年と数ヶ月離れてるけど、お姉ちゃんとカップ数が並んだことになる。別に大きくしたかったわけじゃないけど、なんだかちょっと嬉しい。

 しかしリルちゃん曰く、中学生の真ん中にしては大きすぎるから男子から注目されること間違いなしだから、気をつけて……だって。ただでさえ眼鏡を外してから騒がしいのに、今よりさらに……?

 ほんと、こういうことに関しては少し憂鬱になる。


 でもまあ……何かありそうなら、かにゃたが守ってくれるし……えへへ、心配はないんだけど。

 要するに、胸が大きくなったことによって強く抱きつかなくても以前より感じ取られてるはずなの。



「よかった、耐えれた。となると、今日の課題はこのまま一緒に眠れるかどうかだな」

「前の週は一定時間に一度鼻血出してたもんね」



 アナズムでの私の安眠は叶に掛かってるから二週間じっくりかけて元に戻していきたいところ。もう叶無しじゃいられない体になっちゃってるの。



「さて、そろそろハグも終わろうね」

「うん……」

「キスもしようか」

「うん!」


 

 ハグから派生でキス。えへへ、しあわせ。

 もちろんディープキスだった。



「ぷぅ。とりあえずこんなものかな」

「だいすきー!」

「ぐっ! ……ふぅ、お、俺もだよ」



 感情が高まっちゃって断りなく抱きついてしまった。かなり強く。もちろん叶は鼻血を耐える。

 今はこのままで幸せだけど、やっぱりそろそろ私自身に慣れさせるための計画を考えたほうがいいわね。



「じゃあ、俺は少しやりたいことがあるから」

「筋トレでしょ」

「まあそうなんだけど」



 都合がいい、この間に現時点でできる叶に私の耐性をつけさせるための次のステップを考えてしまおう。

 地球で頑張って矯正して感じたことは、本気で頑張らないと……約束の時にやっぱりまともに、お、お姉ちゃんとあゆにぃが夜にしてることができないっていうこと。


 本当にそろそろ私も自分の体を使うことに対して大好きな人に関しては痴女的にならなきゃいけない。お姉ちゃんのように。

 とは言ってもどうしようかな。


 まずは前からも案が出てた、下着姿を定期的に見せるというもの。でもこれは私の心の準備がまだ。水着シーズンになったらならしていこう。

 だから、このあいだの旅行の時みたいに素の胸をさらけ出すというのは…命に関わっちゃうんじゃないかっていう緊急事態じゃない限り絶対無理。


 あとは、身体のラインが見てわかるようなぴっちりとした服を着るとか? 

 お菓子ばかり食べてる私だけど、身体には実は自信がある。お姉ちゃんもお母さんも、特にダイエットせず、さらに胸も大きいのに完璧な体型を体質だけで保ってる。あ、一応お父さんも。

 それで、お姉ちゃん曰く私もそうらしいし、実際どれだけ食べても体重は増えてない。つまり裸になったり素肌を無駄に出したりせずとも、ぴっちりの服を着れば十分なんじゃないかと……。

 それだと私も恥ずかしくないし良いんだけど、日常的に着れるぴっちりの服が思い浮かばない。わざとワンサイズ小さいものを着るのはかっこ悪いし……断念するしかないわね。


 となると……やはり胸を押し付けるのが次の段階ね。

 触ってもらうのはまだ叶が無理そうだし。次の次ってことで…。

 押し付けるって言っても、そんな言い方せずに、大好きな人を抱きしめてるだけだと言い換えれば私的にはギリギリセーフ。

 そうだ、あとは抱きしめる箇所を変えてみたりしたらどうだろう。

 いつもは腕か、私の胸と叶の胸部同士。あと背中。

 こ、これを……かにゃたの頭を胸に埋めるようにしてみるとか……。で、できるかな。でも、今までしてきたことを叶の頭にするだけだし……頑張ればなんとかなりそう。よし、これでいこう!



「ね、ねぇかにゃた!」

「んー?」

「ごめん……今日甘えたい日なの……も、もう一回抱きついても良い? 筋トレ中ごめんね?」

「ふふふー、仕方ないなぁ。桜優先だからいいよ、全然」

「じゃあ……この間、漫画で見たちょっと変わったハグをしたいからこっちきて」

「………?」



 叶をいつも寝ているベッドの上に腰掛けさせた。私はその膝の上に座る。叶のお膝の上に座っちゃった……えへへ。

 でもこれだけじゃ頭に胸は届かない。案外身長差開いてきたなぁ……。仕方ないから少し騙す必要がある。ごめん叶。



「ぎゅっ……」

「あ、ああ。……んん!?」



 抱きつくと見せかけて立ち膝をし、叶の頭を胸に埋めさせた。あ……は、恥ずかしいけど悪くないかもこれ……大好きな人の息遣いが心臓付近に響く……。一方で叶は全く声を上げない。

 でも構わない、感局極まってつい言葉が漏れてしまう。



「かにゃた……大好き!」

「ねぇ桜。俺も大好きだけどちょっと離れてくれるかな?」

「うん……」



 やっと口を開いたと思ったらそう言われた。

 7秒しか抱きつかなかった……そう思いながら離れた次の瞬間。



「ぐふぅぅぅぅぅぅぅ」

「か……かか……かにゃたああああああ!」



 どうやらダメだったみたい。つまり……これは次の段階として使えるわね。私的にも1日に1回もできるかどうか怪しいけど。

 でもいつか……お互い生まれた姿のままで今のをできたらいいな……なんて。

 よし、これからも頑張って叶を慣らさせて行こう。恥ずかしいけど、円満な夫婦生活のために!

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る