ゲーム
レイラside
私は、天音ユイラです。
双子の妹です。
いま、少し困っています。
私は、和泉君の所にゲームを持ってきた。
「あの……そこに落ちていたので……」
「なんで拾ったの?」
和泉君は、そう言いながら、ゲームのパッケージを見る。
しかし、持ち主の名前は、なかった。
それどころか、表紙の写真や題名、説明もなかった。
「和泉君、このゲームをやってください」
「?」
「和泉君なら、クリアできそうなので……私もやってみました。クリアできませんでした……」
「もうやったんだ……ルールは、わかった?」
「全然わかりませんでした」
「わからないんだ……これ、本当にクリアできるの?」
「とりあえず、やりましょう」
私は、ゲームに対応している本体を取り出し、セットする。
和泉君は、不安そうな顔をする。
そして、ゲームを始める。
ゲームの陽気な音楽が流れる。
「これ、阿久津先輩じゃないですか!」
そのゲームに出てきたキャラクターは、部長だった。
「レイラちゃん、気付いていたの……?」
「いえ、さっきは、普通の棒人間でした」
「差が激し過ぎるね……」
和泉君が、青いボタンを押す。
すると、キャラは、ジャンプした。
「これは、アクションゲームみたいだね。あ、なんか出てきた」
小さくて、とても見にくいものが出てきた。
和泉君は、それをよけていく。
しかし、そのうちの一つに当たってしまった。
キャラが爆発した。
「あー、ゲームオーバーか」
赤文字で、ゲームオーバーと出てきた。
和泉君は、リプレイする。
しばらく進むと、地面に何かが落ちていた。
すると、何か文章が出てきて、勝手にキャラが動き出す。
『赤を連打すると、よけることができる』
「これ、コロッケだよね?落ちているのを食べるの?なんか、キャラの扱い酷いよ!」
「とりあえず、普通そうなので、食べさせてみましょう」
和泉君は、そのままにした。
キャラは、自動で動き、コロッケを食べた。
「一ポイントアップだって。たぶん、ライフのことだと思う」
「あ、また出てきた」
「え……これ、絶対に食べちゃいけないものだよね……」
さっきのように、コロッケが落ちていた。
しかし、今回は違った。
コロッケの中心には、ドクロマークがあり、毒々しい紫色をしていた。
和泉君は、赤を連打した。
そして、コロッケをよけた。
しかし悲劇が起きた。
よけた直後に、もう一つ毒コロッケが現れた。
和泉君は、突然のことで驚き操作できなかった。
キャラは、コロッケを食べた。
すると、苦しんで倒れた。
再び、ゲームオーバーの文字が出る。
「ずるくないですか?しかも、苦しむ声、先週阿久津先輩が蹴られて苦しんでいる時のですよ!」
「私、ここまで進んでいない。和泉君、すごい」
私は、和泉を褒める。
「なんか、ゲームオーバーなのに褒められてもあまりうれしくない。よし、次は、絶対にクリアするぞ!」
リプレイした。
そして、さっきの所を進み終わったとき、レイラは思った。
「このゲームには、セーブ機能がないんですか?」
「確かに……」
「さっき、私の時はセーブできましたよ」
「どうやったの?」
緑のボタンのメニューから出来ました」
和泉君は、メニューを見る。
「あった。セーブっと……え、なんで!」
和泉君が叫んだ。
「どうしたんですか?」
「なんで、セーブするのにパスワードが必要なの!これ、絶対に無理なパターンだよね!」
「諦めましょう……」
そして、ゴールが見えてきた。
「やっと、ゴールか……」
すると、キャラが止まった。
そして、何か出てきた。
『ボスを倒せ』
「これ、一君じゃないですか?」
「無駄によくできているね……」
画面の下のほうに、小さな文字で文章が書いてあった。
『黄色で攻撃』
和泉君は、黄色を押してみる。
押し方をそれぞれ変えると、キックとパンチができるようだった。
和泉君は、器用にキックをボスに当てた。
すると、ボスは倒れた。
「これ、弱すぎ!一回だけしか当てていないよ!一君にそっくりすぎだね……クオリティー高い」
そして、ゴールすると、エンディングが流れ始めた。
「これ、なんですか……」
私は、なんだか馬鹿らしくなった。
「うん……なんで、エンディングに俺がゲームオーバーした時の映像なのかな……やっていたのがすごく馬鹿らしい。時間、返してよ!」
和泉君が言う。
すると、洋君が来た。
「それ、俺のゲームだ」
「洋君の?嫌な予感がする……」
「ああ。俺の手作りだ」
「やっぱり!こんな阿久津先輩の扱いするのは、洋君しかいないと思ったら!」
「面白いだろ?わざとやれば、永遠に阿久津を殺せるから」
「なんか、殺してしまってすみません……阿久津先輩」
和泉君は、謝っていた。
「エンディングは、なんでゲームオーバーの所なんですか?」
「それは、もちろんわかりますよね?」
なんとなくわかりました……
この後は、怖すぎるから、言わないことにします。
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