第204話 お城にて

 ローズが1人立ちしてから1週間がたった。


 そうそう、その1週間の間にローズが2回遊びに来たんだけど、なんか順調にやっていけてるみたいだったよ。

 もうすでに、Dランクなんだってさ。

 ミカがからかい半分でローズに『好きな人できた?』って訊いてたんだけど、居ないんだって。

 人間になって数日で好きな人ができたら驚きだよね。


 それと、ローズってば妙に態度がよそよそしくなってたな。

 どうやら、俺達が何者か知っちゃったみたいで、『我は汝らに敬語を使った方が良いのだろうか』って言って悩んでた。

 他人行儀はやめてくれ、というと、ローズは了解してくれたんだけどね。唐揚げ食べながら。


 ふっふっふっ…それにしても、ついに休みが10日間もとれたんだ!

 やっと、カルアちゃん達との約束である、レベル上げの手伝いができるよ!

 1ヶ月半も待たせちゃったし、一緒に遊ぶこともできなかったからね……。


 因みに、2週間後は俺の誕生日なんだよ。えへへ。

 ミカが、俺におもてなしするんだと言って息巻いてる。可愛い。

 

 今、俺とミカはカルアちゃんの部屋で3人で遊んでるんだ。およそ1ヶ月半ぶりに、お泊りで遊ぶの。

 1ヶ月半の間、なんとかギリギリ遊べる日があっても、泊まることはできなかったから。


 明後日からレベル上げの手伝いをするつもり。

 セインフォースの4人は今、クエストに行っていて居ないんだけど、明日には戻ってくるらしいしね。



「ふふ…やっぱり、アリムちゃんとミカちゃんと遊んでる時が一番楽しいです」



 カルアちゃんが、俺達とこの世界に元々あったボードゲームで遊んでいたら、そう言った。



「そうなの?」

「はい、実はお祭りが終わってから数日、何度か近隣国のお姫様達や貴族様の娘さん達とお話をしていたのですが……あの何かを探るような言葉の掛け合いや、その場にいない人の悪口を言うのは私は嫌いなんです」

「そうだよねー、わかる気がする」

「アリム、そう言えば勇者宣言の時とかに偉そうな人とかと話してたもんね」

「うん」



 そう、ミカの言っている通り、俺が勇者宣言だったり、パレードだったりで何人かと話をしてるんだよ。

 勇者宣言の直前の時は…そうだね、俺を小馬鹿にした子が多かったかな? 全員ではないけれど、どこか庶民を見下してるような…それに、俺の容姿についてもなにか気に入らなかったみたいで。

 で、勝利宣言やパレードの直前の時は180度手を返してきたんだよね。


 あれだよ、ああ言うのって親もそういう性格だっりするのが多いと思う。

 そうだ、思い返してみれば、俺を一番色々と言ってた令嬢の父親は酷かった。

 子供と一緒になって他人の悪口言ってるとこ見かけたんだもん!

 だめだよね、そんなのね。



「ふふっ…あ、私の1位抜けですね」

「うわっ…またか…」

「スゴイ豪運」

「ふふふっ」



 ひと勝負1時間半。朝の9時から今の時間まで、2回コレで遊んで…2回ともカルアちゃんの勝ちだ。かなりの運に頼るゲームなんだけど…やっぱりカルアちゃんの運はすごい。



「そろそろコレは飽きたね。次になにしようか?」

「リバーシですかね、それともスゴロク? ジェンガ…」

「うーん…あっ! アリムの水着ショーは?」


 

 ミカはたまに、突拍子もない提案をしてくるから困る。



「それ、却下ね」

「えー」

「えー…」

「えーって言われてもね……今、秋だし…」

「じゃ、これで我慢する」


 

 プニッ。

 俺のほっぺたにミカの指がささる。やっぱりこうなるのか…。



「あ、では私も」



 もう片方の頬に、カルアちゃんの指がささった。

 ミカとカルアちゃんはプニプニを繰り返している。



「あー、何度触っても良い心地です」

「ねー…でもね、カルアちゃん」

「はい?」

「アリムの胸はもっと……………やわ」

「ふえぇ!? ダメだよ、触らせないよ?」



 くそっ…。いつもそうだ。

 ミカとカルアちゃんが揃うと、俺の身体を玩具にしようとしやがる。



「胸は流石に触りませんよ。ただ、感触の感想を…」

「うんとね、まるで______」



 ミカが言いかけたその時だ、コンコンと、この部屋の戸をノックする音が聞こえた。

 それは、お昼ご飯の用意ができたことを知らせに来たメイドさんだった。


 はぁ…助かった…。


 俺とミカとカルアちゃんは食堂へ向かう。

 すでに料理は並べられていて、国王様とカルナ様も居た。あの2人はすごくラブラブだ。

 

 そういえば最近また、おなじみのメフィラド城の料理長さん…確か名前はニスロクさんだっけ。そんなのはどうでも良いとして、彼がまた料理の腕を称号によってあげたらしい。

 料理の腕だけは、俺に近づきつつある…?

 実はすごい人なのかもね。


 俺らは席に着き、美味しく料理を食べる。

 おぉ! これは本当に近づいてるんじゃないだろうか。 アイテムマスターを手に入れたばかりの頃の俺と同等であると言っても過言ではあるまい。


 食事をしながら、俺達は雑談をする。

 良く考えたら何回も国王様と一緒に食事をしてるけど、これって割とすごいことだよね?



「忙しい中、よく遊びに来てくれたなアリム、ミカよ」

「はい、お邪魔してます」

「これからもカルアと仲良くしてくださいね?」

「勿論です!」



 そういえば、光さんはどうなってるんだろう。ヘレルさんはまだ、この城で滞在させて貰っているのは知ってるけど…。



「そういえば国王様、メフィストファレスってどうしてます?」

「あぁ、あの元悪魔か…まだ牢に居るぞ。最終的な刑自体は決めてるんだが……すぐにその刑を実行するわけにもいかぬし、色々と引き出したい情報もあるしな」

「そうなんですねー」



 ふむ、ちゃんと罰は受けてるみたいだ。

 俺は未だに、ミカが死んだ原因を作ったことを許してないけどね。

 まぁ、でも、いつか日本には返さなきゃいけないよね…。そのタイミングをいつにするかが問題か。

 そうだな…この様子だと、処刑だと思うから…死体を拾ってアムリタで生き返らせて帰らせるってのが一番いいかも。


 しばらく雑談し、ごはんを食べ終えようとしている。

 まさにその時だ。

 かなり慌てた様子で、1人の使用人さんがこの場に来た。

 国王様場に急に真剣な顔になる。



「む…どうした?」

「たっ…たいへんですっ…北の国で____」

 

 

 


 

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