第376話 希望 05

 過去を変えられない。


 それは誰の所為とも仕業とも知らない、条件も曖昧なまま過去に戻される事象があるから。

 それはかなり厳しい条件で、制限されていて、先に進むこと――正解となる行為が自身の望んだ通りにならないこともあった。

 だから表面上は何も変わらない。


 だが――コンテニューは発想を転換させた。


 彼は死んだのか?

 彼女は死んだのか?


 何故、そのように言えるのか?


 心臓を拳銃で射抜かれたから?

 ジャスティスを破壊されたことで命を吸い取られたから?

 息をしていないから?

 心臓が止まっているから?

 体温が低かったから?

 青い顔をして微動だにしなかったから?


 

 ――


 心臓に辿り着く前に弾丸が何故か消滅したら?

 息をしなくても酸素が全身に行き渡っていれば?

 仮死状態として生命活動を密かに維持していたとしたら?


 そのように――変化させたら?


 クロードであり、コンテニューの能力で、そのように見せかけることが出来る。

 表面上は。


 赤い液体のように、コインに自身の一部を仕込めば、遠隔だって可能だ。

 お守りに入れても。

 ――どんな形だって。


 だって言っていたじゃないか。

 出来る、と。

 そう、彼が言っていたのだ。

 のだ。

 だからきっと――いや絶対、出来るはずだ。



 自分が――



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