第80話 海戦 05
◆
「かー、あのおっさんもえぐいねえ」
ヨモツはテレビを見ながら感想を漏らす。
「あんな小さい子を人質にするなんて内外から反発が来そうなのにやっちゃうってのがね。俺より吹っ飛んでんなあ。ギャハハハ」
「この映像、本当に全国に流しているのでしょうか?」
「そうに決まってんだろ、コンテニュー」
同席していたコンテニューは顔を顰める。
彼もヨモツも自分の任務を終え、遠いジャアハン国に行くことは出来ないので、今は本国でテレビ放映されているブラッドの様子を眺めている。
「こういうことをして後で世間体などどうするつもりなのでしょうか?」
「知らねえよ」
「……知らない?」
「ブラッドのおっさんはいつもこんな感じだよ。後先考えないで突っ込む馬鹿」
だがなあ、とヨモツは鼻を鳴らす。
「圧倒的な武力と結果で、そういうの捻じ曲げんだよ、あのおっさん」
「そうだったのですか」
「だからよお、あいつは俺よりえぐいんだよ。色々なあ」
ヨモツは呆れたように呟く。
「あの女の子の命は無いねぇ」
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