第610.5話 部屋に集まった後 (翔)
「夜ご飯が楽しみだね!」
「ああ、そうだな」
部屋に集まったあと俺とリルは自室に戻ってきた。しかし……イイコトってなんだ?
叶君が言ってたことはとてもきになるが、今はそっちが頭が離れない。それに、大会で勝つたびにご褒美……。
思わず唾でも飲んじまいそうだぜ。
「お昼ごはんはおのおので良かったんだよね?」
「そのはずだ」
「じゃ、楽しみにしててね」
「ああ」
俺とリルはアナズムでもこちらでもほぼ毎日一緒に居る。というか、知り合ってから毎日ずっと一緒にいる。
もうそろそろ俺自身も慣れ始めただろうが、リルの身体を何度見ても見飽きたりしないのは男の性だろう。うん、俺はやましくないぞ。色々と期待したりしても変態ではないんだからな。
「じゃあまずはショーをマッサージしよう!」
「悪いな」
俺は半裸になってベッドに寝かせられる。
リルの整体は熟練のプロ並みだ。気がついたらそうなっていた。いつの間に覚えたんだか……今訊いてみるか。
「んなぁ…リルゥ…」
「んー? なんだい、ショー」
「いつの間にぃ…ふぁ…こんなに整体が上手くなったんだァ?」
「わふ、ショーが機械相手に柔道の練習してる間にだよ。スポーツマンなショーのためにできることは何かなって考えた時にこれが思いついたんだ。なんかスキルも手に入れたしね」
「そっかぁ」
リルはいつも俺のため、俺のためと…。
いい嫁だ。こんなにいい嫁そうそういないだろ。まだ正確には嫁じゃねーけど…。リルはその気らしいし…早めに結婚しちまいたいな。警察のキャリア組になるための大学院でてからだな……うん。
いや、それにしても…。
「わふん、何度触っても凄い筋肉だね。惚れ惚れするよ」
「あ、ありがとよ」
リルが俺の腕をぐいぐいとマッサージしてんだが……肩らへんを抑える時に大きくて張りが良くて柔らかい感覚が…。まさかこれがいいことか!? ありがとうございます。
「わふ、そろそろ整体終わるよ」
「んと、まじすっげーわ。ありがとな!」
「わふふ、いくらでもやってあげるよぉ」
しばらくして終わりに近づいた。およそ3時間も休まずに、なんと針・灸までやってきやがった。さすがにびっくりしたぞ。
しかしそれよりも、脚をマッサージしてる時とかにも感じた柔らかさや、乗っかられてる時に感じた脚の滑らかさは格別……あー、もう、今日の俺はなんなんだ。
あの話が忘れられねーってのか?
今のがどう考えもいいことだろうがよ、3時間もつきっきりで処方してくれたんだから。
「あっ、そろそろお昼ごはんつくるね」
「おー」
11時を少し過ぎた時計をみてリルはそう言って去っていった。何作ってくれるんだろうな、楽しみだな。
「今日はオムライスを作るよ! 夜はステーキらしいからね」
「おー! ……お?」
俺は何か違和感があるような気がしてリルの方をみた。
この部屋は有夢の計らいで台所からリビングを眺められるようになっている。その逆もしかり。
もちろん、リルが台所に立ってるんだが……見えてるものがおかしい。
……エプロンと素の肩と鎖骨と胸…?
おい、これってまさか……。
俺の予想が正しいなら、台所に行ってみてみる必要があるようだ。
「な、なあリル」
「わふん? なんだい?」
有夢のなんでもつくる装置からカット済みの野菜を出せばいいのに、いつもわざわざ野菜を切っているリル(まあこの家の料理を作るやつみんなそうするらしいけど)が、手を止めてこちらを振り向いた。
同時に俺も完全に台所に入りきる。そこにあったのは驚きの光景。
エプロンと黒い長めの靴下以外何も履いてない、そんなリルが目の前にポツリと。
「り…りる?」
「ど、どうしたんだい?」
「なんで裸にエプロンしてるんだ?」
「………わふ」
リルは恥ずかしそうにモジモジしている。
は、恥ずかしいならやめればいいのに……いや、俺にとっては眼福だが……。
「ショーが頑張ってる間に勉強したのは整体やスポーツ医学だけじゃないよ……に、日本の…その、そういう文化もね、色々と…。そしたらお手軽にできるものの中にこれがあって……ショー、喜んでくれるかなーって」
顔を真っ赤にしてリルはそう続けた。
いや……幾ら何でも俺のためとはいえ、色々頑張りすぎだろ。ここまで望んで居ないぞ俺は。
……って言ったら嘘になるけど。
「も、もしよければ好きな風にしてよ。さ、触られるくらいならギリギリお料理続けられる自信あるから! あ…でも流石にそれ以上となると……」
「な、なあ、リルがさっき言っていたイイコトってこれか?」
「わふ? …うーん、いや、これもその一環だね」
リルはそう言うと後ろを向いて料理をし始めた。
後はまじでなんも隠れていない。
やばい、雰囲気も何もかも一緒に風呂に入ったり夜を過ごすのとは違う。
……さて、俺はどうするのが正解なんだ?
######
まさかの続く(・ω・`)
続けたくなかった(たてまえ)
いかにもラノベっぽい、一回こう言うのやってみたかった(本音)(もう1回どころじゃない気がする)
リルちゃんは脱ぎキャラ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます