第377話 希望 06
◆???
「……っ……」
「あ、気が付きましたね。良かったです。話せますか? 僕が分かりますか?」
「…………君、は…………? ここ、は…………?」
「認識していますね。ということは呼吸停止時の酸素の供給も、表面上の心臓停止もきちんと弊害なくできたようですね。……よし! よし!」
「……?」
「ああ、すみません。取り乱しました――と、こんな口調である必要はないか、もう」
「……え……っ?」
「目覚めた所で悪いけれど、あんたにはやってもらいたいことがある。感付かれる恐れから奥さんにも子供にも貴方は死んだこととして認識してもらうことになるのでしばらくは連絡もさせられないけれど、でも必ずいつかは再会させてあげるから。まあ、元々は二度と会えない所に行くところだったのだから、そこは我慢してくれ。――あ、幸いながら僕は貴方の上司になったってこともあるので、こういう言い方にしましょう」
「何を……」
「ちょっと田舎に赴任してください。俗世から切り離されたような静かな土地に家を用意していますので、そこで平和に過ごしていてください。
――後から来る人と一緒に」
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