第120話 引っ越し
俺らは城の間近くの土地に着いた。
荷物が少なくて本当助かった。たった0.15秒で引っ越しの準備ができたからね。
「うわ…大きいお屋敷……」
ミカが言う通り、既にでっかいお屋敷が建っている。
アーキンさん曰く、この屋敷は置いてある家具などもないそうなので、取り壊すなら壊しちゃって大丈夫なのだそうだ。
「ミカ、今からあの屋敷を破壊するよ。弓帝咆を準備して」
「え? そんなことしたら驚かれるんじゃ…」
「大丈夫、幻術を使うから」
「うーん…わかったわ……。少し不安だけどやってみる」
ミカは土地いっぱいに魔法陣を広げる。
俺は幻術で周りの人に全てを見えないようにする。
ミカはなんの問題もなく魔法を発動した。
幻術の影響で、音も様子も他人には一切漏れずに、無事に屋敷は消え去ったようだ。
この土地は大体、普通の家5軒分の土地といったところかな。
「じゃあ、次にボクが新居をダークマターで作るからミカは幻術お願いね」
「わかった」
俺はでっかくて立派な屋敷を思い浮か、ダークマタークリエイトで創り出す。もちろん、中が広くなるマジックルーム仕様だ。
ミカの幻術のおかげで音も様子も他人には漏れずに屋敷は降り立った。既にエンチャントしまくった家具とかも配置している。
トズマホで内装を見れるようにもしてる。
フッフッフ……完璧だ!
「ジャーン、ボク達の愛の巣だよ!」
「あ……愛の巣って! …まぁいいけれど、本当になんでもありだね、アリム……なんてあっけない……」
たしかに、感動味がまったくない。
それにしても、愛の巣って言葉に反応したミカ可愛い。
「それに、家がでかすぎよ…住むの私たち二人だけでしょ?」
「そうだね…でもほら、これからパーティメンバーとか増えるかもしれないしさ…ね?」
「掃除とかどうするの?」
ミカは俺にツッコミを入れてきたけれど、家に関してはその心配はいらないんだな、これが。
「エンチャント[常に最良の状態を保つ]があるからゴミやホコリは自然消滅するよ!」
「なんでもありね、本当に」
ミカはそう言っていたが、まんざらでもないようだ。
掃除って、めんどくさいもんね。
俺らは新宅の中を見て回った。
俺が想像した通りの家だ。ミカは嬉しそうにこう言った。
「ねぇ、これほとんど全部私を基準に考えられてない?」
「そうだよ? 当たり前じゃん。ミカが暮らしやすいってことは、女のコであるアリムも暮らしやすいってことだよ」
「あぁ、そうか。はたから見たら私達、女同士だったよね…嬉しい、ありがとう」
そうなのだ。すごく女性にとって、主にミカにとってとても暮らしやすい設計にしてある。
まぁ、俺の作業部屋とか地下にほぼ無限に広がる多目的空間もあるけどね。
トイレとかこの家の中に何台あるんだっけ?
お風呂も大浴場と個人浴場と用意してあるし、むやみに屋敷の構造は難しくしてないし、ミカの個人部屋と俺の個人部屋、それに俺とミカの部屋があるし。
とにかく、地球でも超最先端の家なんじゃないかな? 太陽光発電できるし。オール電化(魔力で動く)だし。
ミカは一通り部屋を確認したあと、俺とミカの部屋について聞いてきた。
この部屋は、俺とミカがイチャイチャするために作った部屋だ。
「ねえ、ここ何する場所なの?」
「俺とミカの相部屋だよ?」
「だから何するの、ここで。台所とかついてるじゃんこの部屋」
まぁ、その質問もっともだよね。
しっかりと説明しなきゃ、ふふふ。
「普段はここで過ごすんだよ。この屋敷の出入り口にドアはエンチャントで直結してる。この横にあるボタンを押せば普通に部屋に戻る。もう一回押せば玄関に直結する。つまり、しばらくはこの部屋だけで活動するんだよ。広いのは見た目だけの家と化するんだけどね」
と、説明した。
「な…なるほど……たしかに広すぎても意味ないものね…それでも、なんでベットは一つなの?」
「え? 二つもいらないよね? 広めにベット作ったし。その……ボクと一緒に……寝ない?」
やばい、このセリフは直球すぎたかな?
ミカの顔は真っ赤になった。
「ば……ばかぁ……へ、変なことしないでね!」
「変なこと…しないよ? 別に。ボクたちまだ12歳だし。嫌なら別に…」
「…いいわよこれで…」
OKが出された! ヒャッホー!
あとは俺の自制心が保つかどうかだね。
こうして、俺らの住まいは完成した。さっそく新居の台所で、お昼ご飯にチャーハンを作って食べよう。
ちなみにウルトさんには俺らがどこに引っ越したか言ってある。
前みたいにパラスナさんとかが訪ねてきたら、ここを教えてあげるように頼んだんだ。
メッセージで送ればいいのにね。
因みに、屋敷が新しくなってたら周りが騒がしいんじゃないかとか、そういう心配はいらない。
魔法を駆使してなんとかしておいた。主に幻術。
そんなわけで夢(?)のマイホーム完成!
さてと、今日はあと……神具級の武器でも作ろうかな。
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