第743話 美花が男で有夢が女で
「ふーーむ……」
「どしたの?」
ミカミ、何か納得がいかない感じだ。
「いや、ついてたんだけどさ」
「うん?」
「ちょっとアムリタくれよ。 男のまま元の年齢になってくる。あと、有夢も年齢戻しておいて。男のままでいいから」
「わ、わかったよ」
アムリタを渡すと、ありがとうと言いながらまたトイレに行ってしまった。言われた通りに地球での姿に戻っておく。
割りとすぐにミカミが戻ってきた。
上半身は裸で。
……わかってたけど胸がない。すごくがっかりした気分。でも、腹筋が軽くあってカッコいいかも。
年齢は今は17歳か。カッコ良さが増してるな。
「うーん」
「で、どしたの?」
「……男の人の象徴が、有夢の方が大きい」
「へー、それで?」
「いや、なんか悔しいなーって。見た目的にはほら、俺の方が男っぽいわけじゃん? ほんとは女だけど」
「あ、うん。まあね」
「でもなぁ…トズマホで調べた限り俺も平均よりは……。ということは有夢って結構……」
なんかよくわかんないこと気にしてるなぁ。
そんなこと気にしなくていい気がするんだけど、極端じゃなきゃ。
「別に良くない?」
「まあ、俺も本当は女だし気にする必要ないか。あ、そうだ! ねえ有夢、ちょっと上脱いでみてくんない?」
「はぁ…?」
「ほら、あの逸話だよ。男子更衣室で脱いだだけでほぼ全員鼻血が出たって。感覚は完全に男になってるからさ、見てみたくって」
「仕方ないなー」
俺も今のミカミと同じように、服とシャツを脱いで上半身裸になった。まあ男だから恥ずかしさとかは一切ないんだけど。
「……ははは、流石になんともな……あれ?」
ミカミは鼻から血を出していた。
ただことではないみたいだ。
「鼻血が出る…す、すごい!」
「なんで鼻血出るの?」
「いや…なんか、みちゃいけないものを特別に見れた幸福感というか、そんなのが襲ってきた! へぇ…なるほど、有夢の裸体をみて、みんなこんな感じになってたんだ。てことは慣れきってるって言ってる翔は、それがほんとならすごいわ」
ミカミは近くにあったティッシュで自分の鼻を詰めた。
こんなだらしない事をしてイケメンだ。ああ、ちなみに美花のままだと鼻血が出て鼻栓してても美少女だよ。
「みちゃいけないものねぇ……」
「これ、アリムの裸なんてみたらどうなるんだろ」
「わかんないよ」
まあ、まだ俺はアリムの時に同性以外に裸を見られたことはないから安心していいかな。
「で、これからどうするの?」
「せっかく男になったしそれっぽい服を着てみたくはあるけど……そうだな、やはり先ずは、約束を果たしてもらおうかなー」
「うん、わかった」
___
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アリムになった。
……もう心も完全にアリムにしてしまう事にした。少しでも男の人の心を残すと、男同士で寝る事に。……あれ、でもミカミは美花だから……ええい、めんどくさい。
そんなの、不安だからでいいんだよ!
年齢は17歳。
ボクでこの年齢になるのは初めてだね。
「すっごい可愛い……冗談抜きに」
「えへへ、ありがと。……鏡見てみていい?」
ボクは一旦服を脱いで鏡を見た。
目の前にいたのは、有夢…じゃない、ボク。
髪の毛はショートカットから短めのショートボブになってる。顔は元からあまり変わってないかな。
どれ、おっぱいは……おお、ある!
少なくともAやBなんかじゃない!
お尻や太ももも、なかなか年齢通りの魅惑バディ。満足満足。まあ、美花ほどスタイル良くないけど。
あのボン・キュ・キュは天性のものだからねぇ。
まあこの屋敷の、ボクを除いた女子はみんなそんな体型らしいけど。
まあとにかく、揉んでみて不満足ってことはないんじゃないかな。胸を揉んだ時の喜びはボクもよーく知ってるからね、美花のおかげで。
だからアムリタを使って年齢まで増やしたんだから。
服を着直す…前にちょっと考えよう。
美花はいつもエッチする時、大人な下着を着ることがある。なかなかいいものだ。
ならボクも同じような趣旨のものを履かなきゃね。
なんだかスースーするけどこれでいいだろう。
……初めての時、我慢はしてたけど美花は痛そうにしていた。それだけが本当に怖いけど、いざ出陣。
「ごめんね、確認してきたよ」
「大丈夫、そんなに待ってないよ」
……完全な女目線から見たミカミは魅力の塊でしかない。ショーとはまずイケメンの種類が違うけど、ミカミの方はやばいね。光源氏ってこんな感じだったんじゃないのかとすら思えてくる。
「もう完全に元男だとは思えないね。……ねぇ、なんかいつものアリムと違う?」
「ああ、いつもはね多少は男の気持ち残してるの。でないと不便なことってかなりあるから。でも今のボクは100%女の子さ!」
「へー、そんなことできるんだ!」
「まあ仕事で日常的に使ってるからね。仕方ないね。でも完全に男になってしまうくらいのことは今のミカミでもできるよっ!」
「どうやってやるの?」
「それはね…」
結構瞑想に近いけどやり方を教えた。
すると口調からだいぶ女性っぽさが消える。
……こっ…これで、完全に男女になったわけだねっ…。
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一年近く前からやりたかったネタなんですけどねぇ……。
うわぁ、カオス。
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