#12「The Highlight」

TVをつけると時々、映画の宣伝をしている。

「何月何日に公開します」

と共に見所を発言しているが妙な違和感を覚える。

本来、見所とは受け手側が模索するものであって

作り手側が発信するべきではないと思う。

例えて言うのであれば、

ラーメン店は主に醤油、味噌、塩の三種類があるが

初めて入る店にあたってお客は『どのラーメンが好きか』といった情報がない。

そのため、店長にオススメを聞いて注文をすることがある。

これは三つの選択肢の中でひとつしか選ぶことができないからこそ、

作り手に聞く必要性がある。

しかしながら映画というラーメン店は入った瞬間、三種類のラーメンを強制的に

食べさせられる。

三種類も食べさせられるのにひとつのラーメンを進められても

あとの二つは蛇足ではないかと思えてくる。

ならば作り手は沈黙を通して受け手側の方で見所を見つけることが

映画としては最高の形ではないだろうか?

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