第378話 希望 07

    ◆



「――どうしました?」

「すすすすみません! 今すぐに――」

「責任者を出しなさい! 今すぐに! 返してよ! あたしの娘を! 娘をどこにやったの!? 連れ去った娘を返して!」

「ああ、そういうことですか。――君、僕が対応しますから下がっていいですよ」

「あ、でも元帥の手を煩わせるわけには……」

「……元帥だって!?」

「ええ、そうですよお姉さん。自分がその責任者ですので、応接室で少しお話を――」

「あんた! あたしの娘をどうしたのよ!?」

「すみません、少しだけ静かにしてください。

 ――

「……あんた、どうしてあたしの名を?」

「えっと……この場所ではあまり大きな声では言えないので手短に断片的に……すみませんがマリーはどうしても助け出せませんでした。彼女があの場でもう一度俺と会う為には、このような形でなくてはいけないようです」

「何を言って……というかあんた一体……」

「ああ、すみません。明確に言えません。だけどこう言えば判りますかね?



 ――『』」



「っ!? あんた……まさか……っ!?」

「察しが良い女性はいいですね。でも貴方なら分かるでしょう。、こういうことも可能だ、ということも」

「そうだけど……でも……」

「――さて、その点も含めてお話ししましょう。

 貴方もゆっくりと休むべきです。

 静かな土地に旅行なんてどうですか?


 まあ、旅行と言うには少し長すぎですけれどね――」

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